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オペラ三昧イン・ロンドン   オペラ三昧イン・ロンドン


今回のミラノ行きは、オペラ好きな3人の方が「是非このキャストでスカラ座のトリスタンとイゾルデ」をと決めてらしたところに私もついでに誘って頂いたものですが、


かねがねスカラ座で一度オペラが観たいと思ってたけど自分で計画する余裕のない私には願ってもないチャンスとばかり、喜んで仲間に入れて頂きました。


皆様、本当にありがとうございます。そうでなければ一体いつ実現したものやら。


切符購入とホテル予約もやって頂いて、私は楽ちんそのもので憧れのスカラ座Teatro alla Scalaに行けてとてもハッピー。


私は数年前にミラノに行ったことがあり、スカラ座の中を見学したことはあるのです。その時は修復直前だったので壁布の色も褪せ金箔も剥げてかなりシャビーな印象を受けましたが、


お化粧直しされ美しく生まれ変わった世界の檜舞台で実際になにか観られるといういうだけで夢みたい、とワクワク。他のお三方もで同様に興奮状態で出掛けました。


そして、さすが天下のスカラ座、舞台はうんと大きくて立派だし、重厚でゴージャスな雰囲気は期待通りクラッカー


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オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン
シャンデリアがきらびやかなロビーとカフェコーヒー  (場違いなお兄さんは警備員でしょう。数人いました)                              



しかし、驚いたのは客席の設え 叫び


私たち4人は一緒の席ではなく、2人と1人と1人という具合に分かれていて、一日目の私の席は3階ボックスで舞台を横から観る角度なのですが、前列2席、中2席、後ろ1席という5人用ボックスの前列2席ですら乗り出さないと観られないらしいのに、2列目の私の背もたれもないスツールは舞台寄りの壁に置かれていたので、普通に座っていると舞台はほとんど見えません。


これで100ユーロ(手数料も入れると120ユーロ)だなんて、いくらなんでもあんまりじゃあございませんか?むかっ


ボックスを区切る壁を修復した時になくせばよかったのに、これでは舞台が見えない人があまりにも多すぎるます。かつては社交の場でプライバシーを守る必要があったんでしょうけど、今は純粋にオペラ鑑賞の場なんだし、ビジュアル面だけではなく、壁にさえぎられると、音もうんと悪くなるんです。


しかも、上から3段の席の人はちがう入口からしか入れなくて、シャンデリアの下がるロビーには行けない決まりってのも、このご時勢になんたる差別(ROHも10年前の修復まではそうだったし、実は今でもミュージカル劇場では当たり前ですが)。


ちゃんと観ようとすると軽く300ユーロは掛かりそうなスカラ座と比べたら、ロイヤルオペラハウスはなんて良心的な料金で、しかも貧乏人もロビーに入れてくれるありがたい設定だこと。ミラノに住んでたら、オペラなんて滅多に見られないわ。


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                       外観は割と地味
 


そんな失望の中でパフォーマンスが始まりましたが、ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」ですからね、思いっきり長いです。正味4時間、休憩入れると5時間半。


第一幕は80分ですが、斜め中腰で立たないとほとんど見えないわけですから、でもいつもそうすると他の人の邪魔になるので、座ったり立ったり。でも実は最近また痛み始めた腰痛に悪いだろうと心配だったのでなるべく座っているようにして、見せ場シーンだけ立ち上がりました


さらに、同じ2列目でも角度的にうんとましな席に座ってたイタリア人のおばさんが親切にも私ともう一人の女性を自分の席に交代で座らせてくれたので、3人で何度もごそごそ動き回ってせわしなかったこと。


でも、トリスタンとイゾルデが一緒に惚れ薬を飲んでメロメロになってしまう肝心なシーンは、優しいおばさんが私を自分の席にずっと座らせてくれたので、割合楽な姿勢で観ることができて満足でした。


英語のほとんどできないおばさんでしたが、自分はミラノに住んでるから又いつでも来られるけど、遠くから来た私には今日なるべく見せてあげたいと言ってくれました(私がロンドンから来たことはわかってもらえたみたい)。


おばさんはスカラ座は初めてみたいで、あまりに見えないので怒ってたので、これっきり二度と来ないか、或いは次はもっとちゃんと見える高い席を買うのでしょう。


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          おばさんの後ろが私の本来の席。なーんにも見えましぇーん


字幕は4人分あり、英語、イタリア語、ドイツ語から自分で選べましたが、とても使いにくい位置ですなのでほぼ役立たず。


さて、

一回目の休憩が終わって席に戻ると、おばさんが勝手に椅子を全部動かして、一列目に無理矢理3つ椅子を並べてました。

そんなことしたら、私たち後ろ3人はいいけど、前列に座ってるイタリア人男性二人(若い男性はほとんどずっと目を閉じてたけど)と言い争いになりそう、と心配してたら、結局おばさんと私以外の3人は戻ってこなかったので(空いてる良い席に勝手に移ったんでしょう)、おばさんと二人で大喜びして前列に座って完璧に観ることができました。


同じことが別のボックスの同じような席にいた友人にも起こったらしく、二人して100ユーロで200ユーロの席に座って3分の2はしっかり観られてので、しっかり元は取れました。もう、にっこにこニコニコ


ブーイングで悪名高い桟敷席は安いでしょうし2列目の上には棒があってそれにぶら下がって見下ろすようなのですが、背が高くないと無理。


なので、


ミラノには1時間半のフライトだし、今回の航空券も70ポンド足らずだったし、これで安い切符があればスカラ座もちょくちょく来られるかもと思ったのですが、それは無理だということがよくわかりましたしょぼん


 貴賓席一体どれくらい高いんでしょうね?
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  オペラ三昧イン・ロンドン

                                   乗り出さないと見えないよ~



というわけで、この値段の高さでは一生で一度だけのスカラ座観劇になりそうですが、パフォーマンスも素晴らしかったし、着物も着られたし、充分堪能しましたニコニコ。 お金持ちの方にはお勧めです。



尚、二日目はオペラではなくてコンサートだったのですが、ROHより大きなオーケストラ・ボックスを板張りにして舞台にしたので、前日より一段下の似たようなボックス席でしたが、2列目でも充分見えました。料金もオペラよりはかなり安かったので、貧乏な方はコンサートを狙ってみてはいかが?


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