今日娘とロンドンの中心にあるピカデリー・サーカスの近くにあるユニクロに行ったら、なんと浴衣を売っていた!


いわゆる外人向けのキモノガウンは時々見るけど、本当の着物が大量に売られているのははじめて見た。

半幅帯と浴衣地とお揃いの巾着付きのセットで39.99ポンド(約8千円)。ネットで見たら、日本では3,990だから倍だ。30種類あるそうで、ロンドンのお店でもそれくらいの柄数はあったから、一応全部送って来たんだ。若い子向けの可愛い柄やちょっとお姉さん向けの淡い感じのもの、おばあさんでも着れそうな地味な色合いのもあってなかなかの品揃え。もちろん日本でおばあさんは買わないから、これは地味好みの若い女性用なんでしょうが。

日本では1,000円の下駄は6.99ポンド(約1,400円)。娘のために一足買いました。今まで娘に2度着物を着せてみたけど、大柄なので足袋も草履も私のでは小さ過ぎて、家の中で写真撮ることしかできなかったけど、これで彼女もお出かけできることになった。

私の浴衣は、ン十年前に自分で縫った紺色のが長い間手元にあるけど、イギリスに来てからは一度も着てない。今年の夏に仲間と何かイベントを考えればチャンスがあるかもしれないなあ。一度も履いたことのない黒塗りの下駄だってあるのよ。

実はトーチャンも浴衣を持っている。随分前に友人の知り合いが縫ってくれた、ごく普通の白地の温泉宿で出てくるようなやつ。もちろん着て出かけたことはない。帯はあるけど下駄がないもん。たとえ下駄を買っても、野外に着ていくチャンスはまずないだろうけどね。彼がシャイなことを別にしても、ここは夏涼し過ぎるし、日が長くて、夜いつまでたっても暗くならないから花火とかも夏はやらないしね。


しかし、ユニクロの浴衣は一体誰が買ってどういう場面で着るわけ? ターゲットと仕入れの理由を聞かせて欲しいわ。もしかして間違いで仕入れちゃったとか? でも下駄まであったから、そんなわけないか・・。 今までユニクロは特に日本の会社であることを前面に出してなかったけど、ちょっと変えてみようとしてるのかしらね? 

まず日本人は買わないわよね、絶対。だって日本人は「浴衣=夏」と思っているでしょうけど、ここには夏はないから。(ごくたまには異常気象で暑い日もあるけどね)

じゃあイギリス人及びロンドンにゴマンといる外国人が買うかしらね? で、パーティかなんかに着ちゃうとか? まあそういう物好きも少しはいるかもしれない。でも、買った人には衿の合わせ方とか帯の結び方とかを英語で説明してあるパンフレットを渡さないといけないと思うけど、着物セットの中には日本語のものしか入ってなかったぞ。折角正統的な着方をしたくても、あれじゃどうしていいかわかんないよ。マネキンに着せてあったけど、それを見本にしろってことでしょうか?それじゃあやっぱりバスローブにされちゃうだけだよ。まあ本来そういうものだからいいんですけどね。

オペラハウスに浴衣で下駄履きの外人が、しかも左前に着てたりする人がいたら嫌だなあ。でも、それは死人の着方だよって教えてあげないといけないよね。

でも、あんなにたくさん売れるわけないから、もうちょっとしたらセールで半額とかになってるかもしれない。そしらたら娘に一枚買ってあげてもいいかな~。日本で買おうと思ってたんだけど。