・5月12日、テレビでEurovision Song Contestを観ました。開催地は昨年の優勝国フィンランドのヘルシンキ。

イギリスではこれは茶化すものであって、シリアスな歌のコンテストだと思っている人はもう長い間いないでしょうが、そんなことより、かなりまずいことになってます。


システムの説明や2年前のコンテストの様子は2年前のコンテスト記事 で書きましたが、歌はそっちのけで政治的配慮が主流になってしまったと嘆く声が多かったのですが、今年は更にそれが顕著になり、もうそればかり。


問題は、言うまでもなく、東ヨーロッパ勢の進出。台頭と言えば聞こえがいいですが、これはもう暴走

国の数が多いだけでなく、一般電話投票の組織票でお隣同士で票を与え合って、西側を蹴散らしています。


我々もヨーロッパの一員として積極的に参加しようという熱心な態度は結構なんですが、これはあくまでも歌の良し悪しを決めるコンテストなわけで、もう丸っきりポイントがずれてるので、ユーロヴィジョンソングコンテストはすっかり旧社会主義国に不当に乗っ取られてしまい、ソング・コンテストとしての意味がなくなってしまいました


やつらが鉄のカーテンの向こう側でこんなものがあることすら知らなかった時は、お互いを1位にし合うのはギリシャとキプロスだけで、それ以外はひどい歌を出した国は「点数ゼロ」という不名誉を頂戴して、(イギリスでは)あざけ笑って楽しめたのに・・・


今じゃ東勢に対抗するために誰もがお隣同士やかつての仲間に投票するんだもん、これじゃあビリになっても音楽的に反省しないから、音楽がなおざりになってしまうかも・・・


因みにイギリスはドベから2番目で、ユーロヴィジョンらしい脳みそ空っぽ風に単純で明るくてそう悪くない歌だったと私は思ったのだけど、投票してくれたのはお隣のアイルランドとかつての植民地マルタ島だけ。


フランスとスペインの間にある超小国アンドーラはフランスには高得点を与えたのにスペインにはゼロ点だったときには誰もがあっと驚き、「国を潰されたいのか!?」というジョークに笑った後、ふと「それとも何かスペインに対して不満があるのだろうか?」と心配になった人もいるでしょう。ネズミが猫に石投げる(噛み付くだったっけ?)みたいなものですから。


今年の会場は巨大な屋内アイスホッケー場で、映像を駆使した素晴らしい舞台だったし、規模は年々大きくなって、スペクタクルとしての観賞価値はあるし、演奏者のレベルは高いのですが、でもやっぱり私は叫びたい、


私が好きだったあのノンポリで歌が全てだったユーロヴィジョン・ソング・コンテストを返せ~


そうするためにはどうしたらいいか?

そりゃ、ブロックに分けてその代表を出場させるしかないでしょう。旧ロシア諸国から一つだけ、旧ユーゴスラヴィア諸国からひとつ・・・という風にできれば理想的ですが、それは当然無理でしょうから、サッカーW杯みたいにくじ引きでグループ分けすればフェアでしょう。


他の問題点は年々改善されています。


まず、今年は予算落ちも含めると参加国が42ケ国と過去最大だったので、このイベントの真の見所とも言える各国の得点発表が大幅に時間短縮されて、下位8ケ国は一気に表示して、テレビで発表するのは上位3位だけになりました。あまりにあっけなさすぎて盛り上がりに欠けましたけど、仕方ないでしょう。


次に、2年前はイギリス、フランス、ドイツ、スペインという最大経費負担国が最下位4つを占めるという事態となり、それまでのルールだと下位になった国は翌年はまず予選に通らなければならなかったのですが、それだと決勝出場はまず不可能なので(今年の予選も、歌の良し悪しとは裏腹に28ケ国のうち通った10ケ国は全て東勢)、それはまずいでしょということになり、この4ケ国は自動的に決勝進出が保障されています。ずるいですが、これしかないでしょう。


ヨーロッパの過度期である現状を反映してこうなってしまったのは仕方ないですが、近いうちに正しい形の音楽イベントとして復活しますように・・・。 そうすれば、アホらしいから抜けていったイタリアも戻ってくれるでしょうし、第一、これでは税金を投入する価値もありません。

或いは、このままでは西側諸国は次々と抜けていくでしょうから、もうこれは実質東ヨーロッパイベントにしてしまい、西側は新しいコンテストを別に作るのが一番簡単かも・・・

いや、まさかそんな「一つにまとまろうと努力しているヨーロッパ社会」に水を差すようなことはすべきではないに決まってるし・・・



  

          ↑これは去年のフィンランドの優勝グループ。






 今年の優勝候補はウクライナの銀色コスチュームグループ。

オッパイの大きな人も男性ですからね。


彼らが勝ったら、ユーロヴィジョンは化け物屋敷だなと言われそうですが、結局彼らは二位でした。
   






  代りに優勝したのはこのセルビア人。

      男装してるけど、女性ですからね。


          ・・・・・・・・やっぱ変態ショーじゃん・・・・・・

  


 

イギリス代表はあまりにも能天気だった?でもどんなに歌が素晴らしくてもどうせ東の連中は投票してくれないから・・





テレビ

ウィットに富んだコメンテーターのSir Terry Wogan。

連続37年もやってるイギリスのユーロヴィジョンそのもの。彼なしでユーロヴィジョンは成り立ちません。

 






ベル話は変わり、


歌のコンテストと言えば、来月、Cardiff Singers of the Worldというクラシック音楽のコンテストがウェールズで行われます。

歌そのものではなく歌唱コンテストですが、こちらはユーロヴィジョンソングコンテストとは違い、もちろん政治要素ゼロで実力だけで勝負の、水準の高い一年おきに開催される素晴らしいイベントなのでテレビで観るのが楽しみ。


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