<11月9日(火)>

有給休暇消化作戦実施中の折り、今日は会社を休んで一日家で整理整頓に励み、極めて充実した一日を過ごすことができました。常時全てのものがあるべき場所に整頓されてるトーチャンとは違い、私は時々全てをぶっちゃけて片付けないといけない性分なんです。ズボラは死ななきゃ治らない・・・

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今シーズンは歌手の顔ぶれがしょぼくて失望のロイヤル・オペラ・ハウスで、珍しく豪華メンバーであるだけでなく、それがROHでは100年以上ぶりの上演というオペラの新プロダクションはそりゃあ期待が高まります。


Composer Francesco Cilea
Director David McVicar
Set designsCharles Edwards
Costume designs Brigitte Reiffenstuel


Conductor Mark Elder
Adriana Lecouvreur Angela Gheorghiu/Ángeles Blancas Gulín
Maurizio Jonas Kaufmann
The Prince of Bouillon Maurizio Muraro
The Princess of Bouillon Michaela Schuster/Olga Borodina
Michonnet Alessandro Corbelli
L'Abbate di Chazeuil Bonaventura Bottone
Poisson Iain Paton
Quinault David Soar
Madame Jouvenot Janis Kelly
Madame Dangeville Sarah Castle


チレア作曲のアドリアーナ・ルクヴルールAdriana Lecouveurですが、アンジェラ・ゲオルギュー(日本ではまだ9月のROH椿姫のキャンセルで怒ってらっしゃる方いるでしょうねぇ。すみません)とドイツ人の人気テノール、ヨナス・カウフマンの共演ですから、間違いなくシーズン随一の目玉クラッカー


私は10月12日のProp Makingのイベント(→こちら )ですでに中心になるセット(これだけかも)は見学済みなんですが、11月4日、Clore Studioでこじんまりと行われたこのオペラのinsight eveningなるものにも行ってみました。


新プロダクションについて関係者が説明してくれるというのが主旨のこのイベントに参加するのは初めてでしたが、もしかしたら主役歌手が出てくれるかもという期待も実はあったのに(アイーダの時にはアイーダとアムネリスが出たそうです)、結局歌手で出てくれたのはSarah Castleという脇役だけでがっかり。


その代わりというわけでもないでしょうが、指揮者のマーク・エルダーが歌ってくれたんですカラオケ

他の人のピアノ伴奏者で、アリアの説明をしながらたくさん歌ってくれて、もちろんマイク使用だけど、結構上手だったし、それはそれで面白かったですけどね。


有名演出家ディヴィット・マクヴィッカーとセット・デザインのチャールズ・エドワーズ(10月の小道具イベントにも出てくれたイギリス人)がインタビューに応じたり掛け合いであれこれ言い合って、二人とも話し上手だし、彼らのこのオペラに対する考えがわかって興味深く、これがこの夜のハイライトでしたクラッカー


しかし、このイベントで話に付いていけなかったらいけないと心配して予習をし過ぎた私はバカだったかも。だって、ほほ~っ、そうなんだ、とか思うことはほとんどなくて、そんなこと知ってるわよ~、と話の内容に新鮮味は少なかったですから。


今回は上演されることが稀なオペラだから知ってる人はほとんどいない、という前提で詳細な筋書きの説明などがされたので、数年前にホランド・パークで観たことがある上に前日にスカラ座版DVDをしっかり観たのが仇になったわけです。カウフマンもゲオルギューも出なかったし、これで16ポンド払うのはちょっとねえむっ


オペラ三昧イン・ロンドン

写真は、1ケ月前のDeutsche Oper Berlinでのコンサート・パフォーマンスですが、


はてなマークどんなお話?

一言で言うと、一人の男を女二人が取り合って火花を散らすという三角関係のメロドラマ。

アドリアーナ・ルクヴルールは実存した仏コメディ・フランセーズの花形女優で、恋人である伯爵を彼に横恋慕する公爵夫人と張り合い、最後はスミレの花に仕込まれた毒を吸って死んでしまうという、登場人物がほとんど実在した割にはあり得ない結末。


!?駄作オペラ?

チレアが何度も書き直したので、細かいところが説明不足で支離滅裂になったり(マクヴィッカーもそう言ってた)、素晴らしく甘美なメロディのアリアもあるけど一本調子で変化に乏しく、長い状況説明の部分の後やっと辿り着いた盛り上がり部分が短すぎたりと、要するに構成に問題ありのオペラで、滅多に上演してもらえないのはそれなりの理由があるってことです。同時代のプッチーニがきっちり無駄なく上手に盛り上げて大人気なのとは対照的。

ロイヤルオペラハウスで百年以上もやってないというのはそれなりに理由があるってことですね。



でも、歌手がよければそれなりに聴き応えがある筈だし、イベントに一着飾ってあった衣装と以前観たセットから判断すると、18世紀という設定に忠実でとてもまともな美しくてゴージャスなプロダクションになりそうだし、女優という役柄がアンジェラにぴったりなので楽しみ~にひひ



切符も苦労して確保済み。初日の18日は残念ながらムスメの卒業式があるので行けませんが、まず15日のリハーサルに行きますDASH! 平日ですが、会社になんか行ってる場合じゃないもんね。



オペラ三昧イン・ロンドン オペラ三昧イン・ロンドン


イベントの観客はは少人数でこっそり写真を撮ることも不可能だったのですが、自分の写真なしというのもナンですから、この翌日に行ったレストランの写真を貼っときましょう。


ナイフとフォーク

レスター・スクエア近くのGiovanni'sは私の愛するロベルト・アラーニャのご贔屓のイタリアン・レストランで、壁にはアラーニャの友達と称する店のオヤジとオペラ歌手のツーショット写真がびっしり飾ってあるので、オペラ好きには興味深いでしょう。こじんまりして窓が大きくて意外と明るく、雰囲気はなかなか良し。これで食べ物が美味しかったらお勧めするんですけどねえ。


アラーニャ抜きでもゲオルギューもこのレストランには来るようで、「昨日アンジェラに会ったぜ」とオヤジが言ってました。ってことは、インサイト・イヴニングの日に夕食に来たってことかしら? そんなヒマがあるなら、ちょっとでもイベントに顔出してくれればいいのにね。


いや、そんなことはどうでもいいから、東京の二の舞は踏まないように、体調を整えてちゃんと出てくださいよね。



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