2月24日、パリで思いがけない貴重な体験をさせて頂きました。


その夜はオペラ・バスチーユでオペラ鑑賞だったのですが、その前に特別にバックステージを見学させて頂けることになったのです。


アレンジして下さったのは、yoyoさん 。この日のオペラ「ユダヤの女」をバービカンのコンサート形式で聴いたときの記事がきっかけでこのブログに迷い込んだyoyoさんは、お仕事の関係でオペラハウスにコネがおありなのです。


そしてロンドンからわざわざ「ユダヤの女」を観にいくという奇特な私たち二人のために一肌脱いで下さり、重要なポストのプロダクション関係者の方が個人的に案内して下さったんですよ。


感謝感激、このブログやっててほんとによかったとこれ程思ったことはありません。ほんとうにありがとうございました。 ブーケ1


バックステージのみならず、オーケストラピットにも入ったし、舞台の上まで歩いちゃいました。もちろん初めてだし、滅多に機会のあることではございませんよ。



!!このオペラハウスの凄いところは、そのスケールの大きさ!


私はウィーンのオペラハウスの舞台裏も見たことがあり、オペラ舞台というのは後に大きなスペースがあるのは知っていましたが、このバスチーユのとてつもない舞台裏にはただただ驚くばかり。007のクライマックスシーンのセット撮影ができるくらい。もちろんハイテク装置で大掛かりなセットの移動も楽々。それだけでも「おお~!」なのに、セットを作ったりするどでかい部屋が実にたくさんあるんです。


外から見てもとても大きなオペラハウスだったので、なるほどこういう仕事部屋だったのね、と納得したのですが、それだけではありません。平面的だけでなく下に下に限りなく広がって、高い天井の大アトリエが地下6階まであるらしいです。あちこちにたくさんあるシャッターもあんな大きなの見た事ないし、下から上まで大きなセットを運ぶ床が20メートル四方の巨大なエレベーターは圧巻です。


こんな大規模な空間、たかがオペラのためだなんて信じられないですね。


いざという時は核シェルターや武器工場にもなり得そうなオペラ・バスチーユは、さすがフランス政府が革命二百年記念に国の威信を掛けて建設した国家的スケールの大建造物。ここで千人の人が働いているそうですし、もちろん世界のオペラハウスの中では断トツでしょう。


考えてみたら、なんと私はコベントガーデンのロイヤルオペラハウスのバックステージツアーに一度も行ったことがないんです。いつでもできると思うとやらないことの典型。比べるために近いうちに行ってみなくちゃね。でも、うんとちっこいんだろうなあ、コベントガーデンは。


未発表の新作セットなども見せて頂きましたが、それはもちろんまだ内緒なので、お披露目済みの差し障りのなさそうな写真をお見せしますね。


土曜日だったので、働いてる人は全然いなくてひっそりしてましたが、平日だったら、着物姿の私たちに「あっ! 中年のマダム・バタフライが二人」と仕事中のスタッフがびっくりしたかもしれません。


  


バスチーユ広場の右側がオペラハウス。大き過ぎて、全景が一枚に納まりません。




    

 初めて入るのがステージドアからとは。



 とてもすっきり片付いていたのも意外。



  

      パリのドン・ジョバンニはこういうモダンな家に住んでるんですって。



  

オーケストラが軽く4つは入るリハーサル室。 可愛い十代の初心者ボーイがヴァイオリンの稽古してました。




  

今夜のLa Juiveの舞台。ガラスに見立てたプラスチックと鉄骨の巨大セット。



 オケピットは横長舞台に合わせてゆったり。


    

オケピットから眺めた舞台。3千人収容にしては意外に小さく感じましたが、後で客席から見たら、ちがう印象でした。



フラッグさあ、ではちゃんと正面入口から入ってみましょう。


  


明るくてモダンな半円形ロビーには子供たちの絵がたくさん貼ってありました。(NYメトのシャガールに対抗?) 



  

一番上の席から見下ろすとこわいくらいの高さ。私たちの席は平土間でしたけどね。



 宝石白蛍光灯の天井もキレイ!


コベントガーデンと比べると一回り大きくて舞台も客席も横に広くて近代的な設えのこのオペラ座では斬新なデザインで巨大なセットが絶対似合います。今夜のグランドオペラはまさにぴったり。


一つ失望したのは、トイレの数の余りの少なさ。裏があんなだだっ広い割にはロビーも狭いのですが、いくらなんでもトイレがあれではひど過ぎます。これだけはロンドンのロイヤルオペラハウスの勝ち。トイレ



というわけで、思いがけず楽屋裏を見せて頂いて、一気に親しみを覚えたオペラ・バスチーユ、一流歌手もしょっちゅう出てるし、またちょくちゃく行きたいな、と当然思ってしまうわけですが、うーん、これがロンドンにあったらどんなに素晴らしいことであろうか・・・


ビールオペラが終わると11時を軽く過ぎていましたが、yoyoさんに近くの庶民的なタパスバーに連れていって頂いてオペラ談義。こういうお店は、現地にお住まいの方が一緒でないとなかなか入れませんよ。入れても言葉通じないし・・・


おまけに帰りはタクシーでホテルまで送って下さって、yoyoさん、本当に何から何までお世話になり、ありがとうございました。



肝心のオペラ「ユダヤの女」は素晴らしかったですが、感想は別に書きますね。(マダム・バタフライはどうしたんだ?)


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