椿姫さん、この頃ちっとも着物着ないのね~、と思ってらっしゃる方もいらっしゃることでしょう。


しょぼんそうなんですよ~、


オペラに2回行ったのに洋服だったし、悲しいかな私は毎年1月の大半は仕事が忙しくて、どこかに着物で遊びに行く時間的精神的余裕がないんです。決して着物に飽きたわけではありません。



ひらめき電球それならば、こんなときこそ、着物ネタが不足したときにアップしようと温存していたことを話題にしましょう。



娘は去年の秋から一年間、アート基礎コースに通っていて、あらゆる分野のアートを少しづつ教えてもらっているのですが、2週間textile(織物、布地)の授業で、「日本の着物」をテーマに選び、プロジェクト作品として二部式帯を作りました。


リサイクル素材を使うことが条件だったので、新品でさえなければ普通の布地でもよかったのですが、それでは面白くないと、娘は家にあったショッピング用のビニール袋(英語ではplastic bags)を利用。


まず一枚づつアイロンで溶かしながらくっつけ、それを12枚重ねてある程度の厚さに。これだけで丸一日掛かったようです。

それを、前の部分は赤と黄色の角柄になるように折り紙の要領で形にし、それを紐で繋げました。仕上げに黒いビニールをの形に切って、これもアイロンで貼り付けました(形がいびつなのは、溶け方がひとつひとつちがうためで、これもご愛嬌でしょう)。

そして、後のお太鼓部分は黒と黄色で古典的なのデザインに。この柄にするのは難しかったようです。


ここまでの材料は、ビニール袋と紐だけ。ビニール袋の中に芯を入れてもよかったのでしょうが、それでは表面的なので、リサイクルというポイントをとことん追及したようです。



↑ お太鼓のタレ部分は敢て省略。黄色の前部分にSelfridgesというデパート名も見えるでしょうか?



ベルトのように固いので、締め心地は決してよくないですが、まあ云わばファッションデザイナーがファッションショーで発表するのと同じで、実用性よりコンセプトとしてのデザインでしょうから、よしとしましょう。


お母さん、これでオペラハウスに行ってね!」とは言わないでしょう・・・まさか・・・・・


赤と黄色の前帯だけなら、ドレスのベルトとして実際に使用できそうではありますが・・・



 

二通りの着物で。帯締めや帯揚げはしてもしなくても・・・。



更に、ありふれたお太鼓の形だけではつまらないので、折り紙風の花や鳥の飾りをつけて立体的にしたところがユニークではないかと。紙ではなくて厚めのプラスチック板が使ってあるのですが、透明なプラスチック板に切り紙を入れてラミネートしてあります。



  
クリックして拡大するとよく見えます。お太鼓は、アイロンで溶かしたら、ちょっと小さくなり過ぎたようです。



メモ授業のプロジェクトとしては、帯を作っただけではなく、着物を全く知らない人のために初歩から説明を書き、最終的にどうしてこういう帯になったかという経緯のレポートがなかなかの力作でした。家にあった古い着物雑誌から写真もたくさん切り抜いて貼付してありましたわ(実際の帯作成は全て娘のアイデアでしたが、このレポート部分は、雑誌の翻訳とかカーチャンも手助け)。


私と一緒に日本でよくデパートの呉服売場や古着屋さんに行って実物を見ているし、去年の夏に京都で絞りメーカーさんを訪問して色々見せて頂いたことも貴重な実体験としてレポートの信憑性に貢献した筈です。もちろん、娘は何度か着物を着た経験もありますし・・・



口紅いつか娘が帯を作ってくれたら嬉しいだろうにと願っていましたが、意外に早く実現してしまいました。まあ例えばキャンバス地に絵を描いた帯とか実際に締められるものを想像していたので、この展開には驚きましたが、この体験によって娘がより着物に興味を持ってくれればこんな嬉しいことはありません。



来月は、娘のオペラハウス着物デビューも実現しそうで、私の方がドキドキしながらも楽しみにしてます。


私が娘に着せるときに「難しいわ~大変だわ~」と騒ぐので、それなら自分でやるわよ、と着付けも覚えたいと言ってくれてるので、それもそのうち・・・。



チョキということで、娘は得意なことをあれこれやらせてもらって楽しくも刺激的な毎日を送っています。



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