オペラ三昧イン・ロンドン
<6月13日(日)>

わーい、F1のカナダGPでイギリス人が一位と二位になったよ~クラッカー(しかも先回に続いて)。ルイスとジェンソン、あっぱれじゃ~祝日

これで昨日のW杯のウサが少しは晴れたってもんだわ。

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オペラ三昧イン・ロンドン

これまでに歌舞伎座、南座、ロンドンで歌舞伎を20回近く観ている私。まだまだ初心者で知識はゼロに等しいですが、6月4日から15日までの12回公演のうちまず初日に行ってきましたので、かじりかけ初心者としての意見を書いておきます。千秋楽にも又行きますけどね。


桜義経千本桜というのは義経の周辺の人々のいくつかのエピソードで、討ち取られた筈の平家の武者が実は生きていたというなどもあり、全部を上演するとここでは時間が掛かりすぎなので、今回はその中で狐と鼓に関わる3話のみを演じてくれました。

オペラ三昧イン・ロンドン
鳥居前

吉野山

川連法眼館(かわつらほうげんやかた)



あらすじは→ストーリー をご覧下さいなのですが、要するに、


義経が朝廷から賜った「初音の鼓」に張られた狐の皮を、母狐恋しさに義経の忠臣に化けて守ろうとする子狐の母様恋しのわかりやすい人情話で、荒事、舞踊、宙吊りや早替りと歌舞伎の様々な要素が盛りだくさんに含まれていて、出し物選びとしては成功だったと思います。


佐藤忠信/狐  市川海老蔵 

静御前 中村芝雀(しばじゃく)=中村雀右衛門の次男

源義経 大谷友右衛門(ともうえもん)=中村雀右衛門の長男



オペラ三昧イン・ロンドン       オペラ三昧イン・ロンドン

一人二役で大奮闘の海老蔵さんは前回(→こちらこちら )よりは見せ所も多かったし、一回り成長したという印象を持ちましたクラッカー(先回は色悪ぶりが際立ってたけどそれだけだったし、オカマ藤娘は気味悪かった)


そして、海老様、なんと言っても印象的だったのは運動神経の良さで、しゃがんだままコミカルに移動したり、欄干の上を綱渡りのように歩いたり。一番受けたのは3、4段の階段を助走もなしにぴょんと一番上まで一気にジャンプしたことで、若い役者さんならではの軽業に観客はどっと沸きました叫び


海老様はかっこ良いし、始終動いてて、彼が出てる場面は華があって惹きつけられましたがラブラブ!


でも、欠点は魅力があるのは海老様だけだと言うことではないかしら。先回は海老様を食ってしまったほどの芸達者な亀治朗さんがいたけど、今回は・・・。


義経はちょい役なのでどうでもよくて、もっと若い役者さんにして欲しかったと思っただけですが、


静御前がねえ・・・ガーン



オペラ三昧イン・ロンドン

芝雀さんはベテラン女形として台詞も踊りも上手なのでしょうが、それ以前の問題として、若くて美人の静御前を顔にシワのある50歳過ぎた役者さんが、しかも年は取ってても美しくみえる女形であればまだしも、小柄で巨顔・・・。延々と踊るのを見ているのはかなり辛かったです。芸の力で補うにも限界ありますよねえ。歌舞伎を観る度に思うことですが、世襲の弊害の一つではないでしょうか?


オペラと違って歌舞伎はビジュアル面が大切だと思うので、そんなに上手でなくてもいいから、外国ではまず役柄に合う容貌の若手を起用する方が理解してもらいやすいのではないでしょうか、と切に思った次第。或いは、美貌でなくてもチャーミングな亀治朗さんがやってくれたらよかったのにぃ。


しかし、静御前の長い踊りに退屈したのは、意味がわからなかった自分の責任と反省して、千秋楽には英語のイヤホンガイドを借りて「この振りはこういう意味です」という説明をしっかり聞きながら観るつもり。


初日の後に下座音楽の実演レクチャーにも行き、御簾(みす)で隠された演奏者たちのことも少しわかったし、その他の面でも2度目はまた新しい発見があるかもしれず、更に近いかぶりつき席で観るのが楽しみです。


でも、理解できるとかできないとかに関係なく、私が一番興味があるのが音楽部門で、三味線も鳴り物も一流で文句なく楽しめましたが、ちょっと残念だったのは、聞惚れるほど上手な語り手さんがいなかったこと。これも広く一般から募集すれば水準が上がるのではないかと思うことの一つです。


尚、批評は2ツ星から4ツ星まで幅広く、要するに観る側の知識と先入観によっても違うということで、伝統芸能というのはそういうものなのでしょう。


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