<5月31日(月)>

楽しく充実した3連休もあっという間に終わっちゃいましたわーんしょぼん

明日から6月とは思えない涼しいロンドンですが、来月はあれこれ忙しいので、気を引き締めて頑張りましょう。

アイーダ第二弾はパフォーマンスについてです。

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オペラ三昧イン・ロンドン

(プロダクション自体についてはすでに書いたので(→こちら )、今回はパフォーマンスについてのみですが、これ以下の写真はクリックで拡大します)


2年ぶりのマルセロ・アルバレス(以下丸ちゃん)登場とあって、ずっと楽しみにしてたアイーダ。久し振りだし新プロダクションでもあり切符争奪が大変でしたが、なんとか4月27日初日、5月4日、10日、13日と4回分確保し、パフォーマンス重視にストールサークルで近くから3回、全体を見るためにアンフィシアターで1回、と理想的な見方ができたのはラッキー。おまけに出待ちデビューもできて、丸ちゃんとの2ショットもできましたよんラブラブ(→こちらこちら


オペラ三昧イン・ロンドン
David McVicar – Director
Jean-Marc Puissant – Set designs
Moritz Junge – Costume design
Jennifer Tipton – Lighting
Fin Walker – Choreography
David Greeves – Martial Arts direction


Conductor Nicola Luisotti

Ramfis – Giacomo Prestia
Radames – Marcelo Álvarez
Amneris – Marianne Cornetti
Aida – Micaela Carosi
King of Egypt – Robert Lloyd
Messenger – Ji-Min Park
High Priestess – Elisabeth Meister
Amonasro – Marco Vratogna


オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン



オペラ三昧イン・ロンドン
ぶーぶーラダメス(エジプト将軍)

モテモテのエジプト将軍ラダメス役の丸ちゃん、ハンサムなんだしやせれば良い男でもてるだろうに、ルックスには無頓着らしくて、見る度にデブになってなってたので心配したけど、さて今回はというと、おお~っ、肥満度にストップが掛かったばかりでなく、目に見えてスマートになってるじゃないのニコニコ


2年前のカルメンに比べると顔もラインもシャープだし、めりこんでた首もちゃんとある。よかったよかった。もちろんまだデブの部類だけどサムライ衣装は恰幅のよさで似合ってたし、ヒゲ付きでエジプトの将軍らしい鋭い目つきもサマになってて、マクヴィッカーに絞られたのか、いつもよりお芝居もずっとまし。


もっとも、ラダメスは、「エジプト王家の婿養子になってファラオにもなれるのに、「、奴隷女のアイーダが好きだから困っちゃうな~」と迷ったりせず、一途にアイーダだけという手を抜かれてるキャラなので、大事なのは歌だけ。それだけに聞かせどころのアリアを上手に歌わないと存在価値がありません。


丸ちゃんにとってはこれがラダメスのロール・デビューで、彼曰く「ROHは雰囲気良いから新しい役にチャレンジするのが好き」なんだそうです。タイトルデビューでないものも含めるとこの10年でレパートリーを一通り歌ってくれたのですが、このアイーダがベストかと言うと、残念乍らそうではないような気がします。ま、初めてですから今後進歩するかもしれませんけど。


ラダメスにはトランペットのように響き渡る迫力の歌唱が要求される部分も多いので、リリカルで甘い丸ちゃんの声は理想的とは言えないし、登場していきなり歌うアイーダ礼賛は、ロマンチックなアリアは丸ちゃん向きだけど、まだ喉が暖まってないのでどのテノールにも難しいアリアだから、丸ちゃんも毎回苦労して、最後までこうだったらちょっとまずいかもと心配になったものでした。幸い、毎回進むにつれて良くなり、後半は大声のアムネリスとアイーダの女性二人にも負けないくらい声が出て、嗚呼やっぱり丸ちゃんは良いわ~、と惚れ惚れしたことでした。


