3月7日、バービカンにベルリン・フィルのコンサートを聴きに行きました。

随分時間が経っているので、ごく簡単にだけ書いておきます。


バービカンで私はたいてい舞台のすぐ近くのセクションに座るのですが、この日は独奏者はいないので、オーケストラの音がバランス良く聞こえることを重点にして、一番後ろのバルコニーにしました。最前列の真ん中ですが、そんな席でも20ポンド以上するのはベルリン・フィルだからこそ。


現常任指揮者のSirサイモン・ラトルは、日本で言えば小澤征爾のような存在でしょうか、イギリスではクラシック音楽に特に興味のない人でも知っている名前で、5年前に彼がベルリン・フィルのCアバードの後任になったことは新聞の一面トップ記事にもなりました。





 私の席からの眺め。バービカンでこんなに遠くに座ったのは初めて。


こんな席だから、今日は着物ではなくて普通の通勤服。

ここは会社から歩いてすぐですしね。






音譜

Berliner Philharmoniker

conductor Sir Simono Rattle


1Dvorak Synphony No. 7 in D minor (40分)

2Thomas Ades Tevot (UK premiere) (20分)

3Janacek Sinfonietta (20分


ラトルの指揮は何度も見てるけど、ベルリン・フィルを振るのを聞くのは今回が初めて。ということはベルリン・フィルは4、5年振りってことだ。以前はいつも行ったのだが、しばらくのご無沙汰。


私はぴしっと一糸乱れずというオーケストラが好きなので、優雅でおっとりとしたウィーンフィルより引き締まったベルリンフィルの方が好きだったのだけれど、さて今日はどうでしょうか?


普通は交響曲を休憩の後にトリとして演奏するのですが、今日はのっけからドヴォルザークの交響曲第7番です。今日のメインはThomas Adesの新曲ってことなのでしょうか?


1ドヴォルザークの交響曲はこの7番も含めて結構な回数を生で聴いていて、好きな作曲家の一人なのですが、今日のベルリン・フィルの演奏は、期待が大き過ぎたせいかもしれないのですが、しまりがないように私には聞こえ、「えっ、これがあのベルリンフィル?」と失望してしまいました。特に金管楽器は、かつて私をあんなに感動させた同じオケとはとても思えないほど。


しかし、同じコンサートを聞いた音楽通の人たちは素晴らしい演奏に感動したとブログで読んだので、私の耳がおかしいのかも、と自信が(最初からないですが)無くなりました。 あれが名演奏に聞こえなかったのは席が遠過ぎたのかしら?それともやはり私の鑑賞能力の欠如だろうか・・・ウーン




2期待していたドヴォルザークがそんなだった後は、前衛的で難解にちがいないとと怖れていたアデスの新曲。ベルリンフィルのコミッションで作曲したもので、この2、3日に前にベルリンでお披露目をしたばかり。その評判は後で読んだところなかなか良かったようですが、私は予備知識を一切持たずに聞きました。


出だしは混沌として不協和音的。わー、やっぱりな、そういう曲か、20分もこれを聞くのは辛いな~と予想通りぞっとしたのですが、しばらくすると耳が慣れたのもあるかもしれませんが、曲自体がすっきり美しくまとまってきました(よかった~)。大人数の打楽器編成でスケールの大きいこの曲(Tevotはヘブライ語で音楽の小節とか言葉という意味だそうです)が名曲かどうかはわかりませんが、アデスの才能は認識されているようで、今バービカンで彼を特集もしているし、他の国でもアデス・フェスティバルがあるらしく注目度大の新進作曲家です。




Thomas Adesは1971年生まれのイギリス人で、ギルドホール音楽学校でピアノを専攻した後ケンブリッジ大学で音楽を勉強した人です。


私は彼がBブリテンの歌曲でIボストリッジのピアノ伴奏をしたのを聞いたことがありますが、素晴らしい腕前でした。


現代音楽は決して好きではありませんが、彼の曲を聴くのはそんなに嫌ではありません。


実際、このすぐ後にロイヤルオペラハウスでアデスのオペラ「テンペスト」を2回観に行きました。




        OK  演奏後に部隊挨拶をするアデスは長身でハンサム


3ヤナチェックのこの曲は初めて聴くものですが、これも大編成の管楽器編成で、指揮者もオケもリラックスしたのか、楽しく弾んでこの夜一番楽しめた演奏でした。


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