<4月10日(日)>

素晴らしいお天気の週末でトーチャンと公園にお花見に行ったら、一番きれいな桜がすでに満開。あーん、これでは私の誕生日までには散っちゃうよお あせる来週半ばから崩れて涼しくなるらしいけど、そりゃそうでしょ、こんなのが続く筈がない。

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この1週間で映画館で他のオペラハウスからの同時生中継のオペラ放映を2回観て、映画館でのオペラ鑑賞についてあれこれ考えちゃいました。(あ、生鑑賞と比べてるわけではありません。映像で観るオペラは全く別もので、それはそれで素晴らしいですから、どなたにもお勧めです)


オペラ三昧イン・ロンドン
ダムラウは出産太り。ネトコちゃんの真似しなくてもいいのに。

まず、昨日はバービカンでNYメトのLe Compt Ory(オリー伯爵)というロッシーニの喜劇オペラで、フローレス、ダムラウ、ディドナート共演というROHでは絶対揃えられない豪華さ。フローレスの爆笑顔芸も含め、3人の素晴らしい歌唱と演技を最前列の大アップで堪能し、拍手して一体感も味わえます。


ニューヨークでおめでたいドラマもあったようで、オペラ開演直前にフローレスに初めての子供(リアンドロ君)が産まれたんです。開始前に司会役のルネ・フレミングが速報してくれて、満席のバービカンの観客(大半は老婦人)から「まあ、そうなのーっ!ニコニコというどよめき。


休憩インタビューでのフローレスの紅潮した顔にこちらまでリアルタイムで嬉しくなりました。


「自宅出産で産まれたのが12時25分だったんだよ。で、オペラは1時開始だろ、大急ぎで駆け付けたんだよ。一睡もしてないから顔に疲れが出てるだろうけど、僕はとてもハッピー。ハロー、ペルー! ハロー、コロンビア!」、と大はしゃぎしてから少し深刻な表情になって最後に「僕のハートは日本に」、と。ありがとう。


そりゃあ本人も周囲もハラハラして大変だったでしょうね。他の日ならキャンセルしたり多少開演が遅れても構わないだろうけど、よりによってHDライブの日に。そう言えば、最初に出てくるところで、もしかしたらドアの後ろにスタンドバイしてる筈のところを、間に合わなくて、ぎりぎりに走り出てきたかもしれないなと思わせるシーンもあった。あと5分リアンドロ君が産まれるのが遅かったら出産の瞬間を逃したかもしれないフローレス、よかったね、綱渡りでどちらにも穴をあけずに済んで。おめでとう祝日


という心温まるドラマもあったし音質もも悪くなかったので(画像が風秒間モザイクやストライプになってどきっとしたけど)、今日は行った甲斐はあったかもしれないけど、このシネマで映像と歌がずっとずれたままとで苛々したこともあったし、切符代も私がROHで生パフォーマンスに払うより高い。そして、なによりも地下鉄が不通で不便な週末にわざわざ出てくるのが億劫だ。音だって家でヘッドフォンで聴いてるほうが良いし、数ケ月待てばテレビで放映されるのに。


映画館で観るオペラってどうよ? と真剣に迷ってしまうのは、実はこの4日前に違う映画館で観たウィーンからの中継のアンナ・ボレーナ悲惨な出来事むっが影響してるんです。


オペラ三昧イン・ロンドン
ちょっぴりほっそりしたかな、ネトコちゃん


オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン


ネトレプコ、ガランチャ、ダルカンジェロ、メリというこれまた凄い顔ぶれで、オペラ自体も2月にバルセロナで感激した傑作ベルカントを4月5日にコベントガーデンのオデオン座で観ました(写真は→こちら )。パフォーマンスは素晴らしかったし、皆さん役柄にぴったりだし衣装も精巧でビジュアル的にもこれ以上は望めなくて最高でした。英語の字幕のおかげで細かいところまで理解できて助かったし。

注目は主役のネトコちゃんですが、グルベローヴァの鈴のような声とは対照的に太目でふくよかで全く違うので比較は難しいですが、どちらも甲乙付け難いくらい素晴らしくて、ネトコちゃんはこの役に挑戦してまた一段階段を上った感じです。初めてなのにこうして生中継しちゃういつもの勇気も凄いしニコニコ


言うまでもなく美しいガランチャは、面白いことに、ボレーナ役のソプラノ役との比較でしょうが、グルベローヴァの時より今日は声がうんと細く聞こえ、バルセロナと同じなのに違う人みたいで得した気分


女性二人に比べると脇役とは言え、男性陣も健闘し、悪役だけど濡れ髪のダルカンジェロは水も滴る良い男だし、間抜けな役だけどご贔屓メリの甘い声にはうっとり(メリはラジオで聴いた初日は時折高音が苦しそうだったけど、今日はほぼ大丈夫でやれやれ)。

でも、映画館での音質に大きな問題があったんですガーン


もともとやけに音が小さくて不満だったのに、途中からおかしくなって、カリカリ、パチパチから、ガリガリ、バチバチ、バッ爆弾っと悪化して、あ~、怖い、スピーカーが爆発するんじゃないかと思ったくらい。呆れて席を立った人もたくさんいました。ずっとこうだったら私も我慢できませんが、幸い暫くして治ったので、やれやれ。怒り心頭の観客たちに休憩時間にとっちめられてたマネージャーによると、これは映画館のせいではなく、ウィーン国立歌劇場の責任だと弁明してましたが、本当かなあ。この映画館は音が悪いよって忠告してくれた人もいるし。

同時生中継というのはハラハラするのも醍醐味の一つだけど、こんなことでハラハラするのは嫌だむっ


しかし、雑音は消えても相変わらず音量不足だし、初日にラジオの生放送を聴いた時ほど良いとは思えず、やっぱりラジオの方がいいかな、と思ったりしました。それに、(切符を買ったときは知らなかったけど)テレビ放映もあり、またたく間にYouTubeにアップされたので(→こちら )、それ観てれば済んだじゃん。


口惜しいから、スクリーンに向かってカメラ向けて撮ったカーテンコールの動画というアホなものをアップしときます。





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