<14th June Fri>

昨日(飲み会)も一昨日(グラインドボーンのオペラ)も午前様だったので、今夜のミックスバレエは迷った末に切符をリターン。バレエは控えようとしてるしね。 

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5月31日はヘンデルのアグリッピーナのコンサート・オペラでした(→こちら)。今シーズンのバービカンの目玉ですから、翌日の早朝フライトでフランクフルトに行くのですが、逃すわけにはいきません。

これは数列うしろの理想的な位置からオペラ仲間のPrimroseさんから拝借した写真。エンジ色のジャケットのファジョーリの足元に私と白髪のトーチャンが写ってるでしょ。

アグリッピーナは暴君ネロの母親で、古代ローマ史上で有名な悪女。連れ子のネロを次の皇帝にしようと躍起になるのが話の中心ですが、オペラでは有名なポッペア(後にネロ妻になる)も登場して、権力争いと恋のさやあてでややこしい展開になり、簡単に説明できないので、わかりやすい図解入りの→こちらをご覧下さい。

 

Handel Agrippina (concert performance)

 

Il Pomo d’Oro

Maxim Emelyanychev harpsichord/director
Joyce DiDonato Agrippina
Elsa Benoit Poppea (Kathryn Lewekの代役)
Xavier Sabata Ottone Xavier Sabata (Marie-Nicole Lemieuxの代役)

Franco Fagioli Nerone

Luca Pisaroni Claudio
Andrea Mastroni Pallante
Carlo Vistoli Narciso (Jakub Jósef Orlinskiの代役)
Biagio Pizzuti Lesbo

 

1年半近く前に切符を買って以来、歌手3人が交替しましたが、肝心なディドナートとファジョーリは出てくれたので問題なし。

セットも衣装もないけど、皆さんちゃんと芝居もしてくれて、特に野心たっぷりの悪女ぶりが際立つジョイス・ディドナートと、まるでコメディアンのようなお笑い演技のフランコ・ファジョーリが抜群で(可愛いのドキドキ)、歌唱カでも卓越してるこの二人最前列ど真ん中からたっぷり堪能しました。字幕も見難いし、写真も悲惨な角度になってしまうけど、やはりこのかぶりつきは止められません目

 

 

ディドナートのカラフルなドレスの珍しい柄をトーチャンと二人でじっくり眺めたところ、これは街の地図なのですが、もし実在の場所なのであれば、カナダの東海岸とかかな? 通りの名前が英語とフランス語のちゃんぽんなので。

ファジョーリの衣装は一番つまらないのですが、足元がさすが! ピカピカの赤い靴ハイヒール

 

大スターの二人以外も上手な人がほとんどで期待通りレベルの高いパフォーマンスでした。

 

もてもて美女ポッペアのElsa Benoitは若い美人でドラマ的にもぴったりだし、個性はないけど素直に伸びる声が素敵でした。

白いスーツ姿のザビエル・サバタさん、好きな声ではないし良いと思ったことは一度もないけど、今まで聴いた中では一番ましな歌唱だったので、足を引っ張ることもなく無事に代役を務めたし、出番は少ないけどルカ・ピサローニは色男として存在感あり。

 

ラブこの日のめっけものは3人目のカウンターテナーのカルロ・ヴィストリという1987年生まれのイタリア人。声量はなくて変化にも乏しいけど細くて繊細な声は私好みだし、長身の美男子なので二枚目役を演じたらうっとりだわあ。彼はJJオルリンスキーの代役だったのですが、JJ君を知る仲間は彼が出てなくて残念がってたけど、私は翌日フランクフルトで聴けたので全く気にならず。すごく小さい役なので、JJ君はダブルブッキングしてたフランクフルトのロデリンダの方を当然取るでしょうし、そのおかげでカルロ君を聴けてラッキーグッド!

 

ということで、全く声質の違うカウンターテノール3人が聴けて、幸せな夜でした。 翌日はフランクフルトでショルとJJという華やかなCT二人も聴けたし(→こちら)、大満足。

   

 

 

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そうだ、ディドナートとファジョーリ共演で、今年の秋にROHでアグリッピーナをやってくれるんですよ(→こちら)。オットーネはイエスティン君だしアップ、指揮者はこの日バービカンでも若さに溢れて印象的だったあったマキシム君のROHデビューだ。楽しみ爆  笑