昨夜テレビでABBAの金髪女性Agnethaについての番組を見ました。なかなか興味深かったのでご報告を。


Agnethaは英語名にするとAgnes(アグネス)ですが、スェーデンではアニエッタと発音するようです。日本では多分アグネッサだと思うので、これにします。


ポップス界のゴールデン・ガールだったのに決して幸せになれなかったのは、彼女の生まれつきシャイな性が華やかな環境に付いていけなかったのが原因のようです。


十代でソロデビューして、21歳でビョルンと結婚、もう一組のカップルと4人でABBAを結成し、1974年のユーロビジョンでウォータルーを歌って優勝し、世界的に有名になったのですが、彼女はその大きすぎる成功に常に恐れを抱いていたようです。そして子供が二人生まれて仕事と子育ての両立で悩み、離婚。以来20年以上もスェーデンのエロカ島という人里離れたところで隠れるように住んでいます。


グループ解散後はソロで歌っていましたが、飛行機恐怖症のため車で移動していたところ、交通事故で大怪我して芸能活動は停止。医者と再婚したものの3年足らずで離婚。母親の飛び降り自殺、その直後の父の死で更に孤立。

その中で奇妙な行動として、ストーカーとの愛人生活というのがあります。8歳のときから彼女に偏執的に憧れていたかなり年下のオランダ人男性と2年間関係を持ち、彼女に一方的にふられた彼はストーカーとなり、彼女の訴えにより国外退去処分となるものの、数年後に期限明けとなるやいなや又スェーデンに入国。また同じことを繰り返し、再びオランダに強制送還。テレビにも出てきたインタービューの中で彼は「期限が明けたらもちろん又彼女に会いに行くんだ。愛し合っているんだもの。どうして破局したのか理解できない」と語っています。

一見普通の男性なのですが、周りの話からも明らかに変質者です。性的な面は他人にはうかがい知れないものですが、彼女自身も後悔しているようで、インタービューでもそのことは話したくないとだけ言ってました。20年ぶりのインタービューという触れ込みでしたが、実際はスウェーデンの番組を一部抜粋しただけで、彼女の話はほとんど聞けず、そのストーカーの方がずっと多く登場して喋っていました。

今55歳の彼女は少しふっくらして、年齢相応に皺ができて顎の回りの肉がたるんではいますが、まだ充分魅力的で、昔の面影をはっきり残しています。最近、スェーデンでのMamm Mia!のオープニングに顔を見せ、23年振りにABBAの4人が顔を揃えたそうで、その場面も放映されました。

折角の美貌とあの歌唱力、ABBAの人気は彼女によるところが大きかったわけで、ソロ歌手として地道に活動しながら子育てや再婚もできた筈なのに、こんな半生を送ってしまった不幸なアグネッサですが、何か吹っ切れたのでしょうか、最近は、インタビューを受けたり華やかなミューカルの初日に姿を見せたり、明らかに変化が見られます。

同じスェーデン人で往年の名女優グレタ・ガルボは死ぬまで長い間ずっと隠遁生活を送ったのですが、今まではそれと並び称されたアグネッサ、ガルボのようにならないで、あの澄んだ歌声を是非また聞かせて欲しいものですね。人生を感じさせる女盛りの歌唱は素晴らしいにちがいありません。

今ちょうど同じくらいの年齢のミュージカルManmma Mia!の中年ヒロインのように再び幸せを掴めますよう。 

頑張れアグネッサ!!