<3rd Oct Sun>

昨日はジム、オペラ、コンサートと忙しい日でしたが、今日はその反動で散歩以外は家でのんびり。

ロンドン・マラソンは4万人が参加。40年前から毎年4月にやってましたが、今回は10月(次回も)で、去年はコロナでエリート選手だけが参加。まだ毎日3万人感染して百人死んでるイギリスでこんなことするのは日本の皆さんには理解できないでしょうが、やっと普通の生活が戻ってランナーも観客も大喜びの様子が様子がよくわかって、私も嬉しくなりました。初回からテレビで毎年観てますが、今回は特別。

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9月25日(リハーサル)、28日(初日)、10月2日と、イェヌーファを3回観ました。写真は右からのリハーサルと左からの初日、上からの3回目が混じってます。

 

ラトヴィアの裕福な粉屋ブリヤ家に起こるイェヌーファという美しい娘の結婚話ですが、全員(血は繋がってなくても)同じ家族の中で悲劇が起こります。詳しくは新国でやった時のストーリーと家族相関図をご覧下さいですが、未婚で妊娠したイェヌーファの赤ちゃんを継母が殺してしまう暗いお話でも、皆の気持ちがよくわかるのでぐっと来るわけです。

 

一年半前に予定されてけどコロナで延期になった新プロダクションがやっと実現したのも感慨深いです。ROHでは20年振りですが、私はその時に観て印象的だったのを覚えてます。その時のイェヌーファ役のカリタ・マッティラが今回の継母役というのも時代の流れを感じます。

チェコ語を聞くのも貴重な機会だし、なんと言っても叙情的で美しい音楽が感動的ラブラブ

 

Music LEOŠ JANÁČEK
Libretto LEOŠ JANÁČEK based on the play Její Pastorkyňa
by Gabriela Preissová
Brno version, edited by Sir Charles Mackerras and Dr John Tyrrell by
arrangement with Universal Edition Ltd A.G. Wien
Conductor HENRIK NÁNÁSI
Director CLAUS GUTH
Set designer MICHAEL LEVINE
Costume designer GESINE VÖLLM
Lighting designer JAMES FARNCOMBE
Choreographer TERESA ROTEMBERG
Video ROCAFILM
Dramaturg YVONNE GEBAUER

 

Jenůfa ASMIK GRIGORIAN
Grandmother Buryjovka ELENA ZILIO
Laca Klemeň NICKY SPENCE
Jana YARITZA VÉLIZ
Foreman at the Mill DAVID STOUT
Števa Buryja SAIMIR PIRGU
Kostelnička Buryjovka KARITA MATTILA
Barena APRIL KOYEJO-AUDIGER
Herdswoman ANGELA SIMKIN
Mayor JEREMY WHITE
Mayor’s Wife HELENE SCHNEIDERMAN
Karolka JACQUELYN STUCKER
Tetka (Aunt) RENATA SKARELYTE


Evening Standard ★★★★★

The Independent ★★★★★

The Telegraph ★★★★★

The Arts Desk ★★★★★

The Stage ★★★★

The Times ★★★★

 

リゴレットと違い、今回はレヴューに同感です。

悲しくて陰惨な内容だけど舞台はすっきり広くて明るくて、時代に沿った衣装と背後にうごめく人たちで当時の社会的閉塞感を上手に表現し、民族衣装もきれい。

初日の演出チームへも当然乍ら温かい拍手拍手

 

勿論、パフォーマンスが極上でないとこんなに5ツ星は並ばないわけで、演技も重視して歌唱も皆さん上手でした。

 

 

 

  

ROHデビューのアスミック・ゴリゴリアンが一番楽しみでしたが、特に立派な声量ではなかったものの、私の好きな細い声だし、真摯な演技も素晴らしかったクラッカー

  

 

 

 

赤ん坊を殺してしまう彼女の心の葛藤が一番重要で実質的な主役とも言える継母のカリタ・マッティラ。かつての透き通った声はとっくに失って見掛けも老けたけど(61歳)、この役はしゃがれ声迫力となって適役。

 

  

 

  

イェヌーファを愛し続け、「ここにはいられないから遠くに行くわ」と言う彼女に「僕も一緒に連れてってくれ」と最後に希望の光をもたらすニッキー・スペンスの優しい声に観客は救われた筈。

6年前にトビー・スペンスの急な代役で初めて聴いてから(→こちら)応援してるイギリス人テノールで、Wigmore Hallのリサイタル(→こちら)も良かったです。おそらく今37歳の彼は、ROHでは脇役で出たことはありますが、なんと来年5,6月はガランチャの相手役としてサムソンとデリラ(→こちら)の主役に大抜擢され、今が正念場。でも、お願いだから、もう少し痩せてね。

 

 

 

 

 

  

イェヌーファを妊娠させといて捨てる最低男はサイミール・ピルグ。楽しみにしてたAndrew Staplesが降りたのは残念ですが、代役でこんな有名テノールが主役でもないのに出てくれるとはビックリマーク さすがの歌唱と貫禄でした。

祖母役のElena Zelioは、長年迫力ある声で圧倒的でしたが、年取ってさすがに衰えたか、今回はいまいちパッとしませんでした。他のマイナー役の女性たちは皆さん上手でした。

  

地味な作品でも、良い評判のおかげでしょう、ダンピングはしてないと思うのですが、席はかなり埋まって、大成功アップ。上の席だと皆さんの熱狂振りがよくわかりますクラッカー 

   

今回悩ませられたのが

金管楽器が多いフル・オーケストラを最初の2回舞台横から聴いたら、特に左側はホルンがうるさくてイラッ、歌声がかき消されてしまい・・・ショック。3回目のupperslipsは、オケの音量はちょうど良くて、遠くで奏でるホルンも心地よく、歌声もちゃんとしっかり聞こえたのですが、近くからと遠くからとでこれほど声が違うとはびっくり。いつも席によって聞こえ方は違うのですが、今回は近くから聴いた生の声の方がずっと好きなので、やはりこれからもそれを狙おう。