オペラ三昧イン・ロンドン


先週先々週に観たオペラのことをまだ書いてないのですが、もうどうせ遅れついでだから後回しにすることにして、昨夜初日を観たIl Trovatoreの感想だけ先にざっとやっちゃいましょう。


いつも忘れた頃にブログに書くことが多いのに、たまにこうして速攻アップするなんて、侮れませんね、椿姫さん。

って、自分で言うか・・・


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Composer Giuseppe Verdi
Director Elijah Moshinsky
Set Designs Dante Ferretti
Costume Designs Anne Tilby


Conductor Carlo Rizzi
Count di Luna Dmitri Hvorostovsky
Leonora Sondra Radvanovsky
Azucena Malgorzata Walewska
Manrico Roberto Alagna
Ferrando Mikhail Petrenko
Ines Monika-Evelin Liiv

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どんなお話なの?


と仰る方は→こちらの前の記事 をご覧下さい。内容は二の次というオペラの中でも荒唐無稽さでは1、2を争うオペラで、突っ込みどころ満載の楽しい悲劇で~す。

でも、音楽的にはリズミカルで美しくて、ヴェルディの中でも私は大好き。
オペラ三昧イン・ロンドン

マンリーコ(ジプシー男、実はルーナ伯爵の弟)


ファウスト以来なんとほぼ5年ぶりにROHに出てくれたアラーニャ、声はよく出てたし(不自然なくらい)、お馴染みのアラーニャ節をたっぷり聞かせてくれて、前回マンリーコの丸ちゃん(アルバレス)よりはずっと芝居は上手なので、文句のつけようの立派なパフォーマンスでした。


でも、何故か、「キャーッ、やっと聴けたわ~、アラーニャのマンリーコ!嬉しくて震えちゃうううう!ラブラブ!キスマーク」、という熱い想いを感じることができず、自分でも驚いてます。一番大好きな筈のアラーニャなのに・・・汗


席が遠過ぎたわけではありません。ストールサークルの60ポンドの席を奮発しましたから。

2年前にやった時に3回も観たので、オペラ自体に飽きた? もっと飽きてる筈のリゴレットだって、こないだのように歌手が皆よかったら何度観ても感動したけどなあ。

さてはアラーニャのCDとかYoutubeで聴き過ぎたのかしら?


こともあろうに、2年前の丸ちゃんの印象が強過ぎて、アラーニャが歌ってる時、頭の中で丸ちゃんの声が鳴り響いたリすらしましたもんねガーン


昔好きだった人に久し振りに会えて、かつての胸のときめきが戻ってくると思ったのに、それは時と共にどこかに消えてしまった・・・ってことも実際の恋愛関係ではきっとあるんでしょう。Out of sight out of mindってことでしょうが、淋しいですねえしょぼん


でも、何度も接するうちに又恋心が復活するかもしれないので、まず金曜日に又観るのを楽しみにしてます。


その前に、明日(15日)、公開インタビューに行ってきます。


尚、ここのマンリーコ役、プレミエはホセ・クーラ、2回目はアルバレス、今回はアラーニャと、ROHにしては珍しく豪華なラインアップでしょ?


ルーナ伯爵

ロシアの銀髪バリトンのホロストフスキー(以下ディーマ)は、ハンサムで軍服姿もサマになるスター歌手だし、おまけにかなり大袈裟な演技で大熱演してくれて、恋敵として存在感も魅力も充分。

これで歌が良ければパーフェクトなんだけど・・。


ちょっとリラックスすれば喉に力が入りすぎずにもっと声が前に出るんじゃないの?、と私はいつも思うけど、でもそれが彼の個性だし、好きな人もいるんだろうから、これ以上は言いますまい。「ディミトリってなんて素晴らしいんでしょ」という声も聞こえてきたしね。


プレミエもディーマ、2回目は弱々しいジェラルト・マイケルズ・ムア、そして今回再びディーマ・・・。良いアリアがたくさんある役なんだから、すごく上手なバリトンで聴いてみたいもの。いま誰がこれを歌ってるのかしら?こないだラジオで聴いたNYメトのトロヴァトーレもディーマだったけど。

オペラ三昧イン・ロンドン
レオノーラ

ソンドラを判断するのは難しくて、評価も分かれるのでは?


声量と迫力は文句なく立派だし、張りのある美声と思えるときもあり、重量感のある声の割には軽く転がすことも上手。だけど、時折高音が金属的な不快な音になったし、音程があやしいことも。


でも、ワイルドになる一歩手前の迫力はスリルがあるし、聞く度にちがうことが期待できそうな彼女には頑張って欲しいもの。4人の中で一番難易度の高いのがレオノーラだと思うし、少なくとも今までの中では一番華があって堂々としたヒロインぶりだし。



アズチェーナ(シプシー女。マンリーコの母親)

4人上手な人を揃えないと成功しないオペラなのに、それを集めることのできないROHはいつも4人のうち最低一人は明らかに格下の歌手なんですが、今回はこのシプシーの母親にシワ寄せが行ったようです。


先回のステファニー・ブライスが立派過ぎたので、比べては可哀相とは思うものの、まだブライスの底力そのものの歌が耳にこびりついてる私には、今回のMalgorzata Walewska(聴いたこともないメゾソプラノです)は声が軽過ぎるし、特に高音が弱いくて低音も迫力なくて、声に継ぎ目があり過ぎ。

今回はブライス以外で聴きたかったので、違うメゾソプラノが出てくれて嬉しかったけど、一応一流と言われるROHなんだから、もう少し上手な人を連れてこなきゃ笑われますよ。

イネス(レオノーラの侍女)

ちょい役だけど、ROHヤングアーチストのMonika-Evelin Liivは光ってました。彼女はヤングアーチストの中でも一番大人びた実力のある人だといつも思います。



ダウンというわけで、まずは少々期待外れ気味の初日でした。拍手喝采だったので、そう感じたのは私だけかもしれないですが。


レビューもまだあまり出てないし、舞台写真もほとんどネットにアップされてないのですが、またそれは2回目を観てから探します。それまでは私が撮ったカーテンコール写真で我慢して下さい。


カメラ大柄なソンドラと並ぶとアラーニャがいっそう小柄に見えますが、階段を利用したラブシーン等で、そうみっともないカップルではありませんでした。ホッ

丸ちゃんと同じ衣装には見えないほどほっそりしたアラーニャです。


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