6年半前に子供の学校の送り迎えが不要になった途端コンサートやオペラに又行きはじめ、いくつかのオペラハウスやコンサートホールの会員にもなり最初は目ぼしいものは手当たり次第に切符を買い、年間70~80回はいったでしょうか。そして有名クラシック演奏家は一通り聴いて、その上で何度でも行きたい人は一握りなので徐々に回数も減り、この2、3年は40回前後。今はほとんどオペラで、主にロイヤルオペラハウスに熱心に通いつめています。

そんなにオペラに行ってさぞお金をたくさん使っているのだろうと日本の感覚だと思われるでしょうが、ご心配なく、信じられないような安い切符もあるのです。この頃私がよく買うのは、舞台を横から見る馬蹄形の最上階の席で、ロイヤルオペラハウスではupper slipと呼ぶのですが、8ポンドから13ポンド。出演歌手のランクによって値段が代わりますが、2千円前後で一流歌手が聞けるのはありがたいことです。ここは体を斜めに乗り出さないと何も見えないし、いくら乗り出してもどうしても見えない部分もあるので(舞台の上の方は横の隅っこ)ヴィジュアル面を重視する人はお勧めできませんが、声が後ろに跳ね返って程よいエコーの音が素晴らしく、値段の割には最高。


張りぼてのセットを見るのに何万円も払いたくないので、そういう安い席で数をこなし、視覚面は二の次というのが私流の楽しみ方。でもこれは正直言うと少々やせ我慢で、もしお金がたっぷりあったら勿論高い席にも座ってみたいですし、実際たまには張り込みます。150ポンドの席に座ったこともあるんですから。


つい最近ロイヤルオペラハウスで書き下ろしの新作オペラの世界初演もあったし、9月から来年7月まの来シーズン一年分の公演リストも届いたし、今まで観たオペラや歌手のこと、書きたいことは山ほどありますが、まずは4月12日、18日、21日となんと3回も観たヴェルディの「仮面舞踏会」の感想からはじめます。