カバンただいま~。

ミラノ2泊旅行から今日戻ってきました。


ミラノは毎日青空で、大聖堂の大理石も綺麗になってピカピカに美しく、憧れのスカラ座のオペラ鑑賞の夢も果たせて楽しい旅でした晴れ



オペラ三昧イン・ロンドン

しかし、


結局は全てうまくいったからいいのですが、色々あったんですよ。


飛行機一番焦ったのは行きの空港での出来事。


ご存知の通り、私は最初から着物で家を出たわけですが、セキュリティチェックで、まだ金属探知機を通ってもいないのに、怖い中年の係員女性に、「あんた、何なの、これは? これじゃボディチェックができないから外しなさい!プンプン」、と厳しく命令されたんです。


今までユーロスターには何度か着物で乗り、一度リュックをしょってるんじゃないかと疑われたことはあるにせよ、そこまで言われたことはなかったのに、さすが空港は厳しい、と言うべきでしょうか。


でもまあ、考えてみれば誰でもベルトも外せと言われるわけだし、帯は結ぶのは難しくても解くのは簡単だから、抗議もせずにその場で帯板まで取って伊達締め姿になりました。


日本だったら人前でこんなあられもない姿にされたら凄く恥ずかしいでしょうけど(って、日本ではこんなことはまず起こらないでしょうが)、どうせ外国人にはなにがなんだかわからないから、別にへっちゃら。


脱いだ帯を飛行機に乗る前にまた結び直すのも面倒だし、道行コートと羽織を羽織っていたので(順序が逆ですが、長羽織の丈の方が長いので、これもガイジンにはわかりゃせん、ということで日本ではあり得ない妙な姿)、帯は畳んでスーツケースに仕舞い、「あら、帯なしって楽でいいわ、ラッキーチョキ」、とすら思ったのでした。



しかし、大問題はその後・・・ダウン



Easy Jetという格安航空の出発ロビーで、もっと怖そうなおばさん係員に、「機内持ち込み荷物は一つって決まってのに、あんたは二つ持ってるじゃないの。一つにまとめないと一つは捨てるしかないのよ」、と脅されました爆弾


ハンドバッグはいいだろうと思った私が甘かった。実際にはほとんどの女性はハンドバッグをスーツケースと両方持ってるんだけど、たしかに私のはポケット代わりのバッグというにはちと大きかったかもしれない。


でも、そんなこと言われても非常に困るので、「ほら、私のスーツケースはこんなに小さいんだから、両方合わせたら誰よりも荷物が少ないでしょ!」、と今度は必死で抵抗。


だけど、格安切符は当然客に対する態度もぞんざいなので、「問答無用、絶対不可!」、とさらに強硬な態度になって、パスポートも取り上げられてしまいました(人混みに紛れてそのまま潜り込めないようにでしょう)。


ひぇーっ! 離陸時間までにあと20分しかないのにどうすりゃいいのよ~ ショック!


(私がことさら遅くロビーに着いたわけじゃなくて、すごく混んでたので散々行列した挙句だったんです)


こりゃ、さっき外した帯をまた結び直すしかないけど、(外すのは平気でも)これは人前ではできないので、人気のないところまで大急ぎで何十メートルも走りました走る人


しかし、帯一本だけ結ぶのなら5分あればなんとかなるかもしれないけど、どうみてもそれだけでは十分なスペースができないので、こうなったらもう一本持ってきた帯も締めるしかないわ。


と、パニック状態で、くっそー、こんなちっこいスーツケースをわざわざ買わなきゃよかったむかっ、と後悔しながら、名古屋帯と袋帯を、締めるというよりは、二本すごく大雑把に縛り付ける私。


妊婦か相撲取かっていうくらい着ぶくれた私がロビーに戻ったら、ほとんどの人は飛行機に乗り込んでて、がらーんとしたところに私のパスポートを持ったおばさんが待ってました。


飛行機に乗せる量は同じなのに、ルールに縛られてアホらしいったらありゃしない、とぶーたれながら、そのお腹回りモコモコ状態でミラノのホテルまで行った私。あ~、日本じゃなくて本当にによかった。



しかし、なんですね、


その時は頭の中真っ白で、帯は体に巻き付けるもの、としか思い浮かばなかったけど、でも冷静になって考えたら、


「そうだ、着物には袂(たもと)という巨大ポケットがあるじゃないの」、ということに気付きましたひらめき電球


なので、帰りはまた同じ事を言われても慌てないように、というよりもそんな事を言われないように、名古屋帯を長羽織の袂の中にすっぽり入れ、滑り出さないようにブローチで開いてる部分を留めました。それでスーツケースの中のスペースを確保。


もし又帯を解けを言われたら、それをもう片方の袂に入れればいいやと余裕綽綽だったのですが、帰りはお太鼓留めも外し、金属なしの状態で探知機を通ってピーという音もせずボディチェックもされませんでした。


必死で帯を二本縛り付けてる時は、「もう着物で飛行機に乗るのは嫌!」、と思ったのですが、スカラ座ではそれなりに注目も浴びて結構気分良かったし、またしてもいいかな、とも思ってて、そうすると一式持ってって着替えるのは荷物も増えるし着替える時間取ると一緒に行く人に迷惑掛かるし、やっぱり最初から着てしまうのが一番。


今回も、着物であちこち長く歩き回ったし、ドゥオウモのてっぺんにも上りましたもんね。走れと言われたら走れるし、着物ってそんな不便なものじゃないですよ。


さて、それで、どんな着物と帯だったかと言うと、


もちろん安心な洗える着物にし、明るい色のものを選んだら、こないだパリでも着たサーモンピンクの無地と藤色の小紋になりました。柄がなくて淋しい分、帯ははっきりした柄で派手目に。


オペラ三昧イン・ロンドン

2月12日のスカラ座。  黒地に金と赤と水色の花柄の袋帯。帯揚げと帯締めも水色。両方の着物に合わせられるし、キンキラに華やかなので、これにしました。

オペラ三昧イン・ロンドン

2月13日、ドゥオーモ大聖堂の屋根。肘まである指なし手袋と、バッグとお揃いのパシュミナ。そんなに寒くなかったので必要ないのですが。階段もたくさんあるので、こんな所に着物で大変でしょうね、と日本人に声を掛けられました。別に大丈夫なんですけどね。



オペラ三昧イン・ロンドン

2月13日、スカラ座。上と同じロビーにある指揮者のトスカニーニ先生の像の前で。夜は昨日と同じ帯に変える予定でしたが、時間がなくて昼間用の帯のまま。華やかに欠けますが、この日の方が注目度大。この紫の帯はよく使いますが、今回初めて柄の多い裏側を出してみました。



オペラ三昧イン・ロンドン
2月14日、ホテルで。白地に紫の飛び絞りの帯揚げと、オレンジ色に金の入った帯締め。これで昨夜スカラ座に行くつもりだったのです。



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