6月28日、フランスとスペインの艦隊を蹴散らしてナポレオンのイギリス侵略を拒んだ有名なトラファルガー海戦勝利200周年記念の行事が盛大に行われました。

35ケ国から参加した新旧の戦艦167隻参加し、イギリスの南岸ポーツマス沖に勢ぞろい、エリザベス女王も乗船して、夜は花火も打ち上げられ、「あれで負けとったら今頃フランス語喋っとるに~。ほんなことにならんでよかったがね~」とあらためてフランスにアッカンベーしました。平和時としてはこれまでにない大規模の集結で、日本からも参加してくれたそうですが、関係のない国がなぜこのイベントに遠くから来てくれたのでしょうね?

戦争に負けたことのないイギリスではよく戦勝パレードがあり、戦争を美化する傾向があるのはいかがなものかという気もしますが。


trafalfar fleet 2 trafalgar 1



総指揮官ネルソン提督は今でも英雄として極めて人気が高いのですが、「英雄色を好む」の例にもれず、有名な恋愛物語があります。彼も相手の女性も結婚していたので恋愛というよりW不倫のスキャンダルだったのですが。

nelson ネルソン提督



相手はエマ・ハミルトンという、元祖スーパー・モデルとも言える女性で、彼女をモデルにした肖像画がたくさん残っています。どうです、とっても愛らしいでしょう? 私はこの絵が一番好きです。匂い立つような、まさにイングリッシュ・ローズ(美しいイギリス女性を誉めるときに使う言い方で、おばさんにでもOK。それらしい女性ならですが)。

emma hamilton エマ・ハミルトン


鍛冶屋の娘という下層の出身ですが、美貌でのし上がり、17歳ですでに多数の愛人を持ち社交界で悪名高かったのですが、ハミルトン卿と結婚して、彼がナポリ王国に英国使節として派遣されていた時にネルソンと知り合って愛人に。ローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーの有名カップルがもっとも美しかった1941年に映画にもなり、題名は「That Hamilton Woman」。チャーチル首相のお気に入りの映画だったそうです。

Lady Hamiltonとして今も有名な彼女は、ネルソンとの間に子供もいて、国民的英雄だったネルソン提督は自分が死んだら国が面倒をみるように指示したのですが反古にされ、浪費家の彼女は夫の遺産も食いつぶし、アル中で50歳で亡くなったそうです。