<7th Jun Sun>

なぜか背中を痛めてしまい(自己流ヨガのやり過ぎ?)、良いお天気なのに家でおとなしくてしてる日曜日。






昨日(6月6日)、バービカンにご贔屓カウンターテナーのイエスティン君Iestyn Daviesを聴きに行きました。


ヘルニア手術後の休養のため4月のメニューヒン・スクールのリサイタルがキャンセルされただけではなく、5月は珍しく体調崩してグローブ座のコンサートも降りたので心配でしたが、久し振りに見るイエスエィン君は前より痩せて少年っぽさが消えてました。声の調子は大丈夫かな? 大事な新曲のお披露目なのに。


しかし、この大騒ぎのワールド・プレミエが言わば仇となって、切符の売れ行きがとても悪かったのは残念。宣伝の仕方が悪かったですね。小難しいと敬遠されそうな新曲だけじゃなくて、ヴィヴァルデイのスターバト・マーテル 悲しみの聖母)も歌ってくれるのに・・。



Dowland
If my complaints could passions move
Britten Lachrymae
Vivaldi Stabat Mater
(interval)

Nico Muhly Sentences (world premiere) (30min)


Iestyn Davies counter-tenor
Nico Muhly conductor
Adam Gopnik librettist
Lawrence Power viola
Britten Sinfonia



一見妙な組み合わせのプログラムのようですが、今日の目玉である新曲Sentencesの主題であるアラン・チューリングAlan Turing (→こちら )の輝くしくも苦悩に満ちた人生に関連させた選曲だそうです。

チューリングは、カンバーバッチ主演の映画イミテーション・ゲームで世界的に注目を浴びましたが、イギリスでは以前から有名な暗号解読者で、同性愛の罪で逮捕され服毒自殺したとされてますが母親は事故死だったと信じてたとのことです。


因みに、コンサートの前に作詞家と作曲家のトークがあり、早口で喋り捲ったアメリカ人二人の話は興味深くて新曲の理解にとても役立ちましたが、作曲家の若いニコ・ムーリー(→こちら )も明らかにそっち系。



これまたゲイであったベンジャミン・ブリテンのラクリモー、これだけがイエスティン君抜きなのですが、ヴィオラのソロ付の曲は素晴らしくて、現代音楽の大家であるブリテンの領域まで達するにはニコ君はまだまだ遠い道のりでしょう。


私が一番楽しみにしてたのがヴィヴァルディのスターバト・マーテルで、これはキリストが磔刑となった際、母マリアが受けた悲しみが題材ですから、まさにチューリングの死と重なります。

これをイエスティン君の絶好調の歌唱でこんなに近く(もちろん最前列ど真ん中)で聴けたら、震えるくらいうっとりするに違いないのですが、今日のイエスティン君、最初のダウランドを歌った時の乾いた声に比べればかなり良くなったものの、彼の魅力であるカウンターテナーにしてはふくよかな厚味が充分が出なかったのが凄く残念・・・。 新曲はかなり回復して無事にこなしたのにカーテンコールで嬉しそうな表情じゃなかったのは、前半の不調の自覚ではないかしら。



さて、緊張の中で始まったSentencesはどうだったかと言うと、作詞作曲の動機やプロセス、イエスティン君のコメント等、事前に充分知識を仕入れておいたからでしょうか、全く退屈せずに「ふんふん、なるほど、あれがこうなったのね」、と楽しめました。


30分ほどの曲ですが、7つのパートに分かれてて変化もあるし、現代曲と言っても不協和音などなくわかりやすく受け入れやすい曲です。深みはないし、特に何度も聴きたいとは思わないですが、イエスティン君の多少苦しい部分もあってベストとは言えなくても緊張みなぎる熱唱には引き込まれました。但し、ステイン君自身が機械をびくびくしながら操作してちょっとだけ彼だけの二重唱をする部分はどうでしょうか?二重唱自体は効果的と言えますが、違う方法があったのでは?


まだレビューは見てませんが、絶賛もされないでしょうが、こき下ろされることもないでしょう。


カメラ

尚、「あっ、僕の写真係がいつものようにかぶりつき席にいる。ほら、ニコ君(作曲家)、彼女の方向いて」、と促す場面もあり、嬉しいですが緊張で手が震えちゃいました。下から見上げる不利な角度だからそれだけ問題なのに、特にニコ君は頭上げてたり目を閉じてたりして難しかったですしね。特に、長年密かに注目してる長身ハンサムなヴァイオリンのトーマス・グールド君、最近はソロ活動もしてて上昇中なんですが、邪魔な機械のせいで良い写真が撮れなかったのはがっかり。それに、コンサート後にCDサイン会があるなんて知らなかったわ。

      





王冠1

昨日ケイト妃が撮った兄妹の写真がリリースされましたね。生後2週間後のプリンセス・シャーロットを抱っこするプリンス・ジョージ、可愛い!(ケイト妃の小さい時にそっくり) 

プロのカメラマンの写真でなくてもいいので、こうして1週間に一回くらいは成長ぶりを見せて欲しいものです。王室の安泰はイギリス国民の幸せ度アップに繋がるわけですから、彼らの義務だと思うんですけどね、と長年の納税者の私は要求するのだ。



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