<27th July Wed>
嬉しいニュースの少ない中、ヨーロッパ選手権の女子サッカーでイギリスの決勝進出で大喜び。しかし、うーん、相手はドイツか・・。男子戦だとドイツは宿敵でファン同士が喧嘩になりそうで緊張するのですが、女子の試合にはそういう血の気の多い男どもはきっと行かないですよね? 決勝は日曜日に我が家から近いウェンブリー・スタジアムで。近寄らないようにしよう。
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私の今シーズンのROH通いは7月23日のJette Parker Young Artists達の卒業コンサートで終り、これで9月までお別れですが、まだ記事にしてなかったCosi fan tutteを記録として残しておきます。
筋書きはブログを始めた頃に張り切って書いた記事→こちらをご覧下さいですが、要するに二組のカップルの男性の方が恋人の貞節度で賭けをするドタバタコメディで、アホらしいと言えばアホらしいのですが、上手にやれば意外に深い内容だし、良いアリアがたくさんあるので聴き応えも充分なので、モーツァルトの中でも私が一番好きな作品です。
脇の安い席が出たので4回分買っておいたものの、交通ストライキで公演自体がキャンセルになったのと私がコロナに感染して行けなかったのとで、結局は6月25日と7月1日の2回しか行けませんでしたが、私にとっては一番重要なテノールがそれほどでもなかったので、2回で充分。
Music Wolfgang Amadeus Mozart/LibrettoLorenzo da Ponte/Director Jan Philipp Gloger/
Set Designer Ben Baur/Costume Designer Karin Jud
Fiordiligi Jennifer Davis
Dorabella Julie Boulianne
Don Alfonso Lucio Gallo
このプロダクションは6年前に初めてやったのですが↑、なんかごちゃごちゃして中途半端な印象(今年3月に観た遊園地を舞台にした素晴らしいENOのプロダクション→こちらよりはうんと劣るけど、最悪なパリのガルニエ版(→こちら)よりはうんとましだけど)。
一番上手だったのは、ROHの若手アーチスト時代から優等生だったソプラノのジェニファー・ディヴィス(金色ワンピース)で、むらなく出る美声に聞き惚れました。今やワーグナー(ROHでローエングリン)とモーツァルトの両方こなすのは凄いけど、折角の金髪美人なのに太ってしまっておばさんっぽくなってしまったのが残念。
メゾソプラノのJulie Boulianne(藤色ワンピース)も充分上手だったし、女中のデスピーナのセレーナ・ガンベローニ(テノールのフランチェスコ・メリの奥さん)のコメディエンヌぶりもなかなか良くて、圧倒的に女性陣の勝ち。
男性陣は、肝心のテノール
Bogdan Volkovが1回目は声量不足でおおいに失望。2回目は見違えるほど声が出るようになったけど、それでもファンになる程ではなくて、がっかり。めっけものはバリトンの
Gordon Bintner で、長身美男子で鼻にかかった声がまるでシュロットみたい。このままドン・ジョバンニできそう
。男性陣が大負けの一番の理由はドン・アルフォンソの
ルチア・ガロ。ここにはよく出るけど上手と思ったことは一度もなく、つい最近ドン・パルクァーレのタイトルロールでも彼の出番は耳をふさぎたかったくらい。世の中に上手なバリトンは履いて捨てる程いるのに、ROHはなぜこんな人を頻繁に出すのか、怒りすら覚えます
。
ドン・パルクァーレと言えば、明後日グランドボーンで観るのが楽しみ。