<8月19日(金)>

夏物が姿を消した店頭にはすでにコートやマフラーが並ぶロンドン。私もコートで出勤です。

「うわーっ、そんな想像するだけで暑くなるようなこと言わんといてえな!」、と仰る日本の方には、夏らしい浴衣姿をご覧頂きましょう。

----------------------------------------------


オペラ三昧イン・ロンドン      オペラ三昧イン・ロンドン

8月15日の日曜日、お箏仲間と6人で、Putney Bridge近くのFulham Palaceでお箏を合奏しました。


時々お声が掛かって、仲間でお箏パフォーマンスをしに出向くのですが、会場は結構ヴァラエティに富んでいます。広過ぎたり音響が悪かったりガキンチョがうるさかったり等々、色んな所でやりましたが、今回は一体どんなとこかしらね~?


フラム・パレスというくらいだから、宮殿よ、宮殿王冠1

もっとも、王室のではなく、ロンドン枢機卿の所有だったそうですが、古今東西、坊さんのトップはパワーとお金を持ってるわけだし、ここもちょっと前までなんと1300年間も枢機卿の住居だったそうで、きっと由緒ある立派な建物よ。写真で見ると、豪奢な雰囲気はないし結構小さいけど、いいの、お箏は繊細な楽器だからこじんまりしたスペースが理想的なんだから。


で、お天気も最高で気持ちの良い公園の中にある中世の建物で、私たちが通されたのは・・・、


なんと、物置部屋叫び


中世からpantryという食料や食器を収納する部屋だったと思うとそれなりの趣ありですが、むっとする程ホコリ臭いったら・・・。一体、何年使ってないんだよ。窓を開けてテーブルや椅子やキャビネットを動かしてまず演奏スペースを確保し、それからはせっせと雑巾がけよ(いわゆる雑巾ではないけれど)。日本文化紹介ボランティアの現実は厳しいものです。そうでなくても、お箏は運搬や準備が大変なのに。


そんな予想外の準備に時間が取られてしまったので、数メートル先でやってる日英博覧会100周年記念展示を、折角一般公開時間になる前に特別に見せてあげますと言われてたのに、それどころではなく、一通り大急ぎでリハーサルをして、ランチをかっ込み(もちろん手弁当)、ほら急いで浴衣に着替えなくっちゃ。


着方を知らない人もひとりいたし、他の3人は浴衣は着られても帯は私を頼りにしてるらしいことは予想がついたので、昨日可愛い結び方を練習しといたんです。だけど、ひえーっ、一人一分づつしかないじゃないの! ええ~い、もう一番簡単なのをええころ加減に縛り付けるしかないわ。部屋の外でもうお客さんが待ってるし。
オペラ三昧イン・ロンドン

と、始まるまでは大騒ぎで大変でしたが、演奏は大した失敗もなく、古曲新曲取り混ぜて、八段、古今の調べ、こ手毬、 比良、風と落葉、まりつき、鷹、日本のわらべ唄、北海民謡調、と無事合奏しました。私が弾いたのは古今、こ手毬、わらべ、北海でしたが、どれもそう難しくはないので、緊張もせず(あまり練習もせずでしたが)。


さっきまでカビ臭かった狭苦しい物置部屋は、座って頂けるスペースもうんと小さかったですが、観客数は少なくても皆さん熱心に聴いて下さって、ありがたいことでした。明るく晴れた北国の夏、窓の外には公園の緑が広がり、爽やかな気分になれた午後でした。



トーチャンが、「来てたのは弾く人の知り合いばっかりみたいだね」。と言ってましたが(貴方もそうね)、私の知り合いも不便な所なのに何人かいらして下さって、とても嬉しかったです。


オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン


私の糸菊柄の浴衣は30年以上前に自分で縫ったものですが、他の皆さんもうんと前から日本で持っていた浴衣をお召しだったので、なんとなくほのぼのとした気持ちになりました。


私はこれが今年35回目の着物お出掛けですが(→こちら でリストアップ)、これでしばらく機会がないかもしれないので、キリの良い回数でシーズンオフを迎えられて丁度よかったです。


一応ゆるい目標は50回なんですが、秋からは又せいぜい頑張りまひょなぁ。実はすでに来月中旬のオペラ鑑賞海外遠征の着物を打ち合わせ中なんです。



                                  人気ブログランキング 将棋