9月23日、パリに日帰りで行ってきました。


時計前の晩は緊張してよく眠れませんでしたが、朝5時15分起床、6時半に家を出ました。そんなに早く出なくてもいいのですが、なんせユーロスターは国際線の飛行機と同じ、安い切符は融通が利かないので乗り遅れたら終わりですから、余裕が大事です。(着物の着付けは時間が充分あったし、会社で鏡も無しで大急ぎでやるよりはうんと楽)。


コーヒー8時の発車時間の50分前にウォータールー駅に到着し、ゆっくりカルメンさんとゆっくりお茶。

しかし油断はできません。


砂時計実は2月にこの二人でパリに行ったとき、もっと時間に余裕があったのに、お喋りに夢中になってて、気が付いたらもう皆さんは搭乗済み。慌ててプラットフォームに行ったらもう今にも走り出しそうな雰囲気の中、スタッフにせかされて走ったのですが、えらく長いプラットフォームなので、途中のドアから乗り込むように指示されて、ギリギリ滑り込んだという前科があるのですダウン

その時は洋服だったのでよくある普通の光景でしょうが、今回同じことを着物でやったら・・・。おまけに、待合室でも目立ってたにちがいないので、たくさんの人が「まあ、あの人たち随分早くから来てたのにねえ。馬鹿だな」、と思うでしょう。

なので、今回は「ご搭乗、プリーズ」と言われたらすぐに行き、大きなスーツケースを抱えてしんどそうな人が多い中で、ハンドバックだけの私たちはしゃなりしゃなりと優雅にプラットフォームをゆっくり歩いたざんす。


うんちそうだ、その前に、ゲートを通るとき、日本では絶対起こりえない陳腐な出来事がありました。


私は塵除けに薄いコートを羽織っていたのですが、手荷物の中身をX線で調べるときにそのまま着ていたら、女性係官になんと


「あんた、コートの下で背中にしょってるバッグも外さなきゃ駄目よ」と言われてしまったのです。


えーっ!?と思いながらもコートを脱いで「これは衣服の一部で、ベルトの役目をしてるんです」と説明しましたが、でも言われてみれば背中の膨らみは不思議でしょう。オペラハウスなどでもいつも好奇心の的になるのは帯結びですから、この係官に「この民族衣装の女は何かをしょっているのか、それともせむし?」と思われても無理もないかも。


にひひさて、寝不足の二人は、ユーロスターの中で少し眠れるのを楽しみにしていたのですが、3時間近くお喋りしてるうちにあっという間にパリ北駅に到着。時差があるのでフランスは12時。先月の余りのメトロ切符でオペラ駅に。


  
この紫のコートは、母が女学校で縫ったものですから、65年くらい前の戦前レトロ。裏地は真っ赤。カフェに座るカルメンさんは梅の柄の訪問着に銀色の帯でゴージャス。


オペラは2時半スタートなのでまだたっぷり時間あり(あり過ぎ)。じゃあ無理してそんなに早く出なくてもいいではないか、と仰るでしょうが、そりゃ私たちだってもう少しリーズナブルな遅い時間に乗りたかったですが、便利な時間帯の安い切符は残ってなかったのでした。(これでも一番安いわけでもないのです)



  

カフェのギャルソンは爽やかな好青年。       美味しかったけど、テーブルが小さ過ぎ。


幸い今日は暑くも寒くも風も無く、カフェの外の席に座るには理想的なお天気。
大したものはメニュになかったので、二人でイベリコ豚のハムの薄切りととサラダとパンでとりあえず軽く。

普通は通りを歩く人たちを眺める傍観席なのでしょうが、なんせこの格好ですから、前を通り過ぎる人たちの視線を感じましたわ、そりゃ。でも、夏にたくさん見掛けたジャージー姿の中国人と、パリの景観を損ねる点では同じかも・・・・汗


でも、このカフェは、今まで何度も眺めては、一度あそこに座ってみたいなと思っていたので、やっと実現できてハッピー~ニコニコ  トーチャンと一緒ではまずさせてもらえない時間的贅沢です。




カフェを出て、オペラ座の周りをぐるりと歩き、建物の後ろにある設計士ガルニエ氏の像の前で写真。



長い間ふたりで何着ていこうかしらね~、と迷った私たちですが、結局、訪問着で格調高くいこみゃあということで、これではまるでお正月の晴れ着ですが、気合が入っているのは感じて頂けるでしょう。


私はペパーミントグリーンに赤い花柄の訪問着に銀色に熨斗模様の袋帯。着物は日本の古着屋さんで、帯は最近ロンドンで譲って頂いたもの。


私のもカルメンさんのも、豪華にみえる割には実は全て安上がりに済んでいるのです、と小さな声でばらします。





45分前にやっと中に入れてもらえたので、まずは見学。二人とも前に来たことはあるのですが、着物で来ればギャーキャーと。



でも、この豪華絢爛ロビー、開演前にはぎっしり人で埋まるのかと思ったらそうでもなかったのはちょっと失望。


お洒落をしたカップルで華やかに賑やかになるのを期待してたのに、これでは淋しい・・・ 




    

後姿の方が美しいですよ、どうせ、フン。  付け毛と造花でうまく誤魔化したつもり。



グーすみませんが、


今夜は残業で帰宅が遅かったし、明日オペラハウスに着物で行く支度もしなくちゃならなかったので、これで時間切れです。

オペラが始まってからのことや、雰囲気の良いレストランで素敵な方と夕食したときのことは後編として明日(は無理でしょうから)明後日にでも。


明日はグルックのトーリードのイフィジェニーの2回目。


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