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<9月4日 木曜日 その2>
サンピエトロ寺院の後は、歩いて10分くらいのサンタンジェロ城Castel Sant' Angeloへ。
途中の道にチープな屋台店が並んでいるのが興ざめだけど、私、ここは初めてで、何度も外から眺めては中はどうなってるんだろうと思っていたので、今回は絶対に行くと決めてたんです。
プッチーニの「トスカ」の舞台だし、なんと言っても、今私がときめいているハドリアヌス帝が造ったんですもの
そう、今でこそ聖天使城などとキリスト教呼ばわりされてますが、元は古代ローマ時代の神殿なんですよ。
それまでの皇帝廟が満席になったため(後日見学に行きます)、2世紀初めに作られたもので、その頑丈さを買わて、その後増築、改装されて要塞、牢獄、教皇の住居として長い間使い回されてきたユニークな建造物です。それを反映して色んな様式のごった煮なのですが、それがいかにもローマらしいところ。
この2千年の凄い歴史の重なりには、ロンドンなど敵う筈もありません。
ローマには古代ローマ時代の神殿などを一部利用した後世の建物が結構あるのですが、これはその中でももっとも重要で興味深い建物で、内部では写真は撮らせてもらえませんでしたが、今はサンタンジェロ国立博物館となっています。
さ、では中に入ってみましょ~。ワクワク
あ、入り口にはなぜかあのお馴染みのアンティノーが!
そう、ハドリアヌス帝の美青年の愛人です。ここにずっと置いてあるのではなくて、ちょうどやっていた「古代の愛」とかいう大したことたことのない臨時展のためでしょう。大英博物館のハドリアヌス展の入り口にもこれと全く同じコピーが置いてありました。
因みに、このエジプト姿の像のオリジナル像はいつもはヴァティカンのエジプト美術館にあるのですが、今はロンドン大英博物館で展示中。
外観は中世風ですが、入り口は古代で、暗くひんやりとした厚い壁に偉大な帝国の権力とロマンを感じます。
最後に屋上に出てみましょう。
トスカの恋人カヴァラドッシが銃殺され、トスカが投身自殺したところですが、想像したよりも一回りちっちゃいかな。
さっきまでいたサン・ピエトロ寺院も見えます。法王がいざという時にヴァティカンからサンタンジェロに避難するための秘密の通路もあるんですって。
てっぺんの天使の像はコピーで、本物は城内にあるんだそうですが、閉鎖中で見られませんでした。
サンタンジェロ橋の両側にもいつくは天使の像が置かれていますが、これもコピーかしら?
アンティノーの白い新素材レプリカは頂けませんが、これらはコピーでも充分古くて美しいので、全然いいんですよ~
(後日、ライトアップされた夜景の写真を撮りに又行きましたが、想像以上に綺麗でした)
さ、次はナヴォーナ広場Piazza Navona。
ナヴォナ広場が細長いのは、古代ローマ時代に競技場(275mx106mで、3万人収容)だったからですが、いまでは教会やレストランが並び、車も入ってこない開放的な空間です。
噴水が3つあり、ヴェニスのサンマルコ広場に匹敵する美しさだと以前は思ったのですが、今回は失望。
だって、一番重要な真ん中の大きな噴水が修復中だったんですもの。
おまけに、パリのモンマルトル広場みたいに観光客相手の似顔絵描きがたくさんいて、俗っぽい雰囲気になってしまった・・。
この後ちょっと歩いて、私の大好きなパンテオンに行くのですが、その素晴らしさを書いてると長くなりそうなので、すみません、今日はここまで。
しかし、このペースでは一体いつになったらローマ旅行記を書く終えるのだろう・・・
私はいいんですけどね、旅をゆっくり思い出しながら楽しめますから。
10日前はあんなに暑くて夏そのものだったローマも、今日は21度で雨だったそうで、ローマも初秋。ローマに晩秋が来るまでにはなんとか(ロンドンにはもう来てる)、と焦るものの、9月は仕事も忙しいし、オペラシーズンも始り、明日も明後日も着物でお出掛けなので、気長にお待ち下さいね。