5月27日のタンホイザーは素晴らしくて、ヴィースバーデンまで行って本当に良かったとしみじみ思いましたハート 仕事をいつ辞めるかいつも迷ってる私、こういうことがあると、遠征費用を稼ぐためにもうちょっと働こうかなという気になり、大袈裟に言うと私のライフスタイルを左右するわけだ。

 

タンホイザーってどんなお話なの?と仰る方は、まず以下の椿姫的解説をご覧下さい(以前の記事のコピペ)。

 

クリップ中世の騎士で吟遊詩人のタンホイザーは、仕事も恋人も放ったらかして、異教徒のフーゾクのオネーチャンのところに入り浸ってたんですがキスマーク、それにも飽きて望郷の念に駆られ、今まで尽くしてくれたオネーチャンを傷つけて、おめおめと戻って行くんですむっ

幸い、長い間行方不明になっていた彼を、かつての仲間も恋人エリザベートも喜んで受け入れてくれたのに、このアホは、シンガー・ソング・ライターとして、「愛」がテーマの歌合戦で、「精神的で崇高な愛なんてクソ食らえってんだ。快楽こそが愛の本質に決まってるじゃねえか」、と歌ったもんだから、今までの放蕩ぶりがばれてしまって大ヒンシュクパンチ!

後悔するタンホイザーは、エリザベートの叔父である領主に「ローマ法王に謝罪して許してもらうように」と言われて、ローマへ。でも、当然というか、法王に「あかん、赦せんプンプン」と言われて、「しゃーない、又オネーチャンのとこに行くしかないべ~」と自暴自棄となったタンホイザーの前に(夢で)現われるフーゾクのオネエチャン。だけど、恋人の名前を呼ぶと夢から覚め、オネエチャンの姿も消える。そこへエリザベートの亡骸を運ぶ葬列が近づき、タンホイザーは棺の上に倒れて息絶える・・・天使

 

という、肉体的快楽と精神的な愛のせめぎ合いがテーマで、ワグナーの崇高さとセクシーさが充分味わえ、「あ、これ知ってる~」という有名な曲もいくつか出てきて、ワ-グナーの中でも人気のある作品であるのも頷けます。

クリップ

Conductor Patrick Lange
Director Uwe Eric Laufenberg
Stage Designer Rolf Glittenberg
Costume Designer Marianne Glittenberg
Chorus Master Albert Horne
Lighting Designer Andreas Frank
Dramaturgy Regine Palmai

 

Hessisches Staatsorchester Wiesbaden, Chor & Extrachor des Hessischen Staatstheaters Wiesbaden
Daniela Rücker, Isolde Ehinger, Hyerim Park, Eunshil Jung Four noble pages
Stella An A young shepherd
Alexander Knight Reinmar von Zweter
Joel Scott Heinrich der Schreiber
Thomas de Vries Biterolf
Aaron Cawley Walther von der Vogelweide
Markus Brück Wolfram von Eschenbach
Jordanka Milkova Venus
Sabina Cvilak Elisabeth
Klaus Florian Vogt Tannhäuser
Albert Pesendorfer Hermann, Landgrave of Thuringia
 
 

透明な声で清潔な雰囲気漂うクラウス君はどうみても快楽に溺れる駄目男にはみえないのですが、まあ、高貴な白鳥の騎士ローエングリンが一時的に道を踏み外したエピソードとして見ると、腑に落ちるような感じ?べーっだ!

タンホイザーは出番も多いし、ローエングリンより力強い歌唱を必要とするんですが、ローエングリンとは違う情熱的で芯のある声(透明感はそのままで)をたっぷり聴けて至福の時でしたドキドキ。 指揮者のすぐ後ろのまじかな席から双眼鏡で汗の一滴一滴まではっきりしっかり見て、ビジュアル的にも堪能ラブ。 演技もしっかりやってくれました。

スーツ衣装は基本的に一着だけで、袖なしのベストは体型を上手く隠してくれるし、長身の彼は長いコートやマントもサマになり、トレードマークのライオンのような長髪も健在。 むき出しの腕を見たのも初めてで、ベストの胸元からちょっと出てる金髪の胸毛もウフフニヤリ 久し振りなせいか、2、3回、ちょっとあやうい箇所もありましたが、ハラハラするのも生の楽しみだし、とにかく一回だけのために稽古してくれて感謝の気持ちで一杯。 本当に感動的なパフォーマンスで、圧倒的な実力を示してくれたクラウス君、これでは又どっかに追っ掛けしそうだわ。タンホイザーも又聴きたいし。

 

   

 

  

怖れていたプロダクションも、シンプルでわかりやすくて良かったです。全裸の男女が数名、結構出てきて踊りますが下品ではないし物語に沿ってるので納得(→こちらをご参照)。

 

 

 

 

もう一つめっけものだったのがエリザベート役のソプラノ(スロベニア人のSabina Cvilak)で、凄い美人なのでクラウス君とはオペラでは滅多にお目に掛かれない美男美女カップルの上、力強い歌唱も素晴らしかったです。全裸の後姿も真っ白い肌で綺麗花束

ヴォルフラムとヴェーヌスはどうってことなかったですが、主役二人があれだけ素晴らしければ、これ以上望むのは贅沢ってものでしょう。フェスティバル特別価格でも113.8ユーロと良心的だったし、綺麗なオペラハウスで(後ほど写真アップしますね)、出待ちは思い掛けない幸運だったし(→こちら)、これまでで最高のオペラ遠征となりました。一年以上もハラハラ待ったので達成感もあり爆笑

 

時間がある時に(今ちょっと忙しいですが)、ブログのカテゴリーに「クラウス・フロリアン・フォークト」を追加して、関連記事をそこにまとめておきますね。