<3rd June Sat>                         カメラ写真はクリックで拡大します

爽やかな着物日和の土曜日の午後、浄瑠璃を観に行きました。先月は1回だけだった着物お出掛け、今月は予定してるだけでも5回あるうち、その第一弾。

 

    

実家の母が縫ってくれた単衣の紬に同系色の絞りの帯。 涼しさを出すために色数は二色に抑えて。

 

   

かつては大英博物館の一部であった大英図書館のKnowledge Centreにある多目的の255席のシアターは初めてでしたが、客席もロビーもゆったりして素晴らしい会場でした。

 

   

着付けのA先生は格調高い単衣の白い訪問着、Kさんは可憐な花柄の単衣の小紋、私はごわごわした紬、と統一取れてませんが、そこは海外ですからお許しを。

このイベントはThe Japan Foundationからの案内で知りましたが、演奏は録音かもしれないし、大したことは期待せず、着物を着る機会として良いかも、くらいにしか思ってなかったのですが、これがなんと、歴史的に重要な上演だったのです。

 

  

 

メディアでもいくつか紹介されてますが、一番短いのをコピペすると;-

 

江戸時代に日本から持ち出され、英国に1冊だけ残る古浄瑠璃本「越後国柏崎 弘知法印御伝記」が2日、ロンドンの大英図書館で復活上演された。米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさん(94)が実現に尽力した。

 1962年に演劇研究家の鳥越文蔵・早大名誉教授(85)が大英博物館図書館(現在の大英図書館)で、日本に現存しない浄瑠璃の台本を見つけ出版、紹介したことがきっかけ。

 鳥越さんと親しいキーンさんが、文楽三味線弾きでキーンさんの養子となった越後角太夫さん(本名・キーン誠己さん)(66)に復活公演を勧め、ゆかりのある新潟県柏崎市で2009年に復活公演が実現した。

 この台本は1692年に長崎に滞在していたドイツ人医師が持ち出したとみられていた。国際交流基金と同図書館の主催。キーンさんらによる英語字幕付きで上演され、約250人収容のホールは満席。公演は3日も行われる。(共同)

 

などど言うことは全く知らなかったので、いきなりドナルド・キーン氏が登場した時はびっくりびっくり まもなく95歳になるキーン氏が時折もつれながらも英語で長く熱いトークをして下さったのも感激でしたが、すぐ近くの斜め前の席にお座りのキーン氏のご観覧のお姿を拝見できたことでパフォーマンスの特別感もぐんと上がったのでしたブルーハーツ。 日本の報道関係者もたくさんいて物々しい雰囲気でしたしね。

 

    

作曲もなさった弾き語りはキーン氏のご養子さんで、私は生でちゃんと観たことがないので良し悪しはわからないのですが、2列目から聴くには立派過ぎる声量はオペラ歌手より凄かったです。 三味線のバチを持つ右手が小刻みに震えていたのに弾くのはちゃんと出来るってさすが拍手 大変な美声でしたしね。 

 

   

 

二幕と三幕で約1時間演じて下さった後、人形使いの方が人形の構造や動かし方について説明して下さったのも興味深かったです目  

普通に演じられている文楽とは違い、古浄瑠璃は人形一体に人形使いが一人、弾き語りは

全て一人。 ストーリーは荒唐無稽さではオペラにも勝るかもしれない破天荒な展開で、面白かったし叫び

 

というわけで、大英博物館で55年前にこの古浄瑠璃本を発見なさったご本人と、その方をロンドンに送り出したキーン氏が感慨深げにお話して下さった後での字幕付きパフォーマンスは(字幕は読まなくても理解できました)、ロンドンとの因縁も感じられて不思議な経験となりましたキラキラ

 


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