無事に帰宅しました。

でも成田からヒースローへの飛行機は満席でほとんど一番後ろの席だったので出るのが最後になり、おまけに入国管理が長蛇の列で50分も掛かり、やっと出てきたらbaggage reclaimの表示がすでに終了していてスーツケースを見つけるのに一苦労。こんなこと初めて。入国を厳しくするのは結構なことですが、永住権を持って長い間たくさん税金払ってる私も同じ扱いかよ!



機内で映画「男たちの大和」を観ました。映画の出来もよかったですが、ちょうど私の両親が主人公たちの年齢なので思いはそちらに。


先日母と温泉に行ったときに、お酒には強い母が珍しくほろ酔いになり、父が戦地から引き上げてときのことをしきりに懐かしがっていました。まだ結婚する前のことですが、生死もわからないまま終戦後3ケ月で突然無事帰還の連絡があったそうです。


父は激戦地だったフィリピンのミンダナオ島の前線に送られて九死に一生を得てしばらく捕虜になった後引き揚げてきましたが、この映画の主人公のように自分だけ生き残ったことに複雑な思いがあったらしく、ずっと戦友との付き合いや戦死者の慰霊には熱心でした。


私はとくに父と仲良しだったわけではないですが、イギリスに来てから一度だけ手紙をもらったことがあります。結婚したいと連絡したとき、母親の手前、一緒に反対していることになっているが本当はそうではなく、私の選択を信用するから好きなようにしなさいということでした。目の前で米軍兵士に仲間を多数殺されたので私がアメリカ人と結婚したいと言ったらとても嫌だけど、イギリスは敵であっても直接殺し合った経験はないので気にしないとも書いてありました。

この手紙はとても嬉しくて、父にも反対されたらトーチャンと結婚しなかったかもしれません。


父はいつも私の望みを叶えてくれようとしたので、相手がアメリカ人であっても多分許してくれたと思いますが。


母はずっと遠くにお嫁にいったことに文句言ってましたが、父は私がどこにいようと幸せならそれでいいと言ってくれて、私の娘の写真を机の上に飾ってました。


今年の秋は父の十三回忌。仕事の都合がつけば法事に行こうかなと思っています。