10月9日、バービカンのディミトリ・ホロストフスキーのコンサートに行きました。ROHでもお馴染みのロシアのバリトンです。


Great Performersシリーズのまとめ買いのときは無視しましたが、ホロ様ファンのブログ仲間babyfairyさん がわざわざアイルランドからこのコンサートにいらっしゃるということで、私もお供することにしたのでした。切符を買ったのは1ケ月くらい前ですが、まだ最前列が残ってました。


演奏者と曲目はこちら


Moscow Chamber Orchestra
The Academy of Choral Art, Moscow

Constantine Orbelian conductor
Dmitri Hvorostovsky baritone



Bortnyansky Cherubim Song
Tolstyakov Priidite ko mne vsi truzhdajushiesa (Come to me all you who labour)
Arkhangelsky Simvol very (Symbol of faith)
Chesnokov Da ispravitsya molitva moja (Let my prayer be set forth in thy sight)
Rimsky-Korsakov Gryaznoy’s aria, from The Tsar’s Bride
Tchaikovsky Po mostu mostochku (Across the little bridge) Chorus from Eugene Onegin, Act One
Tchaikovsky Vi mne pisali (You wrote a letter) Onegin’s aria from Eugene Onegin, Act One
Tchaikovsky Budem pit i veselitsya! (We’ll drink and be merry!) Chorus from The Queen of Spades, Act Three
Tchaikovsky Yeletsky’s aria from The Queen of Spades, Act Two
Shishkin Noch svetla (The night is bright)
Fomin Tol’ko raz (Only once)
Bulakhov Gori, gori, moya zvezda (Shine on, O star of mine)
Stetsyuk Medley on Russian Folk Songs: Kalinka, Poylushko Pole and Dorogoy Dlinnoyu
Pakhmutova/Grebennikov, Dobronravov Nezhnost (Tenderness)
Pakhmutova/Dobronravov Kak molody my byli (How young we were)
Gorodovskaya/Stetsyuk In Memory of Esenin
Babajanian/Yevtushenko Ne speshi (Do not hurry)
Babajanian/Rozhdestvensky Blagodariu tebia (I’m grateful to you)



ジーンズホロ様の衣装は全身黒で、トレードマークの若銀髪とのコントラストがお洒落。


ざっくりとしたスタンドカラーのシャツは一見普段着ですが、よく見ると袖口のボタンがキラキラ・ガラスで洒落てます。

光る素材のぴちぴちズボンもお似合い。



音譜ロシアものばかりのプログラムですが、私が知っているのはオネーギンとスペードの女王のオペラのアリアのみ。


当然ながらロシア人で溢れる会場で、一体どういうコンサートになるんでしょうか?



    


まず最初の数曲は、男女20人づつの聖歌隊と一緒にアカペラで神を讃えて、厳かに、辛気臭く始まりました。


私は何度も生で聴いているのですが、ホロ様、今日は声量も充分で調子は上々。


ロシア正教の音楽なのでしょうが、こういう珍しいのもたまにはいいですね。こればっかりじゃあ嫌ですが、次は華やかなチャイコフスキーのオペラのアリアが待ってますもんね、それとのコントラストとしてもは良いかもしれません。



ラブレターお待ちかねのモスクワ室内楽オーケストラとのオネーギンとスペードの女王のアリアは素晴らしかったです。やっぱりホロ様にはこれが一番。(リゴレット とかはもう止めようね。あまりの外れぶりにある意味一番印象に残ってるんだけど)


私はオペラを両方何度か観たことがあって内容もお馴染みだし、彼のリリカルでなめらかな声と美しいロシア語にはうとっとりで、私は彼のファンというわけではないですが、彼が歌うこの二つのアリアは結構好きで、こんな近くで好調のホロ様を聴けたことはラッキーでした、とたまには素直に褒めましょうニコニコ


砂時計 砂時計


休憩後の前半は、さらにわかりやすいロシアらしさが前面に押し出され、民謡ムードになり、ロシア尽くしも佳境に。


マンドリンとアコーディオンとオケストラのロシア民謡メドレーは心地よくて、特に15本の弦の変形四角の珍しい楽器(左の写真でマンドリン奏者の足元に)を目の前で聴けたのはとても興味深かったのですが、ふっと、「オペラ歌手ホロ様を聴きに来たのになあ、前回の渋いロシア歌曲のリサイタルとはえらくコンセプトのちがうコンサートだこと」とも感じたりして・・・


(sashaさんにコメントでご指摘頂いたのですが、マンドリンではなくドームラ、アコーディオンではなくバヤン、床に置いていある小型ハープはグースリというのだそうです。失礼致しました


そしてホロ様が登場する前に、なんとマイクロフォンが運び込まれました。


うっそ~、マイクで歌うの~!? カラオケ

ここはロイヤル・アルバート・ホールじゃないんだぞ~ むかっ 


知らなかった私が悪いのですが、最近ホロ様は歌謡曲のCDをお出しになったようで、それを歌うには軽~く、時には囁くようにまるでちがう発声にする必要があるらしく、それにはマイクが必要だったのです。


神々しく始まったコンサートは、しばしオペラチックであり、そのあと民謡調になり、ついには歌謡ショーとなってしまったのです爆弾


(マイク使用は、後ろの方の席の人は喜んだだろうけど、最前列の身には妙な音響でした)


満面に笑みを浮かべ両手を広げてマイクに向かうホロ様に、「お客様は神様です。三波春夫でございます~」というイメージが思わず重なってしまい、ほんとうに紙吹雪舞う舞台が繰り広げられたのです、私の頭の中で。


いや、いっそプレスリーか西條秀樹みたいにマイクを抱き抱えて客にウインクしながら七色ライトの中でヒラヒラ衣装でやる方がぴったりするかなあ、とも。


ホロ様、オペラに限界を感じて新境地を開こうとしたのでしょうか?


そうだとしたら、気持ちはわかるし、若くて上手でハンサムなバリトンに突き上げられてる今、正しい選択かもしれません。折角の美貌とスター性だ、誰でもなれるわけじゃないポピュラー路線で充分生き延びられる素質を持ってるんだから、もう全面的にそっちに行っちゃうっ手もあるよね。簡単にお金儲けできるしさ。


いずれにしても、私がこれから急に大ファンになることはまずないので、どうぞご自由に。(注:彼のことが大好きという人の気持ちはわかりますので誤解なきよう。これはもう好みの問題ですもんね。)



  


さて、babfairyさんは着物もお好きだということで、では二人で着物で行きましょうということになったのですが、前日はフロレスのリサイタルでパリにいらしたので、荷物を減らして楽に旅ができるよう、着物一式は私が準備しました。



3曲アンコールを唄ってくれて終了が10時近かったのですが、ホロ様のサインは絶対欲しいというbabfairyさんは長い行列に加わりました。

私はサイン会の現場に居合わせるのも初めてだったのですが、サインを集める趣味はないので、列から外れて写真係になりました。


天気があやしかったので二人とも洗える着物にし、babyfairyさんには細帯を締めて頂きましたが、お太鼓結びより華やかで良いですね。私も今度そうしようっと。


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