<7th Feb Sun>

2月2日はワクチン接種がメインイベントになってしまったけれど、私の勤続40年記念日でした。

ご褒美の有給休暇と金一封を確保してから会社辞めようとしたのが退職がこの時期になった理由ですが、長かったようなあっという間だったような40年、入社当時のことはよく覚えているものです。

 

 

就職のいきさつは15年前の記事に書いたように、幸い圧倒的に雇われる側の売り手市場だったのでとても楽だったし、「経験ゼロなのに、なぜそんなにたくさん貰えるの?」、トーチャンが不思議がるくらいでした。ほとんどがオックスフォードかケンブリッジ卒で当時最先端のIT会社だったトーチャンの会社の新卒の給料よりもよかったですから。その上でボーナスも住宅ローン補助もあり、幸先良いスタートでした。

 

2ケ月後に日本に5週間行くのが決まっていたのでそれまでのアルバイト探しにエージェントに行ったのですが、その時唯一の手持ちだったのが今の会社で、勢いに流されて就職してしまったものの、里帰りから戻ってもっと良いところがあったら乗り換えようと目論んでました(イギリスでは転職は昔も今も当たり前)。でも結局ここが決して悪くないことがわかり、長年の間にはそりゃ目移りもしましたが、結局縁があったのでしょう、ここまで来てしまいました。

もっともお給料が増える転職のチャンスがあったのは最初の15年くらいで、円高を一端とする日本からの留学生増加に伴い卒業後にこちらで結婚する女性が激増して狭い就職マーケットが荒らされ、こちらの高校生新卒より例えばオックスフォード大出の日本人女性の方がスタートの給料が低いという現象も起こり、私も転職したら給料半減になりかねず、特に20年近く前にトーチャンがリストラになってからは私が家計を支えなくてはならないわけで転職は問題外。

 

先週の記念日にはズーム・ミーティングで支店長から直々、「長い間ありがとうございました」とお言葉を頂きました。このご時勢ですからお互いの顔を知らず、「はじめまして」ということになったのは滑稽でしたが、共通の知り合いである私の昔の上司たちの話で懐かしさがこみ上げました。もっとも入社当初25人だった社員も10倍以上に増えて、自宅勤務じゃなくても支店長と話する機会なんてないでしょうし、顔と名前がつながらない人もたくさんいることが昔と比べて一番淋しい局面かな。

 

入社当時はシティの一等地に会社があったのも誇らしかったです(今はシティのうんと端っこ・・)。

この写真は1982年に撮ったもので(真ん中の黒いつまんないビルがうちの会社)、英国銀行Bank of England, 元王立取引所Royal Exchangeに挟まれ、後ろにはロンドン証券取引所London Stock Exchangeという早々たる建物よ(証券取引所は1990年にIRAに爆破され、移転爆弾)。

 

2013年。代わりにモダンなビルが建ちましたが、前の歴史的な建物に敬意を表して同じような形にしたのかしら?

 

因みに、札束金一封(実際にはクレジットカードの形で届きました)で何か記念になるものを買おうかなと数年間楽しく迷ってたのに、コロナで物欲は消え失せ、お店も閉まってて高いものをオンラインで注文するのも危険だということで、結局このお金はスーパーマーケットでトーチャンが少しづつ使ってて、つまらないったら・・えー?