オペラシーズンが始まって、又なるべく着物で行こうと思ってます。折角実家から何枚か持って来たのだもんね。他に行くところもないし。

今月はすでに2回着て出掛けました。13日は9月だというのに梅模様のウールでいきなり季節外れのルール破りをしてしまったけど、でもそれは日本でのルールであって、勿論ここで梅が秋に咲く筈はないけれど、梅=初春とは誰も思ってないからいいことにしましょう。なんせ限られた枚数なので季節は無視しないと何も選べません。


21日はホセ・クーラという大スターも出るこの秋一番の華やかなオペラだし観客席からよく見える舞台袖の席だったので、よーし一張羅で行こみゃーか~と張り切りましたことよ。

私が持ってるのは全てが娘時代に作ってもらった日本ではとても年齢的に許されない着物ばかりなのを、ロンドンならいいやと開き直って着ているわけですが、その私が「さすがにこれはちょっと・・」と躊躇する着物を勇気を出して着て行きました。


ピンク地に牡丹かシャクナゲが散らばった訪問着。長目の袂(たもと)のせいで、お嫁に行ったら、或いはお嫁に行けなくても、30歳ちょっと越したら回りからやめなさいと言われる代物。でもここには止めてくれる人がいない・・。一緒に行った同年輩のカルメンさんも負けずに派手なバラの刺繍がカラフルでピカピカの訪問着をお召しになって、浮くなら二人で浮いてみよう、ヒンシュクも二人なら平気平気と恐る恐る・・。

でも期待(?)に反して、意外に冷たい反応だったような。わざわざ寄って来てラブリー!と言ってくれた人の数もいつもより少なかったしさ~。もちろん「あっ、こっち見てるな」という視線はいつもくらいは感じたし、目

が合うとにっこりしてくれる人はたくさんいましたが。


そんな中で若い綺麗な女性が寄って来て誉め千切ってくれたのですが、最初は「英語喋れますか?」と不安そうに声を掛けてきましたね。彼女だけではなく、今まで話しかけてくれた人は皆私たちが日本から来た観光客と思ってるようでした。だから話しかけるの憚かっちゃうのかもしれませんね(日本でだったら違う理由で躊躇うでしょうが。気味悪くて)。今度試しにタイムス紙でも抱えていこうかしらね?


その女性が「着るのに時間掛かるの?」とか色々質問してきた中で面白かったのは足袋のこと。「それってどこまでのものなの?膝まで? それとももっと上まで覆っているの?」だって。なるほど、そりゃ外から見えないからわからないわよね。


わからないと言えば、日本人でも縁の無い人は知らないのは、着物の下がどうなっているかってことではないでしょうか? 理想的な着物体型にするためにあちこちに詰め物したりして大変なんですよ。補正は着付けには大切ですからね。その必要のない恵まれた人もいますが、私は不運なことに着物向きの体ではないので、ずん胴ボディにするのにあれしたりこれ付けたり・・。あえて舞台裏は暴露しませんが、「ア~レ~、旦那様~」と脱がされでも「なんじゃ、これは?」と色気も何もありゃしません。



では、海外ならではの着物姿をご披露しちゃいましょう!

もう一度お嫁に行くときにはお見合い写真に使えそうでしょう? 拡大しなければ、ですが・・。 


homongi