<7th Sept Thus>

暑さは続き、家が段々暖まってるので、今夜あたりから寝苦しいかも。今週末までの我慢ですが。

エリザベス女王崩御から明日でちょうど一年。ROHのシーズン初日のドン・ジョヴァンニに着物で行ったのにキャンセルされたのでした(→こちら)。

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9月3日、ブルガリホテルでランチした後(→こちら)、4時開演のプロムスに。

そんなに早く始まるということは長いからで、正味4時間の大作(休憩2回で5時間半)。で、感想を一言で言うと、「長かった~絶望」。バービカンでコンサート形式で聴いたときは2回に分けたし、パリで観た時は3時間以下に短縮されてたように、全部やらないことも多いようですが(ROHでも仏グランドオペラによくある歌なしのバレエの部分はカットしたような)。全部聴ける貴重な機会には感謝しますが、このオペラはあまりにも冗長なので、少しカットするくらいが丁度良いと思います。

近くで聴くのが好きな私、ここでそうしようとするとアリーナの立見しかないですが、この長さでは無理。しかも、プロムスの嫌いな点の一つは切符を買う時に席が選べないことで、販売開始すぐに買ったのに、ストールの10列目ってムキー。(2週間すると選べるようになるようですが、最初からそうしろっパンチ!

 

トロイ戦争の木馬とパーセルの短いオペラ「ダイドーと絵エネアス」をくっつけた内容で、セットは勿論ないですが、歌手達がそれなりに演技してくれたのは感謝。

パフォーマンスの評価は高く(→Evening Standard  ★★★★★)、歌手も皆さん上手でたしかに素晴らしかったのですが、特に代役指揮者に絶大な拍手が送られたたのは、ここでやる前にザルツブルグ音楽祭やベルリオーズ・フェスティバル等ヨーロッパ何箇所かで公演した時になんと指揮者のSirジョン・エリオット・ガードナーが歌手の一人に暴力を振るったことで自ら降りたのが一般ニュースにもなったのも一因でしょう。80歳のガードナーはこれで終りでしょうね。チャールズ国王戴冠式でも出てきたイギリスで一番有名な指揮者の一人なのに残念です。

プロムスにはほとんど行かない私がこれだけは行くことにしたのは、アメリカ人テノールのマイケル・スパイヤーズが出るからで、最初はイマイチだったものの徐々に盛り返してまあまあでしたが、私が聴いたベストからは程遠く、出番も少なかったのは残念。テノール好きの私は割と最近ウィグモア・ホールで聴いてファンになったローレンス・キルスビーと言う若いイギリス人(白いシャツ姿)がここで又聴けて特にハッピー。上手に歌えて好印象を与えた彼はこれを機に羽ばたいて欲しいです。

 

前半のヒロインであるカッサンドラ役のアリス・クートはさすがの実力。

 

Hector Berlioz: The Trojans
 
Iopas & Hylas....Laurence Kilsby (tenor)

Hècube....Rebecca Evans (soprano)
Hector/Sentinelle II....Alex Rosen (bass)
Cassandra....Alice Coote (mezzo-soprano)
Aeneas....Michael Spyres (tenor)
Dido....Paula Murrihy (mezzo soprano)
Coroebus....Lionel Lhote (baritone)
Ascanius....Adèle Charvet (soprano)
Narbal....William Thomas (bass) →この人が暴力の被害者で、この日は出ず。
Panthus....Ashley Riches (bass-baritone)
Anna....Beth Taylor (contralto)

The Monteverdi Choir
Orchestre Révolutionnaire et Romantique
Dinis Sousa (conductor)

二回目のインターバルの8時頃は美しい夕焼け。中は結構暑かったので、外に出ると涼しくて良い気分でした。好きではないと言いつつ、美しい大ホールの雰囲気は素晴らしかったです。

過去記事はこちら。

2012年7月に素晴らしいマクヴィッカー演出でROHで(→こちら )

 

2019年2月にはパリの縮小版で(→こちら )