しかし、女性二人に比べると歌う場面が少ないので、もっと何度も行こうと思えばできたのに、そして実際、正面最前列正面席がリターンされた時は、「180ポンドか、どうしようかな・・・」と思い切り迷ったけど、アイーダが良くなかったこともあり、結局買いませんでした。

来シーズンはアラーニャクラッカーで再演されるので、今から楽しみ。アラーニャは、スカラ座ブーイング事件もあったけどこの役は得意としてて、映像スカラ座版では歌も演技も素晴らしいんです。



オペラ三昧イン・ロンドン
ウサギ
アイーダ(エチオピア王女)

アイーダのミカエラ・カロッシが問題でした。


カロッシは2年前にカウフマンと競演したトスカ(→こちら )と、フリットリの代役だったレクイエムで聴いて、声が大きいだけが取り得のソプラノという印象だったので今回も期待は低く、できれば病欠して欲しいとすら願ってましたが、祈りも虚しく、ずっと元気一杯で声張り上げてくれました。


救いだったのは、トスカよりはアイーダの方が合っているらしく、声の不快さもかなり少なくて、「うわ~っ、我慢できないわ」ということはなく、ところによっては「あら、なかなか良いじゃないの」と思ったこともちょっとあります。


青い素敵な衣装でデブも気にならなかったし、慣れてるアイーダなので演技も余裕たっぷりで、決して悪くはありませんでした。しかし、如何せん、そう何度も聴きたい声ではないので、毎回、「丸ちゃんは聴きたいけど、もっとたくさん歌うアイーダがあれじゃね」、と足を引っ張られました。


更に失望なのは、今から楽しみにしてる来シーズンのアイーダもカロッシなんです。もっと上手なアイーダが他にたくさんいるだろうに、と今から怒ってますむかっ



オペラ三昧イン・ロンドン
王冠1アムネリス(エジプト王女)

ラダメスに横恋慕するファラオの後継ぎお嬢アムネリスはアイーダと同じくらい大切な役で、歌う場面もラダメスより多いくらいなので、アイーダと並んで不快なメゾソプラノだったらとても何度も聴く気にはなりませんが、幸い、ちょっと前に代役に決まったマリアンヌ・コルネッティは私好みの張りのある美声。


哀相にモンスター顔にされてしまい、叶わぬ恋に悩む美しい王女様にはとても見えないのが残念ですが、丸ちゃんがいまいちだった初日とか、一番大きな拍手をもらったのがコルネッティでした。ちょっと立ち上がりが悪い日もありましたが、これも何百回もやっている役らしく押さえどころはきちんと決めて、拍手喝采受けてました。

去年秋のドン・カルロのエボリ皇女でも素晴らしかったコルネッティ(→こちら 。ドンカルロはカウフマンよ)、デブのおばさんですが、また違う役でも聴きたい人です。
オペラ三昧イン・ロンドン
ドリルその他

アムネリスのお父さんファラオは鼻に掛かった声が聴き飽きたロバート・ロイド。同じ時期にトラヴィアータのお医者さんでも出てて、二つのちょい役をこなしてます。でも、他の人で聴きたいと切に願ってる人が私以外にもいるかもしれないわけだから・・・。


もう一人の王様役、アイーダのお父さんのエチオピア王のMarco Vratognaは初めて聴く名前ですが、なかなか良かったです。出待ちで見たら、ハゲててもアイーダ役より若いんでしょう。


私が応援してる元ROH若手アーチストのジ・ミン・パーク君の出番は2分くらいだけど、印象に残る兵士役でした。


ルイゾッティ指揮のオケは文句なく素晴らしく、コーラスもダンサーたちも奮闘してくれて、一流オペラハウスの香水準となりました。ほんと、アイーダだけが残念。


カメラカーテンコールは初日だけ演出家も含め皆さん登場しましたが、それ以外は幕の前に主要メンバーだけでした。


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