カルメン　by Bizet 最初の３回

３月２５日、２８日、４月５日と今までに３回行きました、ロイヤルオペラハウスのカルメン。

今までに、ってことは又来週行くってことで、我ながら呆れたもんです。

「丸ちゃ～ん、キャイーン、丸ちゃ～ん！」、

という記事は３回とも帰ったその日に写真をアップする程の熱心さで、世界的テノール丸セロ・豚バレスへの思い入れと素晴らしさは「しつこいぞっ！」と言われそうなくらいわかって頂けたでしょうが、

じゃあ、他の人は？

私にとっては、丸ちゃんドンホセ以外は全くどうでもいいんだけど、まあ頭を冷やして一応書いておきましょうかね。

筋書きやらの基本的なことは過去の記事→先回のプレミエご参照。

Composer Georges Bizet
Director Francesca Zambello
Designs Tanya McCallin

Conductor Daniel Oren
Carmen Nancy Fabiola Herrera
Don José Marcelo Álvarez

Escamillo Kyle Ketelsen
Micaëla Susan Gritton
Zuniga Alan Ewing
Moralès Jacques Imbrailo
Frasquita Elena Xanthoudakis
Mercédès Jana Sýkorová　　
　　

カルメンはスペイン人ナンシー・ファビオラ・へレラ。

聞いたことのない名前だったけど、ちょっと前にＮＹメトのラジオ生放送のカルメン（ドンホセは丸ちゃん）にオルガ・ボロディナの代役で出たのですが、全然魅力なかったのでＲＯＨもいっぺんに楽しみがなくなってました（いくら丸ちゃんが目的と言っても、やっぱりカルメンは気になるでしょ？）

でもまあ生で聴いたらラジオほど歌はひどくなかったし、それどころか、毎回ずっと最初から最後まで丁寧な歌い方できっちりまとまって、ベテランらしい大人のパフォーマンスでした。大人（年増）過ぎたけど・・・

だけど、カルメンじゃないわ、これは。やっぱカルメンは、蓮っ葉でワイルドでセクシーフェロモン振り撒いてくれなくっちゃ。

へレラは美人で品のよいおば様が無理して腰くねくねさせてキャラ外れ。

声量もいまいちで、大劇場で主役を張る力はないけど、脇役でなら充分キラっと光れる人でしょう。

プレミエのアントナッチも計算されたクールなカルメンでしたが、声量もテクニックも抜群で、それとは比べものにならないほど差のついた、全ての面でスケールの小さな上品年増カルメンでした。

闘牛士のカイル・ケテルセンは、ＲＯＨにはよく出る人で、最近では去年のドン・ジョバンニのレポレロでした。

歌も芝居もそれなりに何でも器用にこなしてしまう人なんだけど、ピンとくるものがなくて、私は全く魅力を感じません。

今回も、出てくるだけで舞台がぱっとするスター闘牛士というにはあまりにちっこくて地味。

丸ちゃんよりは芝居は上手だけど、誰でも丸ちゃんよりは上手いので、大した褒め言葉にはなりませんね。

まあ彼だけを責めるのはフェアじゃなくて、この演出は出だしが問題なんですが。

本物の馬に乗って登場しするんだけど、先回のダルカンジェロもローラン・ナウリも馬を驚かせたらいけないとビビったか、皆さんやけにおとなしくて迫力なし。あのワクワクする闘牛士の歌の前奏の後は思い切りハッタリかましてもらいたいのに、馬上で歌うんじゃ、足が地に着いてないし、思い切った大声も出ないでしょう。肝心な登場場面がぱっとしないと、その後挽回するのに大変なのは同情の至り。

でもやっぱり、プレミエのスター性のあるダルカンジェロとナウリに比べたらＢクラスの闘牛士でした。

ドンホセに想いを寄せる１７歳の田舎娘純情なミカエラは良いアリアもあるし同情を集める得な役。