昨日の警官による地下鉄内でのテロ容疑者の射殺事件、実は殺されたのは関連の無い26歳のブラジル人でした。

今日正式に発表があり、警察は遺憾の意を表明しました。


テロのアジトとして警察に監視されていた家から出てきて、真夏に厚いジャケットを着て、あれだけ止まるように命令されたのに必死で逃げたからには、追っているのは警察だとわからなかったかもしれないし(私服警官だったので)英語が理解できなかったのかもしれないという事を考慮に入れても、何か後ろめたいことがあったのでしょうが、不幸な出来事でした。


容疑者がまさに自爆スイッチを押すところだと信じたからこそ取った行動であり、射撃した警察官を個人的に責めることはできませんが、もしそのアジト自体の情報がまちがっていたとすると、これは警察に対する信頼問題です。昨夜はあくまでも彼は直接関与したと言っていたのに一夜明けたら間違いでした、というのはあまりにも不手際です。しかもブラジル人をパキスタン人と間違えるなんて。


shot dead 犠牲者


今回は特別に警官に発砲許可が出ている状況で起こった事件ですが、今後は常時武装について検討することもあろうかと思われ、この複雑な多民族社会で警察への信頼はとても重要なことです。すでにイスラム教徒からこのshoot-to-kill方針は見直しすべきだという意見も出されており、それは当然理解できるのですが、テロに強硬に立ち向かうことも大切であり、バランスが難しいところです。

このような非常事態に強硬な態度を取ることは必要であると私は思いますが、この件については、世論の動向等がわかったらまたお知らせします。


最近、警察組織内の人種差別がときおり問題にはされますが(これは警察に限らずどの職においてもですが)、汚職などの不祥事はほとんど聞かないので、国民に信頼されている英国の警察、極めて困難な問題に直面してしますが、全力を尽くして挽回して欲しいものです。



今日エジプトでまた西洋人を狙ったテロ爆破事件が起こり88人が死亡しました。今まではこの手のニュースを聞いても「ああそうか」といわば他人事でしたが、今回は同じ犯行グループの仕業かもしれないわけで、とても身近に感じられ、あらためてショックを受けています。


こんなおぞましい出来事がしょっちゅう起こる環境で育つ若い人たちは可哀相です。