5月はオペラがひとつ(1984年)とコンサートひとつ(バレンボイム)だけという珍しい月で淋しかったけど、6月は6回行きまっせ~!
ざっとリストアップしてみますが、オペラはこれまでにない豪華歌手陣で、今から興奮で~す。
まず、ロイヤルオペラハウス(以下ROH)で、3つのオペラに5回、
① イタリアのトルコ人 by ロッシーニ
なんと言ってもチェチリア・バルトリ! イタリア人の彼女はでテクニック抜群で大人気のメゾ・ソプラノで、彼女ほどコロラチューラをコロコロと上手に転がせる人はいません。こぶしを転がすのに都はるみに叶う人がいないのと同じです(私は都はるみも大好き)。バルトリの声を聞くのは肉体的快楽で、いつまでも浸っていたい甘さと軽さ。得意のロッシーニで、思い切り小気味よく華やかにやってもらいましょう。ストーリーはロッシーニらしい他愛のないコメディですが、他にも芸達者な人が何人か揃って豪華な顔ぶれです。
これを2回聴きに行きます。彼女なら何度でも聴きたいから。
② リゴレット by ヴェルディ
せむしの道化師りゴレットの悲しい物語。
大切な娘ジルダを自分が仕える女たらしの公爵に手篭めにされ、殺し屋を雇って復讐しようとするのですが、公爵を愛するジルダはそれを知って身代りになり死んでしまいます。
聞けば誰でもあれかとわかる「女心の歌」をはじめ、美しいアリアが散りばめられ、父娘の切ない気持ちを盛り上げるヴェルディの代表作。
何度も見たこのプロダクション、一つのセットの向きを変えるだけで公爵の館とリゴレットの家、場末の酒場まで兼ねるという最近よくある経費節約舞台装置のひとつ。観客に想像力が求められます。でも衣装は時代も設定通りでとても洗練された色合いでスタイリッシュだし、なんと全裸の男女が舞台の上で絡むというショッキングなシーンもあり。
今回の私の楽しみは、ジルダ役のアナ・ネトレブコ。若くてほっそりと綺麗なロシア人でキロフ・オペラの花形ソプラノ。何度も聴いたことありますが、その度に上達している彼女、高い声が必要なジルダの切ない乙女心を歌うアリアをどう歌ってくれるでしょうか。これを書いている今、偶然テレビで歌ってます。
ダブルキャストで、こういうとき悲しいかなROHは有名な人ばかりが固まらないようにわざと分けるので、2回行かなくてはなりません。今月1回、7月にもう一回行きます。
③ ラ・ボエーム by プッチーニ
20年以上使っているセットは写実的で豪華。昔のセットは設定に忠実でわかりやすくて初心者向けに出来てることが多くて、こういうのもいくつかはずっと取って置いて欲しいもの。パリの屋根裏部屋に住む4人の貧乏な若者たちの友情を背景に、詩人のロドルフォとお針子ミミのはかない恋物語。彼女が肺病で死んでしまう最後のシーンは涙なくしては見られません。
ミミ役のアンジェラ・ゲオルギュー(1995年)
これも同じ舞台を何度も見ているので、余程の歌手が出ない限りパスしますが、今回は余程どころか、今をときめくソプラノの大スター、アンジェラ・ゲオルギューが出るので見逃せません。華やかな美貌で歌も芝居も当代一の彼女が久し振りにミミ役を歌ってくれます。オペラ界のゴールデン・カップル、相手役がご主人のロベルト・アラーニャでないのは残念ですが。この二人、ROHのこの舞台で10数年前に共演したのがきっかけで結婚したんですよ。
今回のロドルフォは中国人のユー・キン・ダイ。中国人の名前が一番理解し難くて、どういう漢字なのかわかりませんが、この1、2年ロンドンで人気のテノールで、顔が似てるので仲間うちでは沖雅也と呼んでます。
ミミ役はダブルキャストで、アンジェラ以外はリーピン・ザングというこれまた漢字がわからない中国人ソプラノなのですが、沖雅也はずっと出るので、中国人コンビでフランス人の役をイタリア語で歌うわけです。
これもアンジェラの出る日に2回行きます。
④ この他、ロイヤル・フェスティバル・ホールでアルフレッド・ブレンデルのピアノリサイタル。70歳を越した彼はオーストリア人ですが、ロンドンに住んでいるのでよくコンサートがあります。そう言えばこないだROHにオペラ観に来ていたわ。今回彼は何を弾いてくれるのか忘れましたが、何度か聴いて、失望したことの方が多いのに、また切符を買ったということは、本当に衰える前にもう一度だけ行こうと思ったんだったかなあ? 切符を買ったのは随分前だから忘れちゃった。
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でもさあ、オペラ歌手ってちょっと具合が悪いとすぐキャンセルするから、それが心配なのよぉ。特にチェチリア・バルトリはドタキャンで有名・・。 実際にに舞台に登場するまで安心できないのよね。
歌手は生ものだからしゃーないけどね。
病気になっちゃだちかんよ~!
(だちかん=名古屋弁で「駄目ですよ」という意味)