<9月16日(金)>
昨日ロンドンでのスイス金融大手UBSのトレーダーの大規模な不正取引が発覚して、金融街シティはびっくり仰天 何度かの不祥事の度にリスク管理が厳しくなっている筈なのに、まだこんなことが起こるなんて・・・
こういうことがあると又あれこれ厳しくなって大変なんですが、そういう嫌なことはとりあえず忘れて、私らしくお気楽な観劇体験で現実逃避しましょう。
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長い夏枯れが終わり、今週からオペラハウスもオープン、私もそろそろまた強行スケジュールに突入するんですが(9月後半は18日から30日までにオペラとコンサートが12回もあり、仕事も忙しいのに大丈夫かしらん?)、
12日(月)、1ケ月ぶりにロイヤルオペラハウスに行ったら、ガラス張りのPaul Hamlyn Hallが改装されてました。
大改装後の再オープンから10年以上経ち、そろそろ何か変えようと思ったのでしょうか?
変ったのはバーだけですが、以前はホールの真ん中に丸いシャンペン専用バー、隅っこに普通のバーがあったのを一つにまとめて、真ん中に楕円形の長いバーが作ってありました。
夜もなかなか素敵ですが、
私はたいていはお水ボトル持参、或いはたまにバーで無料の水道水を飲んでるだけなのでバーの機能についてはどうでもいいのですが、もう一つ変更点があり、フロアーにたくさんおテーブルと椅子があらたに置かれたことにより立つスペースがかなり減ったのが心配です。満席の日なんぞは身動きできないくらい混むのではないかしら?
← そして、私はまだ改装前の慣れてるセッティングの方が好きかも。
いずれにしても、このバーは移動可能で、時折ここでディナーしたりダンスしたりする時は取っ払うし、この多目的ホールはいくつか違う姿を見せてくれるのです。
さて、
この日は今シーズンのオープン日でプッチーニのオペラがありましたが、それは後日観に行くことになってて、 バス・バリトン歌手のルネ・パーペのトークに行ったのでした。会場はバレエ稽古場で、写真ご法度なのが残念ですが。
日本にはよく行くみたいで人気もあり、ちょっと前には帝国ホテルでは彼に因んだケーキまで作られたようですが、ロンドンにはほとんど来てくれないし、元々低音歌手にはときめかない私。2、3度ROHのちょい役で聴いたことはあるにせよ、ほとんど彼のことは知らないので、生い立ちやきっかけ、その後の発展など、話の内容全てが新鮮だし、彼は話す声も魅力的で(男性低音歌手は皆さん歌声と同じ声で話す)、 すぐ近くでじっくり見て楽しめたのですが、
ちょっと失望したのは彼のルックスで、舞台だとうんと長身に見えるのに実際は意外と普通の背丈だったし、精悍なハンサムだと思ってたのに、最近太ったのか、首回りなんかぶよぶよで、顔も丸くてイメージダウン・・・。それに、どう見ても少なくとも50代半ばに見えるのに、なんとまだ46,7歳だなんてびっくり。その歳ならまだ若々しい男性もたくさんいるのに、すでに普通のダサいおじさんよ。「役の中ではドン・ジョヴァンニが好き」と言ってたけど、それならうんとシェイプアップしないと駄目よ。
まあ、ルックスを別にすれば、やはりなかなかの人物で、英語も充分上手だし、ドイツ訛りも素敵(あまり英語が上手過ぎると魅力が半減でしょ)。司会者にも必要以上に迎合せず、はっきり意見も言うパーペは、ニコニコしてても目つきは常に鋭いし、共演者にとってはちょっと怖い存在なのかな、と思ったりしました。
しかし、オペラ通が集まるこの手のトーク・イベントに行くといつも思うのですが、質疑応答でオペラに関係ないこと尋ねてはいけないのかしら? 「パーペさん、リハーサルの合間とかの空いてる時間にロンドンでは何をしてるんですか? どこか特にお好きな博物館とかあります?」、などと質問していいのならに、「ハイっ!」って手を上げるんですけどねぇ
因みに、パーペは18日からはじまるグノーのファウストに出演なんですが、彼の他にもゲオルギュー、グリゴーロ、ホロストフスキーとROHにしては豪華な顔ぶれなので楽しみです。