完璧なバレエのプリンスであるヴァディム・ムンタギロフ(→こちら)を観た翌日の3月1日、また眠れる森の美女に行ったのですが、まだ前日の感動が残ってて比べてしまうわけで、全ての面で劣っていると感じてしまいました。

オーロラ姫はナタリア・オシポワ、王子様は平野亮一さんというプリンシパル同士のカップルだったので決して格下ではないのに、要するに彼らが本領発揮できる役ではなかったような気がしました。

 

 

 

 

オシポワはロイヤルバレエで一番人気のダンサーで私も大好きですが、プリンセスらしさに欠けるというのが仲間たちの意見で、たしかに町娘とかコンテンポラリーは素晴らしいけど、この容貌では王女様の気品はなく、私が観たオシポワの中で一番がっかりだったかも。 ジャンプやスピンは抜群の彼女も静止でバランスを取るローズ・アダージョはちょっと不安定で、支える男性ダンサーたちと手を離す瞬間を必死で探っているのが一目瞭然でハラハラ。 今回の眠り姫ランで私が観た4人目のオーロラ姫ですが、高田茜ちゃんとサラ・ラムの方がこの場面は上手だったような。 とは言え、ジャンプは迫力あるし、スピンも凄いスピードなので、ヤンヤの喝采だったのも納得です。

 

平野さんとオシポワの間にケミストリーは全く無かったですが、それは大スターのオシポワとの本格的共演で平野さんが緊張してたのも一因かも。 平野さんは表情も硬く、悩んだり恋したりする演技がムンタギロフに比べると、王子様としてのルックス面で最初から差がついてるのを差し引いても、なんだかねえ・・・。 平野さん、例えば酔っ払いとか個性のある役は良い味出せるしダンサーとしてトータルで劣るわけではないけれど、王子様役ではムンタギロフに敵わないですよねえ。 踊り面でもこの日はエレガントさやジャンプの高さ、全てにおいてムンタギロフに負けてました。 

とは言え、プリンシパルになった今、長身でサマになる平野さんには王子様も回ってくる筈なので、演技面で上達して頂きたいものです。化粧法も研究しつつ。 

ともあれ、こうして比べることが出来るのが同じバレエに何度も行く醍醐味なのであり、この日も行けて良かったとは思いますが、ライラックの精(Helen Crawford)が前日よりもっと下手くそだったのは不満が残ります。 ブルーバードも前日の方が良かったし。

 

 

さて、これで眠り姫鑑賞はあと一回を残すのみとなり、10日後にフェデリコ・ボネリと小林ひかるさんの夫妻共演に行きます。 3年前にも観てますが、結婚後数年を経てどうなってるでしょうか?