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<10月31日(金)>


休暇が取りにくい日だったので、昼過ぎまで仕事をし、その足でユーロスターの駅へ。一年近く前にオープンした新しいSt.Pancras駅から乗るのは初めてですが、ユーロスター待合スペースは広々として気持ち良いのに、お店がほとんど無いのは淋し過ぎ。


9月のトンネル火事からまだ完全に復旧してなくて、今だに間引き運転中のため満席の上に3時間近くも掛かりました(普通ならたしか2時間20分のはず)。


  


ユーロスターがどうやって不便を凌いでいるかに興味のあるトーチャンから後で「トンネルの中で止まって行き違う列車を待ってたの?」、とか聞かれたけど、お喋りに忙しくてなーんにも気づきませんでした。


今回ご一緒したのは着物縁のさるさんで、彼女のお友達のパリのアパルトマンに泊めて頂けるというのがそもそもの発端のパリ旅行なんです。でなきゃ、その日の宿泊費が勿体無いから午後3時の列車には乗らないかもです。


時差もあり、パリ北駅に着くのが7時なので、今夜はレストランに行くしかないですね。雨降り予想だったので、さるさんはお洋服ですが、私は洗える安心着物にお着替え。そして、これ以降はずっと着物とパジャマだけで過ごしたのでした。


  


知り合いのアパルトマン(モダンですごく素敵なので感激)はポンピドー・センターの近くなのですが、そこから歩いて、市庁舎の裏側を見ながらセーヌ河沿いのイタリアン・レストランに行きました。



ベル・カントBel Canto というレストランは、去年の夏に家族でパリ旅行をした時に前を通り掛り、名前からしてオペラがテーマのレストランにちがいないので興味津々だったんですが、装飾がオペラチックなのかと思ったら、そうではなくて、オペラ歌手の卵のウェイターやウェイトレスが歌ってくれるんですって。


まあ、面白そう~、と思って、行く前にネット予約しておきました。


9時半スタートの遅めのディナーでしたが、ほぼ満席で、壁が鏡なので大きく見えるけど実は130席のちっちゃなレストランです。観光客ではなく、お誕生日とかデートとか特別な日のフランス人が多かったみたいで、落ち着いて品の良い雰囲気でした。


    



前菜はフォアグラのミルフィーユ、メインはダック、デザートは苺ムースで、全てとても美味しかったで~す。さすがパリ。 


3コースで70ユーロくらいだったかしら。決して安くはないですが、エンターテイメント代が入ってるわけで、まあこんなものでしょうし、充分楽しめました。 
  

  

ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンと一人づつの4人の歌手で、一応それらしい格好はしてるけど給仕はせず(クローク係はやってたみたい)、椿姫の「乾杯の歌」の前にお客全員にワインを注ぎに来たくらいで後はお客さんと話したりしてました。


 

                 音譜リゴレットの四重唱を歌ってるところです


ピアノ伴奏のアリアとピアノ独奏が交互にあり、私たちが2時間いた間にアリアを10曲、ソロや重唱で客席を回りながら歌い演じてくれましたが、歌ってる時は客はお喋りをしないのがルールのようで、しっかり聴くことができました。これだけ近くで歌ってくれるとすごい迫力で、皆さんお上手でしたが、



私のお気に入りは若いテノール君。 


上手だし、可愛いのラブラブ!

マニュエル・ニューレーとかいう名前で(本人に紙に書いてもらったけど読めない)、アルゼンチン人。


「まあマルセロ・アルバレスと同じね、私は大ファンなのよ」、と言ったら、「僕も彼が目標です」ってさ。


そう言えば、丸ちゃんも若い時は(細かっただろうから)こんな感じだったのかも。


このマニュエル君、丸ちゃん並になるにはかなりの努力と運が必要だと思うけど、すでに丸ちゃんよりも英語は上手だし、もうすぐどこかのオペラハウス(聞いたこともない名前だったけど)に出ることが決まっているそうです。


どこかのオペラハウスで又聴けますように・・・でも、丸ちゃんを見習うといっても、体型だけは真似しちゃ駄目よ、マニュエル君。


(歌ってくれたアリア、せっかく全部メモしたので、ざっと書いておくと、

リゴレット」四重唱、セヴィリアの理髪師の伯爵とフィガロの掛け合いとおいらは街の便利屋、椿姫の乾杯の歌と悲しい再会デュエット、フィガロの結婚の伯爵夫人の昔を懐かしむアリア、コジの4重唱、トゥーランドットのネッスンドルマ、ホフマン物語のジュリエッタとズボン役の2重唱、メゾソプラノの失恋シャンソン)


男にふられたらしい内容のシャンソンもドラマチックで聞惚れました。翌日シャンソニエに行ったのですが、このメゾソプラノがそこでシャンソン歌ってくれたらいいのに、ってすごく思ったくらい。


ピアノの女性も上手で、ショパンとか素敵だったこと。



ナイフとフォークところで、このレストラン、9月に姉妹店がロンドンにもできたのですが(→こちら )、偶然にも今日のメトロ(無料の朝刊)に批評が載ってました。それによると、食べ物は☆☆☆☆★、歌手は★★★★★。


この批評ではたいていが星二つ~四つをもらう中で、この極端さは凄い。10年間試したレストランの中で最低の食事とまで書かれてる・・・。ロンドンだし美味しくはないだろうとは予想したけど、これじゃあ歌手が可哀相。


  


星空11時半に店を出てから、雨は降ってないので、寒いけどちょっと散策。

セーヌ河を渡って、サンルイ島とシテ島を歩き、ノートルダム寺院を横から写真を撮り、これから正面に廻ろうとしたら、あら残念、12時になったので照明が消えて真っ暗になっちゃいました。 


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