<10月8日(木)>


日本は台風で大変だったようですね。私の故郷である知多半島も被害が結構あったようです。この地方では10日ほど前に伊勢湾台風50周年ということで様々な思いがよぎった人が多かったでしょうに。伊勢湾台風の時に私は6歳でしたが、断片的な思い出はあります。


イギリスは気候的にはとてもマイルドで、かったるいと感じることもありますが、天災がほとんど無いのはありがたいことだとあらためて思いました。


そんな穏やかなロンドンで、私は月曜、火曜、水曜とオペラハウスに3夜連続で行き、毎日違う意味で興奮しました。

 

ではまずカルメンから。 えーっ、又カルメンなの?! そうですよ、本チャンがやっと始ったばかりなんですから。

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10月6日はカルメンの本来の初日でしたが、私はすでにこれで3回目。


2回目はサン紙のオファーで210ポンドのオーケストラ・ストールに超特別価格で座らせてもらって夢見心地でしたが(→こちら )、この日は庇(ひさし)が邪魔で舞台下3分の1しか見えない分相応の14ポンドの席にすごすごと戻り、横の陰からひっそりと。


最初2回は、愛しのロベルト(今日はファースト・ネームで呼んで見ましょう)が出てる間は彼しか見てないので(近いのに双眼鏡で)、今日は他の人たちも観察しようと思ったのですが、「おーっ! こちら側から見るとまた違うロベルトが拝めるじゃ~ん」、ということになって、結局彼だけしか目に入りませんでした。


マザコンのストーカー男を演じて、ますます情熱的で病的なドン・ホセ。もしかしたら、「俺を棄てないでくれ~!」という悲痛な叫びは、アンジェラ奥様に逃げられた(おそらくそうでしょ?)実生活での苦悩が反映してるかもしれないと思うと胸が痛みますしょぼん


女々しいドン・ホセにすがられても凛として正直に振舞う独立した強いカルメン。ドン・ホセからもらった指輪を外して投げ捨てるクライマックスのガランチャがガッツのあるハンサムな男性のようで素敵ったらないわ。こんなに美しくてガッツがあって頭も切れるにちがいなカルメンほどの女が今回は男選びに失敗して、それで殺されてしまうなんて勿体無いったら。


ということで主役の二人の超一流の歌と演技を誰もが堪能したのは前2回と同じですが、今日は一つ変更点がありました。
オペラ三昧イン・ロンドン
リハーサルでドン・ホセがカルメンにしがみついて復縁を暴力的に迫る場面で、アラーニャがガランチャの髪を下に引っ張ったのでカルメンのカツラがずれてしまったという出来事があったでしょ(→こちら )。


なので、2回目は髪を触りもせずに恐々カルメンを羽交い絞めにしたのですが、今日はなんと、カルメンの髪がアップになってました目


前半が下ろした髪だから、うん、後半はこの方がいいね。ガランチャの美しさがますます引き立つし。


これで思う存分駄々をこねてすがりつくことができると安心したせいか、ドン・ホセは今までになく激しくからみつき、二人で舞台にどさっという音を立てて倒れました。これが先回のコンビ(デブの丸ちゃんと小柄なファビオラ)だったらカルメンが潰されてしまいますが、今回は小柄なロベルトと長身で逞しいガランチャだから大丈夫。



カメラ舞台写真を何枚かネットで拾ったのでアップしておきますが、最初の写真はリハーサルでカツラがずれたのがわかるでしょ?

オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン



オペラ三昧イン・ロンドン   オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン
  オペラ三昧イン・ロンドン

   
   オペラ三昧イン・ロンドン



カルメンとドン・ホセの熱演につられてか、他の人たちも今日は皆さん張り切って、エスカミーリョもミカエラも声がよく出てましたクラッカー


カメラカーテンコールの写真を何枚か貼っておきますので、お好きなのをクリックで拡大して下さい。


オペラ三昧イン・ロンドン   オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン   オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン  

            オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン



さあこれで、1回目は右側から、2回目は正面から、3回目は左から、とまんべんなく観られたので満足でしょ?これで充分でしょ?

はい、満足は満足。だけど、充分じゃないんです。

えーっ、まだ行くの?

折角苦労の末に手に入れた切符ですもの、行かいでか!


このプロダクション、ジプシー、兵士、子供たち、闘牛士等、人がたくさん登場するので何度観ても新しい発見があるし、ロバや馬、ニワトリまで出てくるんです。フラメンコやアクロバットもやってくれて賑やかな舞台は、前日のなーんにもないトリスタンとイゾルデの舞台に比べるとその良さもしみじみとわかります。


で、次は土曜日。他に観たいものもあるので掛け持ちしてカルメンには途中から駆けつけることになるので皆勤賞は逃しますが、アラーニャ詣では続くのであります。

もー、勝手にしろっ!?むかっ

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