12月22日、ロイヤルオペラハウスのTurandotの初日に行きました。

今年最後の観劇ですので、溜まっているオペラ鑑賞や着物お出掛けについて、これから一気に片付けていくことにします。


順不同でアップしますが、遅れているものはどうせ遅れついでに後回しにして、まずは昨日のオペラから逆スタート。


オペラ三昧イン・ロンドン

プッチーニの最後の作品(途中で死亡)の筋書きやらは先回の記事をご覧下たくことにして→こちら



オペラ三昧イン・ロンドン

リボン

Original Production Andrei Serban
Revival Director Jeremy Sutcliffe
Composer Giacomo Puccini
Designs Sally Jacobs

Conductor Nicola Luisotti
Princess Turandot Elizabeth Connell (Iréne Theorinの代役
Calaf José Cura
Liù Svetla Vassileva
Timur Paata Burchuladze
Ping Giorgio Caoduro
Pang Ji-Min Park
Pong Alasdair Elliott
Emperor Altoum Robert Tear
Mandarin Kostas Smoriginas

リボン



王冠2トゥーランドット(男嫌いの残忍なぞなぞ中国姫)


しょっぱなからタイトルロールのトゥーランドット姫がいきなり病欠してパニックしたでしょうが、幸い代役は近くにいる人でカバーできてやれやれだったに違いないです。


代役のエリザベス・コネルは、まだ今やってるヘンゼルとグレーテル(以下ヘン・グレ)のAチームのお母さん役の初老のソプラノ。スケジュール通りに行くと、前日も出てたことになりますが、果たして歌ったかな?
オペラ三昧イン・ロンドン
ヘン・グレでも出番は少ないながら上手な人だと思っていたのですが、全く違う歌い方をしなくてはならないトゥーランドットはどうなんだろう、と思ったら、


なかなか良かったんですよ、これが。


トゥーランドットに必要な声量と力強さは充分な上に、優しいところはおっとりして、なによりもちゃんとメロディになってたのが嬉しかったです。大声で叫んでるだけみたいな人が多いんですよ、この役は。特に先回(一年半前) トゥーランドットは音程外れっぱなしで耳を覆いたくなる程ひどかったですからね、今回のコネルおばさんで聴いて、トゥーランドットってこんな良かったんだったと再発見しました。


今までのROHベストだったジェーン・イーグレンと比べても、声量では負けるけど、変化に富んだ歌い方のコネルおばさんに軍配を上げます(これはちょっとしたジョークというかイヤミです。二人ともデブだから)。


しかし、初老のデブでも、ヘン・グレではジジババ夫婦でトーマス・アレンとベッドの上でいちゃつき、今日は今日でホセ・クーラとキスできるんだから、コネルおばさん、青春してますね~ 。オペラ歌手っていいな~~


来月もう一度行くので、その時は予定通りIrene Theorinが出ますように・・・彼女は一年前のROHリングサイクルで代役としてジークフリートのブリュンヒルデ を歌ったのがなかなかよかったし、今年8月にはなんとバイロイトでイゾルデも歌ったので、きっと勢いに乗って成長してるにちがいないです。


オペラ三昧イン・ロンドン
ロボットカラフ
(玉の輿狙いのタタール王子)


待ってました、ホセ・クーラ!この役はひ弱なテノールじゃなくてクーラのような力強い声でやってもらいたいし、、おまけに体格も立派なクーラはビジュアル的にも理想的。 

3ケ月前の西部の娘 もさすがクーラという出来だったし、今回も期待は高かったです。


そして期待通りのかっこ良さと上手さで満足。(時には鼻につくこともある)カリスマ性もこの役にはぴったりで、これまでのROHカラフの中ではベスト。

もし、彼が誰だか知らなかったとしても、「まあ、このテノール上手だし、この役にどんぴしゃ」と思ったにちがいありません。


おとめ座リュー(カラフに想いを寄せる下女)


よく考えるとあり得ない設定なんだけど、愛するカラフのために死んでゆくリューは同情を集めるし、良いアリアもあるのですごく得な役。大事な役でもあるので上手は人に歌って欲しいですが、そこはROHの悲しさ、リューまで有名どころを呼べる余裕はないことがほとんどみたい。


先回もひどかったけど、今回もイマイチで、スヴェトラ・ヴァシレーヴァというブルガリア人、容姿はグーだけど、耳障りな声の上にヴィヴラート効かせ過ぎでかなり不快。カーテンコールでは大きな声援をもらっていたけど、それは貴女の歌が良かったからではなくて、可哀相なリューに対する同情拍手だから誤解しないように。



             オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン


他に私が期待してたのは、ご存知Jette Parker Young Artistの韓国人テノールのパーク君。ピンポンパン・トリオの一人として歌は少なかったけどコミカルな動きで目立ってました。君はやっぱり喜劇向きだわ。白塗りメークは必要なかったんじゃいの、パーク君だけは。(黄色い衣装がパーク君)


もっとちょい役のマンダリンのコスタス君も、いつもながら声がよく出て感心。


指揮者も達者。特に幕が下りる寸前の盛り上げ方が上手で、ジャーンと終わって舞台が暗くなると、思わずわーっと拍手してしまい、こちらも興奮気味にさせてもらえました。


オペラ三昧イン・ロンドン


何度も見て飽きたとは言え、数あるプロダクションの中でもこのトゥーランドットはなかなか良いのではないかと思います。

1984年から始まって今回で15回目のお目見えのドル箱ですが、舞台も衣装も振り付けもよく出来てて、ダンサーやコーラスが被ってるお面も洒落た雰囲気を醸し出してます。主役歌手のやり過ぎメークはナンですが。


オペラ三昧イン・ロンドン オペラ三昧イン・ロンドン


中国が舞台ですが、宮廷女性の衣装はキモノ風。私は今日は洋服でしたが、来月もう一度行くときは着物イベントとして6,7人が着物で勢揃いする予定ですので、お楽しみに。


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