<14th Jun Tue>

数日間暑くなりそう。明日は郊外の正装オペラに着物で行くのに。

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サムソンとデリラの新プロダクションに5月26日の初日に右側から、6月10日に左側から、13日に上の安い席からと3回行きました(ROHのサイトはこちら)。

 

サムソンとデリラは、旧約聖書に出てきますが、ヘブライ人の腕腕男サムソンが異教の美女デリラに誘惑されて弱点を教えてしまい、ヘアカット美容院されて力がなくなってしまうが、最後は神の力で回復して異教徒をやっつけるというキリスト教世界では超有名なストーリーで、サン・サーンスのオペラ代表作でフランス語も甘美。

 

新プロダクションは演出チームも登場する初日に行くに限るのですが、今回も「えーっ!、なんだこりゃ?!爆  笑」という驚きがあって面白かったです。だって、イカゲームに出てくるような巨大で漫画チックなフロートが舞台脇から登場したんですもの。それまで暗くてガラーンとすっきりして過ぎてつまらないセットだったのが一転してカラフルで賑やかなラスベガスびっくり。最初に見た時は「うーん、これではサムソンとデリラの悲劇が全く感じられないし、冗談も程々にしてむかつき」と思ったのですが、何度も観てるうちに愛着が涌いてきて、「印象に残るし、こうやって視点をずらして宗教色を消すのは良い考えかも」と思うようになりました。5ツ星は行き過ぎだと思いますが、これが気に入った人の気持ちも少しわかるような。

 

The Independent ★★★★★

The Telegraph ★★★★

The Guardian ★★★

 

演出チームには、私の回りではブーイングもなく。

デリラ側の異教徒ペリシテ人たち。

正面からご覧になった方の初日の写真を使わせて頂きますが、最後は階段の上の木の杭が傾きます。

 

Director RICHARD JONES
Set Designer HYEMI SHIN
Costume Designer NICK Y GILLIBRAND
Lighting Designer ANDREAS FUCHS
Choreographer and Movement Director LUCY BURGE

 

Samson SEOKJONG BAEK replaces NICKY SPENCE
Dalila ELĪNA GARANČA
High Priest ŁUKASZ GOLIŃSKI
First Philistine ALAN PINGARRÓN
Second Philistine CHUMA SIJEQA
Messenger THANDO MJANDANA
Abimélech BLAISE MALABA
Samson’s Rabbi GODERDZI JANELIDZE

 

ご贔屓のスコットランド人テノールのニッキー・スペンス(図体大くてサムソンにはぴったり)が遂にROHで主役ということで楽しみにしてたのに降りてしまって(原因不明)凄くがっかりでしたが、エリーナ・ガランチャは期待通り素晴らしくて、3回行った甲斐がありました。代役サムソンは韓国人で、歌はまあまあでしたが小柄でこの容姿だし演技も地味で全く怪力サムソンからは外れてるのでガランチャとのケミストリーも感じられないし物語として共感できません。でも、パッパーノ大将指揮のオーケストラは素晴らしくて、ドラマチックで甘美でエキゾチックなとても美しい音楽です。ガランチャが歌ってる時以外は歌のないオケ音楽の部分がベストでした。

 
 
  
この美しい天井を目の前にして観ると、ROHにいる実感しみじみで幸せ飛び出すハート
 
キラキラ女神様のようなこの衣装のガランチャは凄く美しいのですが、前半は彼女の美貌を台無しにする超ダサいワンピース姿なんです。最初からこれ着ればいいのに。
 
ブログを初めて以来このオペラをROHでやるのは初めてで、十数年前の先回はたしかホセ・クーラ(ぴったり!)とデニス・グレイヴス(大きな臨月のお腹で歌ってハラハラしましたハイハイ)。