7月4日、St.John's, Smith Squreに日本舞踊公演Kabuki Dance by the Tricyleを観に行きました。


国会議事堂の近くの教会をクラシック・コンサート・ホールにした所で、私は何度か行ったことがあり、2000年に人気沸騰する前のJDフロレスを最前列で聴いたこともあります。


  

娘も一緒。写真を撮りにウエストミンスター橋を渡りましたが、まるで冬のような暗雲のビッグベンでした。



 閑静な国会議員住居地域にある教会です


勝美巴湖さんは、日本の文化庁文化交流使としてロンドンで活躍なさる勝美流師範で、3週間前ケンブリッジ で私がお琴で伴奏をさせて頂いた方です。


三奏会というのは2006年に結成された「長唄、囃子、舞踏」の三分野の伝統芸能グループで、今回が初の海外公演だそうです。


  踊り: 勝美巴湖、勝美雅隆、勝美巴恵、勝美伊三次(勝美流家元、特別出演)

  長唄: 渡辺雅宏 味見純 枡屋利次郎
  三味線: 今藤長龍郎 松永忠一郎 今藤龍市郎
  鳴物: 藤舎呂英 堅田新十郎 藤舎正生 望月潤 堅田昌宏


1藤娘   踊り:勝美巴湖

藤娘と言えば思い出すのは去年6月の市川海老蔵ロンドン公演 。どうしても女装オカマにしか見えなかった逞しい海老様に比べると今回の巴湖さんは理想的な可憐さで、指先まで気を配った細やかな表現が素晴らしかったです。藤娘は引き抜き衣装変えもあるし華やかでいいですね。

ケンブリッジではもちろん拝見できなかったので、やっと踊られる姿が見られて嬉しかったです。


2月の光(ドビューッシー)/春の海(宮城道雄) 踊り:勝美巴恵/ピアノ:松本さやか/フルート:小倉正弘

ピアノとフルートと創作ダンスのコラボレーションなのですが、残念乍ら踊りは全く見ることができませんでした。巴恵さんはずっと奥の真ん中でだけ踊り、舞台の前方には一度も移動して下さらなかったからですダウン

このイベントのために即席で吊り下げたと思われるカーテンが視覚をさえぎったからですが、安いサイドの席の私たちは一部舞台が見えないことは承知の上だったので文句言うなと言われればそれまでですが、ちょっとカーテンを誰かが押さえてくれたら(逆側はそうしてたぞ)少しは見られたのに・・・でもかぶりつき正面席の隅っこ人も見えなくて文句言ってたので、これは演出ミスでしょう。無理して付ける必要なかったと思います(趣味の悪い柄だったし)。


でも、いいんです。私が興味あったのはケンブリッジで私が苦労した「春の海」のピアノ演奏だったし、ピアノの方だけはよく見えたので。


(ここで休憩になり、横の自由席にいた私たち親娘とぴかさんは空いていた最前列ど真ん中の席に移動しました。私はオペラハウスなどでもそういう図々しいことはしませんが、係の方が「どうぞどうぞ。そうして下さいと言おうと思ってたんですよ」と仰って下さったし、それよりもどうせ良い席に座ってる人たちはスポンサー無料招待券に決まってるんだから、大して気も咎めません。実際、私たちはこの日極めて数少ない自腹組だった筈。日系スポンサーがかなり買い占めるしまう形式はなんとか改善できないものでしょうか?自分でお金払ってでも見たい人が無視されてるのが腹が立ちます。海外公演って、海外のそういう人に観て貰うのが目的じゃないんですか?むかっ


3大原女  踊り:勝美雅隆

オカメのお面を付けたおばあさんのコミカルの間、後半はどんな姿に変身してくれるのかしらとワクワク。目の前で引き抜き作業を見られるのはとても興味深いことでした。


で、ジャジャーンと変身したのは「やっこさん」。真と金のギンギラど派手な着物と顔には隈取り。これで大袈裟アクションでエネルギッシュに動き回ってくれて楽しい踊りでした。

 

(ここで少し楽器の説明があり、各セクションのリーダーの方が一昨日のロンドン大学でのレクチャーのダイジェスト版をして下さいました)


4紀州道成寺  踊り:勝美伊三次、巴湖

さて、おどけた奴さんの次は、今日のメインとも言うべき父娘共演の大作。奴さんとは対称的な、能を基本にした静かで気品に満ちた踊りが素晴らしかったです。お父様のほとんど静止して滑るような優雅な動きを味わうためにこんな近くに座れた幸運を感謝。(安珍清姫)の清姫の巴湖さんの足元を見ることができたのもラッキーでした。

日本舞踊では着物の裾あしらいが大事ですよね。この会場はは元教会なので床傾斜がなく、舞台も低いので、足元を見ることのできた人が少なかったのは残念です。
  
  

巴湖さん、最後は蛇の姿。可愛い藤娘でのカーテンコールがなくて残念。

あっ、巴恵さんはこういう方だったんですね。   (クリックで拡大します)


合格こういう一流の邦楽演奏家の方々がたくさん日本からいらして日本の文化を紹介して下さると(そしてスポンサー絡みではない一般人にも切符が入手できると)嬉しいですね。邦楽への興味が高まれば、私たち三曲グループにもお呼びが掛かるかもしれませんもんね。


 川向こうのロンドン・アイも照明でビューティフル


こんな和風イベントにはもちろん着物で行こうと張り切って、支度して行ったのですが、諸事情で諦めましたしょぼん


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