<3月13日(日)>
また一日中テレビでニュースを観てました。昨日は津波の壮絶さには絶句するしかなかったけれど、今日の生存者の体験談は辛く悲しい。
イギリスから派遣された63人の救助隊と2匹の犬が、一人でも多くの生存者を瓦礫から探し出してくれますようにと祈りつつ、私は淡々とブログを続けることにします。こんな時こそ、素晴らしい芸術に接することができる幸運に感謝するわけですから。
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3月11日のアイーダ初日、10時50分と終了時間が遅かったのですが、仲間と二人で歩いて3、4分のアラーニャのご贔屓のイタリアン・レストランに向かいました。ステージドアで空腹を我慢しながら数十分立ってるより、ゆっくり座ってワイン飲みながら食事して待つ方がずっと得策ですもんね。
で、私たちがパスタを食べ終わった11時半頃、アラーニャ御一行が到着。
花束を抱えて入ってきたアラーニャは、私を見て、「なんだ、ステージドアにいないと思ったら、ここにいたのか」、という(私が勝手に思い込んでる)ちょっと驚いた表情で、嬉しそうに微笑んでくれました。
ラダメスのメーキャップをしたままだったんじゃないかしら、髪もきれいにセットされて、さっきまで舞台でスター歌手のオーラを発していたそのままの雰囲気 こないだの楽屋でのセーターは太って見えてイマイチだったけど、今夜の黒いよそゆきジャケットはとても素敵(写真はクリックで拡大します)
尚、この鮮やかなグリーンの着物は、オペラハウスでたくさんの人に誉めて頂きました。やっぱり派手なのが一番受ける。
テーブルに着くまでの短い間であまり話はできなかったし、他のキャストも来るという話だったのに誰も来なかったのは残念だったけど、アラーニャにまた抱きついて一緒に写真撮ってもらえたし、アラーニャの妹さんと娘さんにも会えて、違うシチュエーションでまた興奮でした。
長身美人の妹さんは私の着物姿に目を輝かせてビューティフル!と誉めてくれたしね 19歳のお嬢さんオルネラも、ちょっと前に見たときよりぐんとおとなっぽくなっててびっくり。美貌の家系だわ。でも、妹も娘も長身なのに、なぜロベルトだけ小柄なのかしら?
小さなレストランなので、すぐ近くのテーブルに付いたご一行様の写真をこっそり撮るなんてプライバシーの侵害するようでできませんでしたが、彼らは6、7人で右の写真のテーブル(違う日に撮った)に座ってて、アラーニャは誰かと携帯電話で長く話しをしてました。
彼らをちらちら眺めながらデザートを食べ、御一行にお別れの挨拶をしにテーブルへ行き、アラーニャの手を握りまくったり、妹さんにぐるりと着物姿を見せたりしてから、地下鉄最終便に間に合うようにレストランを出て、こんなに遅いとトーチャンはもう寝てるので、一人で歩いて帰宅したら1時20分。
朝から働いて、おまけに日本の地震のニュースでハラハラしたりして長い一日だったけど、充実した夜でした。
尚、着物のファンとして覚えてもらえて嬉しい私ですが、貢物をするかあちこち追っかけでもしない限りこれ以上の発展は望めないので、このへんで満足するほうがいいでしょうね。愛人にしてもらえる筈もないし、たとえしてくれると言われても困るわけで・・・ それに、個人的に接近するにはアラーニャは大物過ぎる。
エログロの上エジプト色を排除したこの演出は好きではないけど、このアイーダ初日のパフォーマンスもとても素晴らしくて感激でした
Conductor Fabio Luisi
Aida Liudmyla Monastyrska
Radames Roberto Alagna
Amneris Olga Borodina
Amonasro Michael Volle
Ramfis Vitalij Kowaljow
King of Egypt Brindley Sherratt
今日の注目はなんと云っても急な代役アイーダのリュドミラ嬢でしたが、最初の緊張はすぐ取れて、張りのある声量たっぷりの美声を聞かせてくれました
リハーサルの時間がなかったせいか演技面では妊娠で降板した(或いは下手だったので降ろされた?)カロッシのような細やかさはなく、おまけにイタリア語もちょっと変。リュドミラの太目の体型からも、これでは声は良いけど演技はペケの丸ちゃん(マルセロ・アルバレス)の女性版だわ、と思ったりもしましたが、この声なら演技は下手でも構わないし(丸ちゃん然り)、回を重ねるに従ってもっと良くなる感じなので、凄く楽しみ。
アラーニャもボロディナもリハーサル同様素晴らしかった上、今回は舞台すぐ横の席だったので生の声がびんびん響いてきてすごい迫力。ビジュアル的には全くひどいけど、リハーサルで座った本番だったら200ポンドの席より、今日の15ポンドの席の方が私は好き。
カルメンのドンホセのようなわかりやすい絶叫演技はないラダメスですが、近くで見るとアラーニャが細かい演技にも力を入れているのがよくわかり(いつもそうですが)、ちょっとした首の傾げ方とか目付きが先回の大根丸ちゃんとはえらい違い。
声量ある女性二人に負けず、歌も素晴らしいの一言で、また惚れ直しちゃいました
ボロディナも歌だけではなく王女らしい毅然とした演技も素晴らしく、ラダメスを救おうとする場面では本当に涙を流してましたよ。
アイーダ父のフォレも最高だったし、とても水準の高いパフォーマンスでした。但し、リハーサルの時も感じたのですが、ルイジ指揮者のテンポはちょっとのろかったような。
あと2回行きますが(まず明日)、名作オペラの上にこの歌手陣ですから何度聴いても楽しめる筈。