2月23日、バービカンにウィーン・フィルのコンサートを聴きに行きました。



1Verdi
Overture: La Forza del Destino (オペラ 「運命の力」)
2Prokofiev Piano Concerto No 2
3Tchaikovsky Symphony No 6 'Pathetique' (悲愴)

Vienna Philharmonic Orchestra
Valery Gergiev conductor
Yefim Bronfman piano


クラシックコンサートの切符が安いロンドンでも、ベルリン・フィルとウィーン・フィルは特別扱いで高いので、いつも座るバービカンのかぶりつき席は諦めて、バルコニーから聴きました。(13.5ポンド)





1運命の力、一緒に行った友人は、去年のムーティ指揮のシカゴ・シンフォニー のアンコールよりも今日のウィーンフィルの方がまとまっててよかったと言ってました。


そうかもしれませんが、私はムーティの鬼気迫る百面相を見ながら、まるでオケの一部のような席で体中で感じながら聞いた運命の力の方がよかったです。


バルコニーからだとたしかにオケとしての集合音がバランスよく聞こえるので、こちらで鑑賞すべきでしょうが、私はやっぱり近くで演奏者の表情や息遣いを感じながらの方が好きです。




2プロコフィエフのピアノ協奏曲2番は、先月キーシンで聞き逃したのですが、難しい曲にちがいなく、ヤフィム・ブロンフマンというピアニストは知らなかったので、どうなるのかしらと不安でしたが、この50歳くらいのおじさんは、華やかさには欠けるものの、確実な指さばきで安定した演奏で、美しいメロディなどはないこの曲を楽しませてくれました。


アンコールはスカラッティでしょうか、ほんの少しだけですが、力強いプロコフィエフとは対照的に優しく軽く美しく弾いてくれて、緊張感を和らげてくれました。





3悲愴は、職人的で娯楽性のある(もちろん芸術的ではあるけれど)チャイコフスキーの中では、人生の苦悩が滲み出るような深い味わいのある曲で、弦の響きに引き込まれます。


さすがはウィーンフィル、流れるような、それでいてどこかふんわりとした音で(そこがベルリンフィルとちがうところですが)、悲しさだけではない悲愴を奏でてくれました。


アンコールはお馴染み曲を一つだけで(曲名はわからないのですが)、予想に反してヨハン・シュトラウスではなかったと思います。


LSOの常任指揮者であるゲルギエフはロンドンでは嫌と言う程登場するわけで、「今回の主役は遠くから来てくれたウィーンフィル。拍手はオケの皆さんが受けるべきでしょう」とばかりに、自分は真ん中に立たずにオケに花を持たせたのは紳士的なゼスチャーで好感が持てました。


私は彼の、指揮棒は持たずに指を細かく動かすやり方は好きではないのですが、今夜は遠くに座ったためにそれは見なくて済んだし、指揮も態度も控えめな彼を見てちょっと好きになりました。




ベルベル

ところで、ロンドンにお住まいの皆様、すでに来年のウィーン・フィルのコンサートの切符が発売されていますよ~!


2009年2月19日のロイヤル・フェスティバル・ホール です。指揮者はズービン・メータで、ブルックナー9番ですからね、これは逃せません。

私はもちろんすでに買いましたよニコニコ

悲しいかな、また遠くのバルコニー席ですけどねしょぼん


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