<9月4日 木曜日 その3>
この日はサン・ピエトロ寺院、サンタンジェロ城、ナヴォーナ広場と歩いて回ましたが、ここまで来たらすぐ近くのパンテオンPantheonに行きましょう。
サンタンジェロ城同様、ハドリアヌス帝時代に作られたパンテオンは、大の建築好きだった皇帝の熱い想いが強く反映されていているのですが、政務と美青年といちゃつくのと広大なローマ帝国をくまなく巡回視察するのに忙しかったろうに、ハド様って、凄い
神殿であったパンテオンは外観も、どこから見ても力強い優雅さがあって、美しいわあ。
ああ、やっぱり彼の夢を実現させたティヴォリのヴィラ・アドリアーナにいつか行かねば
いかにも古代ローマ風ではなく、シンプルで汎用性のある様式と大きさという利用価値のおかげで、サンタンジェロ同様、これもそれぞれの時代に使い回しされ、キリスト教徒に破壊されずに済んだので今でもほぼそのままの姿で残っているわけですが(キリスト教会だったこともある)、たとえこんなに長い歴史がなくても、私がローマの中で一番好きな建物です。
下の部分はラファエロや近代イタリア国王などのお墓になっていてどうってことないのですが、素晴らしいのは天井です。
機能的にも美的にも素晴らしいこのローマ時代そのままの丸天井は、差し込む日光が絶妙で、明るいけど荘厳な暗さで、窓はなくて上からだけ光を浴びるというのは神々しい気持ちにさせられます。
2千年近く前にこの天井の穴から空を見上げた古代ローマ人と同じことをしていると思うと、壮大なロマンを感じます。
聖母子像も依頼したラファエロRaffaello
パンテオンに面するロトンダ広場も雰囲気が良いので、この後何度も来ます。
さて、午後5時過ぎ、これからどうしよう?
ま、近いからトレヴィの泉にでも行ってみよまい、と。
だけど、着いたら、「陽のあたり具合が悪いで写真が撮れーせん。もうちょっと後で又こよまい」、というトーチャンの命令で、時間潰しに歩いてすぐのクイナーレの丘へ。
すぐ近くと言っても、丘だからすごい階段よ。足のマメと本日の疲れで苦しむカーチャンは、「私はトレヴィで座って待っとるで、二人で行ってりゃあ」と言ったのですが却下されたので、ビッコひきながらついて行きました(涙)。
クイナーレの丘には、トレヴィの泉の前の狭い広場とは正反対のだだっ広いスペースに噴水とクイナーレ宮殿があります。現在は大統領官邸だそうで、やたら警察官が行き来してました。でも、偉いのは首相なのであり、イタリア大統領は国家元首だけれど象徴的存在なんだそうです。
さて、30分後にまたトレヴィの泉に戻ったら、日差しはさっきと大して変ってなかったので、写真撮影にはまた後日来ることにしました。一部の彫刻にだけ夕陽が当たっているのが気に入らないんだと。
でも、折角だからちょっと写真撮っとこ。
トレヴィの泉にも後日又来て、嫌と言うほど写真撮りますので・・・夜景も。
さて、このへんで今日の観光は終わりだと思うでしょ?
普通はそうなんでしょうが、我が家はどっこい、
鬼軍曹にはこれでも不充分で、まだ6時過ぎだし、当然もう一頑張り。
で、
行くことにしたのが夜8時近くまで空いているアルテンプス宮殿Palazzo Altempsで、10年の修復を終えて再公開になったローマ国立博物館Museo Nazionale Romano。
でも、陳列されている古代彫刻は数も少ないし、大したものもなかったし、なによりも、入場料も払ったのに、入り口で荷物を全部預けなくてはならなくて写真が撮れなかったのが我が家には大失望で、大外れのくたびれ損。
足取り重く15分歩いて、最寄の地下鉄駅であるスペイン広場へ。
我が家にはまるっきり縁のない高級ブランド店が立ち並ぶコンドッティ通りを早足で通り抜けて、帰路につきました。
財布もひもじいけど、お腹もひもじいよ~~!
今夜は絶対レストランでフルコース食べなきゃ嫌だからな。
Balduinaのアパートから百メートルくらいに素敵な型レストランがあるのを見つけたので、一度行ってみましょう。
観光客向けではなく地元民向けのレストランはやっぱりすごく良いですね。
そこそこ裕福そうなイタリア人家族で混んでいるこのレストランは、この旅行中で一番美味しかったです。
決して安くはなかったですが、メニュももちろんイタリア語だけだし、英語のできないウエイトレスとのやりとりに四苦八苦したのも良い思い出。外国に行ったらそうでなくっちゃ、面白くないですよね。素晴らしい夏の夜の空気とイタリアに囲まれて、ああ南国イタリアにいるんだわと実感できました。
前菜はガスパッチョ(ムスメ)とハム&メロン(私)でしたが、このハムはちょっと食べてから、「すみません、これはまちがいです」と言って取り上げられてしまい、その後普通の生ハムがきました。チェッ・・
スパゲッティ・ボンゴレ(私)とシーフード・フリッター(ムスメ)。 デザートは、どんなのがくるのかお楽しみのええ加減注文だったけど、ミルフィーユを崩したようなクリーミーな一皿は美味で満足。
トーチャンの万歩計は21,500歩。 ま、平均ですね。