オペラ三昧イン・ロンドン

他のオペラの記事が溜まってるので、そちらをまず書かなきゃなのですが、


私の好きなオペラであるトロヴァトーレがちょっと悲しいことになってますので、4月17日のパフォーマンスについて一言づつ言わせて頂きたくプンプン


オペラ三昧イン・ロンドン
役名と歌手名、筋書き等の基本的な情報は初日の記事 をご覧下さい。


お金ディミトリ・ホロストフスキー (ルーナ伯爵)


批評で軒並み誉められたせいか、或いは今日は奥様が観に来てたせいか、今日のホロは(省略して呼び捨てか?)、妙に嬉しそうで、ニヤニヤしながら歌ってたような。


でも皆さんが評価するのであれば、きっと良いのでしょうから自信過剰気味の態度も許しましょう。まあ、たしかに、何度もここで観た中では(嫌と言うほどROHに出る彼だから←トゲ)、一番良かったかも。



オペラ三昧イン・ロンドン
指輪ソンドラ・ラドヴァノフスキー (レオノーラ)


レオノーラが一番聞かせどころのアリアがたくさんあって大事な役なのにぃ・・

初日を聞いて、「彼女はやる度にちがうかもしれないから期待」、と書いたけど、はい確かに違いました。でも怖れてた悪い方向に行ってしまいましたね。


不快な声の時が多くて辟易。声量を落として歌う部分は優しくて綺麗なのに、耳障りな声をあのもの凄い声量で延々とやられたひにゃ・・・。少なくとも、重唱の時はバランス取れるように控え目にすべきではないでしょうか?


彼女を最初に生で聴いたのは、3年前にドミンゴと共演したシラノ・ド・ベルジュラックですが、その時はうっとりと聞惚れた美声だったのに・・・。

2年にホセ・クーラとスティフェリオをやった時はすでに今みたいな声になっていて、不調だからかと思ったんだけど、また今回もこれですもんね。

ちょっと前にNYメトのトロヴァトーレをラジオで聴いたときは、ラジオだからよくわからないもののそう悪くなかったんですけどね(因みにその時のマンリーコの丸ちゃんはとても良かったし、ルーナ伯爵のホロも情熱的な熱演だった)
オペラ三昧イン・ロンドン


キノコMalgorzata Walewska (アズチェーナ)


このアホらしいお話では誰にも感情移入は期待できないので、却って歌だけで勝負しなくちゃならないわけですが、


初日は他の人に比べたら格下だとは思ったもののぎりぎり合格だったけど、今日はもっと下手でした。


これが続くようなら、ここでこの役をやるには力不足で失格です。高音が弱いのが問題でした。低音も元々迫力ないし。若くて綺麗過ぎるのもマイナス。



カラオケロベルト・アラーニャ (マンリーコ)


彼だけは、初日よりも良かったと思います。今回座った左側からの方が最初に舞台裏で歌う声をよく聞こえるからベターということもあるし、批評でホロほど誉めてもらえなかったのが口惜しくて更に頑張ったか、4人の中では全ての面で秀でてました。ホロやソンドラよりも拍手が少なかったのは、タイトルロールにしては出番が少ないせいではないかと。と思うのはファンの身贔屓?


オペラ三昧イン・ロンドン
しかし、長年のファンである私ですが、上手だとは思っても、かつてのような胸キュン状態には又もやなれませんでした。アラーニャ節はそのままでも、声から甘さが消えたからにちがいないです


一年前のリサイタル であんなに感激したのは4年ぶりだったのでそれだけで胸一杯だったんでしょう。それにまだ今よりは甘さがあったような。


もうかつての彼を追い慕うのは辞めることにしますガックリ


俺が無名のテノールなら、あの初日も凄く誉めてもらえるだろうに、アラーニャだからって期待が高過ぎるせいで、あれこれ文句言われちまうわけさ」、


と彼自身こないだのインタビューで言ってたのはまさにそういうことで、これが初めて聴く無名のテノールだとすれば、誰もがその上手さに舌を巻くにちがいないです。


だから次回は白紙の状態で、大人になった新生アラーニャを聴いてみることにします。


カチンコオーケストラとコーラス(カルロ・リッツィ指揮)


特に金管がふらふらで、なんだか全体にふにゃふにゃで深みがなく骨のないヴェルディでした。これではヴェルディ先生に失礼ではないかと思うくらい。


オペラ三昧イン・ロンドン


初日はストールサークルでしたが、今日はlowerslip。上から見下ろすとアラーニャの小柄さも気になりませんでした。

舞台写真も出たので、貼っときます。



オペラ三昧イン・ロンドン オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン   オペラ三昧イン・ロンドン


CD

さて、名曲の筈のトロヴァトーレなのに今日はちっとも良いと思えなかったので、耳直しに家で久し振りにCDで全部聴いてみました。

そしたら、パッパーノ、アラーニャ、ゲオルギュー、ハンプソン、Larissa Diadkova、ダルカンジェロ(フェルランド役)のこのCDはやっぱり凄く良くてあらためて感動したので、今日ぱっとしなかったのは、私が聴き飽きたせいではなくて、やっぱりパフォーマンスの出来が良くなかったからだと確信しました。

ゲオルギューはこれを舞台では歌わないでしょうし、声がか細過ぎると思うけど、CDだと繊細な歌唱がとても良いし、今は失われたらしいアラーニャの甘い声にもうっとりしました。


!?ここまで文句言うんなら、もう行かないんでしょ、と思うでしょうが、どっこい、来週また3回目行くんです、これが。CDで又名作であることも確かめたし、うんとましなパフォーマンスになるかもしれないしね。まだソンドラの優しい美声をちょっと期待してるし、アズチェーナが病気になるかもしれないし、アラーニャも日によっては昔の甘さがぶり返すかもしれないしね。


切符はとっくに売り切れ状態なんだし他の人に機会を与えてあげれば?、というもっともなご意見も聞こえてきそうですが、オペラ三昧というブログ題名を正当化するためにも、自分勝手とは思いつつ、また行かせてもらいますDASH!(内緒だけど、実は再来週も・・・


                             人気ブログランキング  自転車