6月21日、ロイヤルオペラハウスにNozze di Figarogeneral rehearsalを観に行きました。

リハーサルは、オケが普段着な他は全てちゃんとやってくれて、切符代もうんと安いので、とてもお得なパフォーマンス。一年で4つしか行けないし、フレンズ予約でも買えないときがあるし、平日のお昼にやるにやることが多いのですが、今回は土曜日だし、運よく買えました。


amphitheatreの真ん中あたりで10ポンド。舞台から遠いのがナンですが全体がよく見えて、これを正面から見るのは初めてで、舞台装置はこうやって動くんだ、ということもわかりました。



   Composer Wolfgang Amadeus Mozart
   Director David McVicar
   Designs Tanya McCallin


   Conductor Charles Mackerras
   Figaro Ildebrando D'Arcangelo
   Susanna Aleksandra Kurzak
   Bartolo Robert Lloyd
   MarcellinaAnn Murray
   Cherubino Anna Bonitatibus
   Count Almaviva Peter Mattei
   Don Basilio Robin Leggate
   Countess Almaviva Barbara Frittoli

   Barbarina Kishani Jayasinghe




カメラカーテンコールの写真はクリックで拡大します。
遠くからなので鮮明ではないですが。



  

あらすじ等は2006年のプレミア の記事をご覧頂くとして、


その時はフィンリーの伯爵とシュロットのフィガロの男性陣がすごく良かったのですが、今回はどちらかと言うと女性陣に軍配が上がるかな?



バーバラ・フリットリ
は5年前のルイーズ・ミラー以来のROH登場ですが、さすがに世界のトップの一人、高音から低音までむらなく美しく出て、もちろん美人だし、文句のつけようのないエレガントで上手な伯爵夫人でした。


顔をクシャクシャにする顔面神経痛みたいな癖も治ったみたいで、私は一度も気が付きませんでした(これは今度近くの席で観るときに観察します)。



その一流の伯爵夫人に、スザンナ役のアレクサンドラ・クルツァックも一歩もひけを取らないのは立派。彼女は去年の11月の愛の妙薬 の熱演で器用なことはわかったものの蓮っ葉令嬢のアディーナにはいまいち魅力を感じなかったけど(演出のせいですが)、今回の女中役はキャラもぴったり。キレのよい歌唱で小気味よく、溌剌とフィガロを蹴とばしてました。もっと知名度が上がるべきだと思います。


マルチェリーナのアン・マレーも容貌歌唱とも理想的で贅沢な脇役でした。


さて、今回一番楽しみにしていたのは、伯爵のピーター・マッテイ待っていました!

映像のNYメトのセヴィリアの理髪師でフロレス王子を食ってしまったほどチャーミングなフィガロだった彼がやっとロンドン初登場。


わあっ、長身で若くて色白の美男子!華があるわね~キスマーク 

映画俳優のティム・ロビンス似の好きなタイプですぅ~ラブラブ!

美人のフリットリとは実に絵になる伯爵夫妻でした。


芝居も上手だし、素直によく伸びる声は期待通りで、彼が歌う場面が楽しみでした。

だけど、伯爵が「くっそ~、皆で俺様を罠に落とそうとしやがって!」と怒る肝心なアリアは迫力不足で、これはプレミアのときのフィンリーに負けました。



主役4人の中で一番失望したのはフィガロのダルカンジェロだったかも。

いえ、声はよく出てたし充分上手だったんですよ。でも、どうしてもプレミアのピチピチ・シュロットと比べてしまうわけで、ダルカンジェロは声も仕草も大人過ぎて陽気さに欠けるような。

それに、長身のマッテイとロバート・ロイドおじさんに挟まれるとダルカンジェロは寸足らずだし、精悍な顔も若さがなくなっておじさんっぽい。



小柄なケルビーノのアンナ・ボニタティバスは顔は中年だけどやんちゃ坊主を上手に演じて、全体の出来を下げることなく健闘。だけど、見せ場のアリアがちょっとパワー不足気味だったのが残念。



くねくねのゲイ風情にされたドン・バジリオはROHではお馴染みのロビン・レゲット。無難にこなしてはいますが、そりゃプレミアのフィリップ・ラングリッジとは格がちがうので、印象に残るところまではいかず。



しかし、そのハウス・テナールとも言えるレゲットは癖のない声なのでどんな役にも化けられるけど、何をやっても口もごもごの私の嫌いな歌い方のロバート・ロイドじいさんはここには出て欲しくなかったです。

この前ドン・カルロのちょい役で出てたのは役柄的にもまあ許すとして、バルトロはミスキャスト。見た目も品の良い紳士のロイドおじさんに喜劇は無理なので、一人だけ浮いてました。お願いだから引退して他の人にチャンスをあげてください。それともなんでしょうか、Sirの称号をもらうまでは頑張るのでしょうか?無理でしょ、それは。 


以上、付いていけない人もいましたが、歌手のレベルは高く、ベテランのチャ-ルズ・マッケラス指揮のオケもスムーズで文句なく、素晴らしいフィガロの結婚でした。24日の初日もこの調子で頑張って下さいね、皆さん。


今月末にもう一度、舞台袖の席から観られるのがとても楽しみニコニコ                   


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