今日(5月17日)、ROHからすぐ近くのシアター・ロイヤルにロード・オフ・ザ・リングThe Lord of the Rings (クリックでサイトに飛びます) を観に行きました。


家族3人とムスメの友人の4人でマチネに行ったのですが、切符を買ったのは一昨日で、そんな直前でもまだ前から4列目の真ん中が買えたほど人気がなく、一年しかやってないのに評判が良くないのであと2ケ月で終了するこのミュージカルに行ったのは、一番高い60ポンドの席を2枚買うと半額になる程ダンピングになっているからではありません。


実はムスメが2週間前から、大学で斡旋してもらったjob experience(職場実習とでも言いましょうか)として、映画や舞台の小道具を作る会社に毎日フルタイムで通っているのですが、そこで作られた鎧(よろい)や刀がこのミュージカルで使われているんです。


そればかりではありません。


ムスメが作るのを手伝った小道具が実際に使われているんです。


主人公フロードを助ける助っ人団の一人である小人ギムリ(映画版ではひげもじゃの小柄なおじさん)の革手袋の装飾をがそれですが、浸かっているのがボロボロになったので代わりの品の注文があったそうで、大急ぎで作って届けたそうです。


10人程の小さな会社は金属や革製の鎧(よろい)と刀を専門にしていて、ムスメは革に何層も絵の具を塗ってメタルに見えるようにして、手袋に縫い付けたのでした。


今日、うんと近くの席に座って、さらに双眼鏡でしっかり見たところ新品のようだったので、きっとムスメが作ったものにちがいありません。


喜んでミュージカルを見ながら、ムスメは他の大道具小道具を作った人たちに思いをはせたことでしょう。このミュージカルはそういう面では見所満載です。


大学のアート科の一年生のムスメには、将来、,映画や劇場用にモノを作る職業に就くという選択肢もあるのですが、それがうんと小物とは言え、こんなに早く実現して、しかも現場をすぐに自分で見られたなんて、ラッキーなことです。 (毎日、さるハリウッド映画の時代モノの小道具をたくさん作っているらしいのですが、まだ撮影も開始していないので、映画の完成は来年でしょう。)


この実習、一応お金はもらえるものの、法律で定められている最低賃金よりもはるかに低いので、おこづかい稼ぎにはなりません。でも、お金では買えない貴重な経験をさせてもらっているわけで、学生側からみたらありがたいし、会社にとっては安いお金でアート学生をこき使えるので両者が得をする良いシステムです。


ムスメもも毎日緊張しながらも楽しんでいるようです。始めて大人の中で働くこともさることながら、パブに連れていってもらったり、いきなりちがう世界を垣間見るわけで、ガキンチョ・アニメにしか興味のないムスメが話題について行けるのか心配ですが、ジャイで社交性には欠けるもののまじめで何事も一生懸命頑張る子なので、それなりに評価してもらえることでしょう。


最低2ケ月はやるらしいので、家族で計画していたスコットランド旅行は中止になりましたが、ムスメにとって思い出に残る夏休みになるといいな、と思います。




 これは映画


で、このミュージカルはどうだったかと言うと、


なんせ壮大なストーリなのでどうしても説明が多くなって喋る部分が長くなり(全体としても長過ぎる)、歌が少ないのが私には不満ですが、セットには膨大な費用を投じただけあって見応え充分。セットを見るのが目的だった私たちには期待以上の素晴らしさで、とても楽しめました。


あれだけ近くだと戦闘シーンとか凄い迫力だし、パフォーマンスも、一人だけ下手くそがいた以外は概ね満足のいく出来で、特に女性歌手二人はとても上手で聞き惚れました。


この値段でこんなに近くで見られるのなら、ミュージカルももっと行きたいですが、人気のは高いので困ります。


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