<20th Feb Tue>

散歩で楽しみにしてる近所の椿、なぜか下から咲き始めるんですね。土からの栄養が行き渡ってるから?

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2月17日はバービカンでエフゲニー・キーシンのピアノ・リサイタル。

いつもは最前列のかぶりつきなのに、今回は最初に買いそびれたたので、ずっと売り切れだったけど、運よく数日前に10列目のリターン席をゲット。

音の振動を直接体中に感じることができなかったのは物足りなかったですが、少し離れた席だからこその良い点もあり、これだけ離れても唸り声が少し聞こえたくらいなのでかぶりつきではさぞ気になっただろうし、客席の様子もよくわかりました。例えば、4列前にキーシンのお母様と、キーシンの奥さんと連れ子だろうと思われる大きくなった子供たちが近くの席にいたし、演奏中に多分映像を隠し撮りしてた人を係員が注意して止めさせたり。もちろん観客の演奏に対する反応がわかるのは興味深いし、カーテンコール写真もかぶりつきだと下から見上げる妙な角度だけどここなら正面から見られました。

 

前半のベートーベンとショパンは、もちろん上手だけど、キーシンならではの魅力が伝わる曲ではなかったし、観客は大いに沸いたものの、それは主にネームバリューのせいで、「違う、キーシンはこんなんじゃないの、もっと凄いんだから」と感じました。

インターバル後のブラームスは誰が弾いても退屈だろうと思える曲でしたが、最後のプロコフィエフのソナタ2番で空気が一変し、やっとキーシンらしい華麗な指裁きと力強さが発揮されて、ぐんと盛り上がったのでした。

 

アンコールは3曲で、ショパンのマズルカ、プロコフィエフのマーチ、ブラームスのワルツでしたが、最初に怒りに震える表情で「前日に刑務所で死亡したロシアの反体制指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に捧げます」、と。

 

今まで数多く聴いた中で特に今回が良かったわけではないですが、大歓声とスタンディング・オベーションで嬉しそうなキーシンが見られてよかったです。