元首相のSir Edward Heathが昨日89歳で亡くなりました。


「この手のわだゃー(話題)は私らの出番だがね~」とメアリーさんとドロシーが言ってりゃーすけど、申し訳ありません、通訳の椿姫に余裕がないため、標準語で我慢してつかーさい。

heath smile heath pm

晩年のヒース氏            首相に就任した1970年



ヒース氏が首相だったのは1970年から1974年までで、その任期中の1972年にイギリスはEECに加盟しました。彼の議員生活は1950年から2001年まで続き、最長連続議員記録の保持者です。


彼を保守党党首の座から引きずり落として後任党首になったサッチャー女史をず~っとず~っと恨み憎んでいたことは有名です。長老としてあれこれ役に立つ発言もしたのでしょうが、サーッチャーさんの悪口ばかりがニュースになり、大人気ない爺さんだことと誰しも思っていたことでしょう。

そこへいくとサッチャーさんは、「えっ、あの爺さんがまたキャンキャン吼えてるって? 好きなようにさせとけばいいのよ~」と売られた喧嘩を買うこともなく、一枚上手でしたね。


heath and maggie

「わしゃあアンタが大嫌いじゃよ」 「ほっほっほ」



ヒース氏は生涯独身でした。「理想の女性に巡り会えなかったから結婚しなかったんです」というのではなくて、最初から仕事と趣味に生きるために独身主義だったのです。そういう人は時々いて、それなりに認められています。

但し、それを納得させるためには偉大な業績を残すとか一芸に秀でているとかでないと格好がつきません。


彼の場合はヨットと音楽。一流のヨットマンであり、玄人はだしの指揮者でした。オーケストラを指揮するのはテレビでしか見たことありませんが、観客として来ている彼をコンサート会場で何度か見かけたことはあります。


彼はオックスフォード大学卒ですが上流階級出身ではなく、父親は大工だったそうです。保守党は富裕層に支持されているのですが、不思議なことに、最近の党首でごく普通の階級或いはそれ以下の環境の生まれの人が多いです。サッチャーさんは雑貨屋の娘だし、メージャー氏に至ってはなんとサーカス芸人の息子です。サッチャーさんはオックスフォード大学を優秀な成績で卒業していますが、メージャーさんはの学歴は実に貧しくて、16歳で社会に出たという経歴です。


この階級社会のイギリスでちょっと不思議でしょう?


今、この春の選挙の敗北の責任を取ってハワード党首が退任を表明しており、次期党首選びの下馬評に何人か名前が上がってますが、有力候補のキャメロン氏は上流階級過ぎることが欠点とされています。家柄の良いお坊ちゃんしか行けないイートン校出身ですから、庶民的感覚が欠如しているのだろうと思われちゃうんですね、きっと。