昨晩(10月11日)、ロイヤルオペラハウスのLa bohèmeの初日に行ってきました。


今年7月 のアロニカ/ガラルド・ドマス組の時と比べるとこちらの方がうんと高水準で大満足。


誰かが出なかった場合の予備の切符も持っているのですが、誰にも譲るもんか、来週また自分で行くんだ、と第一幕を聴いただけで決めました。


今はまだステージ写真も出てないし、2回目が終わってからそれも一緒にアップしますが、今日はざっとパフォーマンスの印象だけを書いときます。


カメラカーテンコールの写真はライトが強すぎてうまく撮れなかったので、来週はちがうセッティングで狙います。




Composer Giacomo Puccini

Director John Copley
Designs Julia Trevelyan Oman

Conductor Christian Badea
Rodolfo Wookyung Kim
Mimì Alexia Voulgaridou
Marcello Christopher Maltman
Schaunard Roderick Williams
Colline Alexander Vinogradov
Musetta Anna Leese
Benoit Jeremy White

  


メモロドルフォ(詩人)

去年7月のリゴレット で私が大ファンになったアンパンマンのキムチ君、期待を裏切らない素晴らしい美声を響かせてくれました。

これ以上下手くそにはなれないくらいひどかったリゴレットの時と比べると演技が格段に進歩していたので、ほんのちょっとだけ声が濁ったけど、その素質と努力に満点を差し上げます。

この顔ではパリジャンに見えないのは仕方ないですが、全身演技はなかなかのものだったし、歌い方でも立派に演技してたのが感心しました。


ワンピースミミ(お針子)

最初はHey-kyung Hongの予定で、キムチ君とは韓国コンビになる筈だったけどちょっと前にキャンセルして(残念!)、代役のアレクシア・ヴォルガリドウって誰だろうと、この中で唯一聴いたことのない人だし不安だったんです。

そしたらギリシャ人の彼女は、アンジェラ・ゲオルギューを全ての面で慎ましやかにしたような人で、You-tubeで見たときよりも年増でキムチ君よりうんとお姉さん風情でしたが、高音はきれいに出て、低音も迫力あって、とても上手。

美人だけどスター的な華やかには欠けるものの、この10年のミミ役では、2005年6月 のゲオルギューに次ぐ素晴らしさ。2回目はもっと上手に歌ってくれそうな気もするので楽しみ。





アートマルチェロ(画家)

クリストファー・マルトマンはこの数年主役脇役でイギリスでは大活躍の芸達者のイギリス人。

今までのマルチェロ役の中では一番知名度の高いバリトンですが、今回もおふざけ演技とまじめ演技のメリハリをきちんとつけて、今まででベストなマルチェロではないかしら? 

でもちょっと声がいつもの潤いを欠いていて、それでも充分上手なんだけど、2回目は絶好調に戻ってるといいなあ。若ハゲの彼、カツラを被るとハンサムだしね。


カラオケムゼッタ(歌手)

明るい大声は稀に見る素材だと思い、数年前から私が注目しているアナ・リース

折角の声なのにコントロールがうまくできないときもあるけれど、このムゼッタは大袈裟にぱーっと華やかにやればいいだけなので、彼女にうってつけ。この役で世界中のオペラハウスで注目されること疑いなし。

ROHにはちょい役でよく出てるのですが、ムゼッタでは2年前 (丸ちゃんのときね)に代役で大成功だったのが認められたのでしょう、今回は文句なく抜擢されたにちがいないです。これからも役柄をよく選んで邁進して下さい。


音譜ショナール(音楽家)

この中で彼だけが7月と同じで、ローデリック・ウィリアムス、その時は地味ながら光ってました。今回は他の皆が前のチームより良いので、彼のよさがちょっと埋没気味ではありましたが、スリムで彼は大き過ぎて邪魔になることはないし(よくいるんですよ、そういうバリトン)、手堅い脇役としては重宝に使えるタイプなので、ROHにもこれからはきっとちょくちょく出てくれるんでしょう。待ってます。



本
コッリーネ(哲学者)

はい、こないだの私とツーショット の可愛いヴィノ君で~す!


丸ちゃんボエームの時に初めて聴いて、上手だし可愛いので、顔と声とのギャップに驚きながらも、気になってたバス・バリトン。


握手もしてもらった私としてはうんと親しみが沸くわけで、今日の視覚的注目度はナンバーワン。双眼鏡で彼の姿をずっと追ってました(キムチ君はあんまりアップで見たい顔じゃないし・・)。


クマと呼ばれる髪もヒゲもボーボーのむさくるしい男という設定とは正反対の色白でほっそりしたさわやかな好青年のヴィノ君ですが、ちゃんと全編通じて一生懸命演技してのは好感もてました。


でも、舞台に出てる時間は長いのはいいけれど、歌うところは少ないのはフラストレーション感じますね、こうしてずっと彼を追ってると。


しかし、コッリーネには最後のほうで有名な外套アリアがあり、ここで一気に注目を浴びるので、頑張れよ~クラッカー



ところが、 なんと、  唯一の見せ場なのに、  実はすごく残念なことがあったんですよ汗



なんか髪の毛に3センチ四方くらいの白いものが付いてるけど、ヴィノ君、どうしたの・・・?


あ~、ひげ剃りクリームだ!


ひげ剃りシーンがあるんだけど、その時にちゃんと顔拭かなかったのね・・・なんたる不覚ガーン


本人の不注意だけど、ヒゲ剃りシーンから随分時間があるんだから、誰かなんとかしてやれよな!むかっ


可哀相に、せっかくの感動シーンなのにさあ、   クスクス・・・


ま、でも気にしなくていいよ、ヴィノ君、そんなにまじまじと見つめるのは私だけだから。





というわけで、聴き飽きたラ・ボエームも歌手が素晴らしいので全然退屈せずに楽しめました。このチームで4回しかやらないなんて残念。


ニコニコそれにしても、今シーズンのROHは、ドン・ジョバンニ、西部の娘、カリスト、ラ・ボエームと、パフォーマンス的には外れがなくて快進撃。 (すみません、ドン・ジョバンニは来週中にアップします・・)


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