「スターウォーズ・エピソード3 シスの復讐」を家族3人で観てきました。

娘は大事な試験中で、終わるまでにあと1ケ月近く掛かるのですが、誰もそんなに待てないし、こういうのははやり大きなスクリーンと抜群の音響の映画館で見たいので、レスタースクアエに行きました。

第一作目のエピソード4からずっと観ている人にとっては、これでやっと壮大なストーリーが完結するわけですから、感慨無量。一作毎に映画技術の発達には目を見張るものがあり、時の長さをしみじみと感じます。日本で公開されたのは多分1978年。私はまだ日本にいましたが、もちろんすぐに観て、以来全部封切り直後に映画館で観てますし、テレビで何度観たことか。トーチャンはこういうの大好きですからね。

実はトーチャンにはスターウォーズに関してちょっとした自慢話があります。

1977年5月に英米で同時公開されたのですが、それより4,5ケ月も前に彼はロンドンで観ているのです。それは映画製作関係者向けの特別試写会で、世界で初めて完成作としてご披露されたのです。アレック・ギネス(オビワン)や3PO役の俳優もいたし、ジョージ・ルーカスも来そうです。

トーチャンがなぜそんなところに行けたかと言うと、オニーサンがサウンドトラック会社で働いていて、音は大丈夫かどうかをチェックするため参加したときにSF好きの弟を連れて行ってくれたのです。始まる前に映写室にいたらルーカスが入ってきたそうです!
もっともその時この映画はまだ全然話題にもなってなくて、ルーカスも「アメリカン・グラフィティ」しか知られていない新人監督だったので、彼に会って特に嬉しかったわけではなさそうですが。

なぜロンドンで初お目見えかというと、この映画、実はイギリスで撮影されたからです。費用がアメリカの大手資本からなのでアメリカ映画ということになるのですが、当時イギリスの方が特写技術が優れていたことと費用が安く済んだからでしょう。ロンドンから汽車で30分ほどのエルストリーという町に大きな映画スタジオがあり、そこは実は私が最初にこの国に来たときに住んでいたところでもあります。

さて、この最新作、なかなかよかったですよ

前作のエピソード2はストーリー自体が薄っぺらこともあり退屈でしたが、今回はアナキン・スカイウォーカーが悪の側に寝返ってダース・ベーダーになるまでの、いわば前半のハイライトなわけで、ふーんそういう理由でああなったのか、がはじめてわかるわけです。

これ以上ネタばらしはしませんが、ちょっとだけ言わせてもらうと、もうちょっとアナキンを善と悪の間で迷わせて心の葛藤を表して欲しかったです。案外あっさりとあっち側に行ってしまったので。それに、定番とも言える酒場のシーンがなかったのは寂しかった。想像力に富んだ色んな生き物が和気藹々とドリンクしてるのが楽しいのにね。その代わりなのか、チューバッカの大群が出てきたけど。

CGはもちろん舌を巻くほど素晴らしく、特にCGじゃなくてもしかして本物かしらと思うほどセットも戦闘場面もリアル。スピード感に溢れるクションもふんだんにあり、特に今回のアクション・ヒーローはマスター・ヨダとも言えるほどの大活躍。彼が大きな敵をぶっ飛ばすたびにやんやの喝采です。思えば、最初の頃彼はマペット・ショーのような人形で、下から棒で操作してたなんて、今からでは信じられないですよね。


実は私にはセットやアクションよりずっとずっと見るのを楽しみにしていたものがあり、結果は期待以上だったのでとても満足。それは、アナキン役のヘイドン・クリステンセン。もうスゴ~~~~ク素敵で大好き!前作で初めて見て即一目惚れ。その時はひょろっと細くまだ少年の面影でしたが、あれから3年、美しい青年に成長しました。髪も長めにし、ボディビルでもやったのでしょうが、程良い筋肉がついて、水も滴る良い男!

私はちょっとハンサムなら誰にでもぼーっとなるわけではありませんが(昔はそうだったかもしれないけど)、彼は私好みの北欧系(名前から判断すると)で、長身でさっぱりした顔立ち。歩くだけでも凛々しい身のこなし、アクションも軽くこなし、完璧な絵になるラブシーン。でもシャイで自分のことを良い男だとは思ってないみたいに見えるところが一番魅力的。私ってそういう男に昔から弱いのよねえ。


今回は彼が一枚看板の主役なので出ずっぱり、良い目の保養をさせてもらいました。で、見ている間中私が考えていたのは、他の役で彼を見たいなあということ。こんなCGのオマケというかコミックのキャラクターじゃなくて、普通の生身の役もやらせてみたいじゃない? そこで一体どんな映画でどんな役がいいかしらと、まるでマネージャーになった気分で、想像の中で色んなコスチュームを着せたり脱がせたり(キャッ!)。

いわゆる古典的美貌ではないけど、中世の騎士の衣装でお姫様を救うロマンチックでクラシックな恋物語もいいし、麻薬でビロビロになるニイちゃん役もできそうだし、そうだ、うんと年上の女性と恋に落ちて苦悩するってのが最高かも、などとオバサンの妄想は広がり、その中でヘイドンは色んな扮装をしてくれました。惚れた弱みかもしれないけど、演技もできる役者と見た。


それに引きかえ全然良くないのはオビワン役のイーワン・マグレガー。彼が大根役者というのでは決してなく、他の映画では良い味出してるのに、このシリーズでは全く血が通ってなくて表情も乏しく表面的。スターウォーズ最新作は3つとも台詞が幼稚でひどいけど、今回彼が出るシーンが特に白ける。ミスキャストとしか言いようがなっくて、残念。

ともあれ、これで6話完結し、ルーク・スカイウォーカーとプリンセス・レイアがどういう状況で生まれて離れ離れになったのかわかって、長いテレビドラマの最終回で全て納得できたようなすっきりした気分になれました。よかったよかった。 チョー-ン!!