<13th Dec Thus>

昨夜はROHで再びRobert le diable、今夜はバービカンでヘンデルのコンサートオペラに行ってて(またイエスティン君だよ~んラブラブ)、ますますネタは増える一方なんですが、帰宅は遅くても今日は意地にでもローエングリンを片付けるんじゃ~! でも、ご心配なく、明日は休暇を取るので夜更かししても大丈夫なんです。明日ムスメとショッピングに行くのも楽しみワンピースくつ

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


11月18日にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でワーグナーのローエングリンを観ました。正味4時間、休憩を入れると5時間という中くらいの長丁場ですが、折角の美しいオペラハウスですから着物で前から2列目に座りました(その時の様子は→こちら )。

オペラについては、以前の記事(→こちら )をご覧下さいですが(3年前はこんなに書く余裕があったんだ・・)、要するに、


キラキラ白鳥に曳かれた小舟に乗ったハンサムな騎士が、窮地に立つ娘を助けに来るという、想像するだけで美しい絵のような設定で、悪者を退治した後は二人は愛し合いめでたく結婚(有名な結婚行進曲)。でも、なぜか「拙者の身元を決して探るべからず」、と妙なことを言い放つ騎士に、悪巧みにそそのかされた新妻は「やっぱり教えて」、と迫り、正体を明かしたら皆がハハーっと平伏すほど抜群の家柄なのに、「知ったからにはここにはいられぬ」、と言い残して去って行く。


それらしい衣装や白鳥の小舟なんぞ期待しませんが、ここまで崩さなくてもいいのにというくらいこのプロダクションは読み替えてあり、ローエングリンは現代の大工さんで、Tシャツとジャージーのズボン姿。娘も最初はジーンズのつなぎはいてるの。



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Conductor
Lothar Koenigs
ProductionRichard Jones
Set and Costumes Ultz
LightingMimi Jordan Sherin
DramaturgyRainer Karlitschek
ChorusSören Eckhoff

Heinrich der VoglerHans-Peter König
LohengrinKlaus Florian Vogt
Elsa von BrabantEdith Haller
Friedrich von TelramundEvgeny Nikitin
OrtrudMichaela Schuster

Heerrufer des KönigsMarkus Eiche

The Bavarian State Orchestra
The Chorus of the Bavarian State Opera


でも、そんなことはどうでもいいんです。それを知ってて切符買ったわけだし、実際に観てみて、大事なのは衣装やセットじゃなくて、歌手の素質と出来だという当然のことを再確認しました。だって、ROHのまともでクラシックな衣装を着てて歌はまあ上手いけど百貫デブでしかも芝居がど下手なとヨハン・ボータと、このミュンヘンのクラウス君、どっちが素敵かと聞かれたら、私でなくても軍配はクラウス君に上がるでしょう。


クラウス君は期待以上に素晴らしくて(期待も高かったですよ)、日本でちょっと前にローエングリンをご覧になった方はよくおわかりでしょうが、本当に清らかな声で、彼が歌う場面は体が震えっぱなしでしたわ、私ドキドキ


きっとカウフマンのローエングリンも素晴らしいに違いないけど、私は、特にこの役に関しては絶対にクラウス君の声のほうが好き。上手く言えないのが歯がゆいけど、ピュアな美声がストレートに飛んでくる席でメロメロになりながら、「嗚呼、正面席って(普段は縁がないけど)、こんなに素晴らしいのね。ROHでもたまにはそうしようかしら」、と財布の軽さは忘れて本気で思いました(その後、現実に戻って全く実行できてないけど)。


席のせいだけではなく、これほど始終見惚れ聴き惚れた歌手は滅多にいません。クラウス君を聴いてる途中でなぜか「そう言えば、今ROHで愛の妙薬やってて、ミュンヘンに来る前に聴いた時のアラーニャは不調で、あと何度か聴きに行くけど、このまま不調かもしれないし、キャンセルしちゃうかもしれないけど、どうでもいいわ、これより良いわけないから」、とアラーニャ好きの私が思ったくらい、この時はクラウス君しか目に入らずラブラブ! (前から2列目なのに双眼鏡を長い間構えてる着物姿のミョーな女だと怪訝に思われて、日本女性のイメージダウンになったかも)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


一体何枚写真を撮ったことやら、ムスメが遊びに来たときにミュンヘンの写真を見せてて、トーチャンに「オペラはカーテンコールは飛ばして見ないとえらく時間が掛かるぞ」と嫌味を言われたくらいで(本当だから仕方ないけど)、
London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
連写で同じようなのがたくさんある中から苦労して(でも、思い出しながらうっとり楽しみながら)選びましたキスマーク

    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

 

    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン) London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


クラウス君以外はどうでもよかったので、ほとんど他には誰が出るか知らなかったくらいですが、


エルサのEdith Hallerは、顔を見て、「あら、ROHのローエングリンでで代役出演してとても良かったソプラノだわ」、と思い出しました。この日も素直な歌唱で良かったんですが、ちょっと太目になっちゃいましたね。2009年のROHの時に「美人なんだし、今度どこかでローエングリンを歌うときはハンサムなテノールが相手役だといいね」と私は書いてるんですが、折角その通りかっこ良いローエングリンと共演できたのに、彼女自身がちょっとヨハン・ボータみたいになっちゃうなんて・・・


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


エルサを陥れて公国を乗っ取ろうとする悪役夫婦はエフゲニー・ニキーチンミカエラ・シュスター


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
二人とも立派な歌唱と演技で文句はないのですが、延々と続く夫婦喧嘩の場面には退屈しました。夫婦喧嘩って面白い筈なのに、ドイツ語の字幕が理解できないから何を言ってるのかわからなきゃつまんないですもんね。


刺青はシャツでなんとか隠しおおせたニキーチンはバリトンにしては細い美声で私好みですが、ちょっと声量が他の人たちに負けてかも。なぜか最初カーテンコールに現れず、先に帰っちゃったのか、或いは舞台に残ってる死体は彼の役なので途中でガバっと起き上がる受け狙いか、と不思議だったけど、結局途中から参加(トイレにでも行ってた?)


シュスターはROHでタンホイザーとアドリアーナ・ルクヴルールに出て、いつも並外れた声量が凄い迫力でしたが、この日はちょっと不調だったか、他の人たちとバランスの取れる普通の声量。もうちょっと声に艶もある筈なのに残念。でも、大袈裟な意地悪演技が上手で笑えました。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

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というわけで、本場ドイツで観たレベルの高いパフォーマンスに満足で、ワーグナーの中では一番イタリアっぽいローエングリンがやっぱり好き。


ミュンヘンから帰ってもうすぐ1ケ月なんですが、あと一つだけ、最後の日の街歩き記事をアップする予定で、写真はすでに選んであります。




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